お稽古ごとのグッズを入れるトレーを作っていても、やる気がないから、袋のままそのあたりに放置。ちゃんとやろうと、心ひとつ動かして決心するだけなのに、何度言われてもやろうとしない。
能力は高くなっているげんちゃん
発達障害の育児を続けてきて、げんちゃんは19歳になったわけですが、幼児の頃から今まで、
私も長い困難な育児の旅をしてきました。
さて、今のステージが、どういうところに当たるのか。これは、げんちゃんだけではなく、ある程度普遍性のあるものではないか、と思い、書いてみようと思います。
げんちゃんは、IQ60と判定された、何もできない時代に始まり、今では、かなりのことができるようになりました。
運動能力、学習能力、会話力、自立した生活力。
もちろん、数々の失敗は繰り広げるに違いありませんが、どうにもサポートがいりまくる、と言うことはないと思います。
もともと、IQも高い発達障害のお子さんなら、最初から今のげんちゃんより、上のステージからスタートすることもあるでしょう。
ある程度ボトムアップしたら、ここからが本番なのかもしれない
しかし、すべてはここからだと思います。
彼らは、自分の興味があることだけ、心を動かしてとらえようとします。そして、自分がスルーする所は、とことんスルーします。
発達障害とは、心の使い方の障害だ、と私は思っています。
彼らは、自分がやりたくないこと、気づきたくないこと、興味のないことには心を動かしません。
レベルの高いお子さんは、心が動く範囲は大きいかもしれません。それでも偏っている。
好きな時だけ心を使う
げんちゃんのスタートは、心がほとんど動かず、昆虫みたいなところからスタートでした。今は、少しは動きます。しかし、彼が心を動かすのは、きわめて気まぐれ。”自分はできた”、とか、勝手に”自分はがんばった”とか、”ここは逃げたい”、”どうやったらごまかせるか”とか、きわめて身勝手なシチュエーションで心が良く動きます。
人が彼に何かをしてやっても、そういうことは”あたりまえ”なので、そんなに心は動きません。
また、何かでこっぴどく叱責されても、げんちゃんの場合は、すさまじい鈍感力ゆえ、心がなかなか動きません。
そういう心の使い方をしているので、自分はもしかしたらダメな人間かも、もっと努力しないとだめなのかも、とかいう気持ちは生まれず、現実より、セルフイメージが高く、時に傲慢です。
ズームでたけこ先生に、会話のレッスンを受けていますが、レッスン後、先生から、こんなサマリーが届きます。以下
今回は「自分の身長と体重はどれくらいか」、ということについて確認する課題に取り組んでもらいました。ところが、身長はお母さんが170㎝ぐらいだと言っていたという記憶しかないそうです。また、体重については50キロから60キロの間だと答えていました。ところが、実際に体重計で計ってもらったところ、69キロだと言っていました。しかも、この体重を私に伝えたと同時に
「平均ぐらいですよね。」と言っていました。
つまり、自分の身長と体重も把握していない上に、なんの根拠もなく自分は平均的な状態だと思い込んでしまうという状況にあるということです。
それはすべてに及び、自分の知力なども、せいぜい平均より少し低いぐらいだと、傲慢にジャッジしているのです。以上
(やれやれ、なんというあつかましさでしょう!)
一つ白があると、そこしか捉えない、黒は無視する
いやはや、げんちゃんと言う子は、一つでも白があると、全部白と平気で思い、黒の情報があっても、心を動かすことなく、スルーして平気。
困ったものです!
ちなみに、逆バージョンの子もいます。
全部黒と思ってしまう子は、白の情報をとらえようとしません。ですから、異常なほど自己卑下したり、恐怖が強かったりするのでしょう。
これらは、しっかり心を使って、白も黒も、あるいはグレーも、捉えることができていないということに他ならず、どのお子さんも、ここをしっかり改善しないと、なかなか、社会で、先に進んでいくことができないと思います。
げんちゃんは、そこを今、ほんとにたくさんの時間をかけて、徹底的に指導しています。そして、おぞましいほどなかなか変わりません。いや、本人変わる気がない。やる気がないのが最も厄介なところです。
本人のやる気と決心だけの床に来てるのに、変わることをめんどくさがります。
ですから、そこをしっかり指導できる人で周りをかため、絶対にげんちゃんが逃げるすきを作らず、ここを乗り越えさせるしかないと思っています。
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私のフィードバックには「傲慢に」とは書かず、「客観性に欠ける」と書いたのですが、確かに、げんちゃんは、客観性に欠ける上に自分は周囲よりも高い位置にあると解釈することが癖になっているというか、もう自動的に、そう思ってしまうところがありますね。これを悪く言えば、傲慢という風になってしまうのだと思います。
逆のタイプで、なんでも自分が悪い、低いと思ってしまう子もいますが、それを悪く言うと卑下しているということになると思います。
傲慢でも、卑下でもなく、自らの姿をニュートラルな状態にしっかり捉えられるようにならなければ、自分の道を自分の足でしっかり歩んで行くことは出来ないと思います。
Takekoさん
補足ありがとうございます。
出方が真逆でも、本質は同じ、というところが、私も最近ではよくわかります。知り合いの発達の躁鬱の女性を見ていると、(前のブログ)、ほんとに、自分の都合の良いところだけを、切り取って、都合の悪いところは、全部なかったことにしているのがわかります。
あえてそうしてるというのではなく、ほんとに、その曲がった情報を信じ込んでいるのですから驚きです。
げんちゃんも、賢くて弁が立てば、似たようなものだと思います。
そこに謙虚さがあると、暴走の度合いは違います。謙虚さを持たせるために、傲慢さを助長するような人間は、絶対に身近におけません。
自立訓練の事業所はまるで、幼稚園。まったく矯める力がなく、行く意味があるかわかりません。
行かせるとやばくて、休ませることの方が多いですから。
この子たちの本質をしっかりわかって、教育できる人はほんとにほとんどいません。
傲慢さの際だつ発達障害は、一生問題を大きく抱えたままいきていくことになります。
今が一番、げんちゃんには大切な時期だと思っています。
この時期をなかなか乗り越えようとしないのが、ほんとに情けないのですが・・・・
自分の身長の体重、そして平均値の話は発達障害の子のとても象徴的なエピソードだなと思いました。
息子も自分の身長体重を把握していないです。まったく興味がないようで、私に聞いてきます。
平均に関しては割と敏感で、テストの点数に関しては高校の頃から私に伝えてきましたね。低偏差値の学校だったので、平均点前後の点数をとることが多くて、それを超えるとまあまあお母さんも安心しそうだって思っていたようで、自分の点数と平均点を伝えてきてました。
傲慢でも卑下でもなく…本当にそれができるといいですよね。
息子は意外と等身大の自分を把握してる感じがします。なので高望みは全くしていない。どちらかというと卑下するほうですが、見ていてつらいほどではないです。ただ、自分を受け入れているのか、成長したいという欲もない感じです。ぼくはこれはできないから、こんな仕事でいい、という感じです。
もしかすると、私以上に達観してる気がしています。
かと言って。このまま放っておくと下降していくと思っているので、やはり手を離すわけにはいきません。キープするのも大変なことです。
ゆうママさん
お子さんは、げんちゃんより、ずっと精神がしっかりしているな~と思います。げんちゃんは、自分の身長体重聞いてきたこともないし、たけこ先生と話したあと、私が聞いても、??と言う感じでした。
つまり、普通の人は、人に興味がないだけで、ある程度自分の思いや自分のことはつかもうと心を動かします。しかし、げんちゃんは、自分のことさえ、べつに~、、と言う感じで、なんか精神が崩壊しているな、と感じます。
かしこくなっているだけに、彼は何事にも気持ちを動かさず、その場しのぎで適当に生きれればいいじゃん、という態度です。
僕はこれはできないから、こんな仕事でいい、というのは、げんちゃんも同じ感じです。そのくせ、できないのはちょっとだけ、と思っている感じがあります。
気持ちがばらばらで、その場その場で適当にただよっている。何の目標も持とうとしません。
この感じは、この子の特徴のようで、育て方うんぬんというより、小さなころから人間とは思えないです。
最近かしこくなってるので、そこをもろ出ししてきています。発達障害というより、精神疾患患者と同じ精神の使い方だ、崩壊している、とS先生もあきれ、予断を許さない、とがんばってくださっています。
もう、他の発達の子すべてが、すごいな~と感じるくらい、げんちゃんは特殊です。
たけこ先生の驚きもそれを表しています。
放置すれば、限りなく下降し、手が付けられなくなるのがわかるので、やめる、と言うことができません。
あとは自分の思いだけ、というところになって、まったくやる気がない、人として最低のげんちゃんです。
そのくせ周りのことは読みます。ばかじゃないです。こっちのちょっとしたすきとかは、狡猾に読んできて、そこに逃げ場を作るのは天才的です。
この子の頭がよかったら、今頃、何をしでかしているか、と思うとぞっとします。
非公開 当事者のNさん、
ブログを読んでくださって、コメントいただきありがとうございます。大学生で、就職の内定0ということですが、
>こちらの記事に書かれていること、そして読者コメントと返信を拝見し、まるで自分の事を言われてるかのように殆ど当てはまりました。
このコメントに関心してしまいました。
発達障害の特徴があっても、自分で自分のことをしっかり判断できるということは、私から言うと、すごいことです。げんちゃんには皆無のことです。
障害と言われるところは、本人の自覚があってこそ克服の努力ができます。げんちゃんは、自覚させるように、ほんとに、ある意味すごい指導をしてもらっているのに、できないのではなく、やろうとしないのです。
そこにほんとに苦労しています。すべてこちらのやれることはやって、あとは本人の自覚だけ、というステージに来ても、そんなめんどくさいことやらなくても、生きていけるでしょ。とたかをくくっています。恵まれている環境で、なめまくっています。
Nさんがもし、私の子なら、苦手なところの克服に力を貸して、私も教育の研究をして、Nさんにあった声掛けをし、指導者を探す。もう今ごろ、悩みのいくつかはなくなっていると確信します。
それほどに、げんちゃんにやってきましたからね~。しかし、げんちゃんはまったくやる気もなく、自覚もない。いまだにこっちのすきをさがし、努力しないでいい方法を、ついた能力を使って探し、自分の世界で好きなように生きていくことを旨としているのです。
コメントで、
>この年になって、決まった日決まった時間に決まった所に行くこと」が出来るようになりました。
というのも、時間把握が苦手と言うことだったと思います。これは克服できます。そして克服できてきたということで、素晴らしいと思います。
特に親御さんのサポートをガチに受けているわけではなく、親ごさんの協力はむしろあまりない中で、自分で自己改革をなさろうとしているところ、ほんとに素晴らしいです。
げんちゃんもそうなってほしいものです。
とにかく自覚とやる気、それがあれば、あとはノウハウです。S先生がNさんを指導することができたら、どんどん吸収なさると思います。
げんちゃんは、こっちの力で時間把握を克服し、あらゆる外側の能力をつけました。決して自分ではやってません。
でも、やる気がなく、自分を変える気なんて毛頭ない!これこそ、最悪なんです。
「げんちゃんに、こんな子かえてほしい!」と言っても、彼は全く馬耳東風です。あまりに心が動かないから、しかたなくそういう発言をしてみても、傷つくどころか馬耳東風です。そういうことに普通に傷つくような気持ちがあったら、もっと進化していたと思います。
いまだに落ちているときは、この子は私が死んでも泣かないな、と確信できるほどです。心を動かすのがめんどくさいので、まったく動かしません。
彼に健子先生が、
「今まで何かで傷ついたことある?」
と聞いたら、「いやない、」と秒で答えたそうです。ほんとだと思います。彼は、彼に深くかかわった人の多くは、似たような感想をいだきます。
傷つきもしないし、失敗もさっさと捨てて何もなかったようにできる子で、人に関心もないので、うっとおしく人の邪魔をしたりはしません。そこ一点で何とか今までなっていますが、放置すれば、ほんとに怖いと思っています。
これから、良いアドバイザーに恵まれるといいですね。きっといろんなことを克服できて行かれると思います。
S先生にコメント読んでもらったのですが、
ほんとに素晴らしいとおっしゃっていました。がんばってください。いつも、素直に、自分をかくさず、等身大の自分を認めて、コツコツ努力を積み重ねていってください。ノウハウの問題は克服できてくると思います。
げんちゃんはある意味メンタル化け物みたいな子ですから、Nさんのコメントを読んで、ほんとに素晴らしいと思いました。!
こんにちは。
整理整頓具合の写真、ホントわかります。
とんちゃんもトレーに違うものを入れたり、机の周囲の床が物置場になったり…
自分の眼鏡すらどこに置いてあるか把握していないのですよ。
(出かける時だけ眼鏡をします)
クラフトに始まった工作もかなりの進化というか私たちが作るのと遜色ない感じがしますよ。
げんママさんの努力の賜物ですね。
今、息子にも簡単な物をやらせていましたが、酷いですね…
三連休は毎晩夕食を作ってもらいました。
今日も今からやってもらいます。
学校で結構調理実習をやっているので、大分上手くなりました。
でもまだ危なっかしいのでね。
材料を「このぐらいの感覚で切ろう」というのは、意識が入っていないと飛びますね。
げんちゃんが食パンを切っていたことを思い出しました。
半分って言っているのに、半分じゃないなんてよくある話ですね。
指先は本当に大事ですよね。
脳の発達が出ますよね。
モンテ園にいましたので、昔からとんちゃんにも仕向けては来ましたが、ことごとく嫌がりました。
だから知能もこんなもんです。
好きな時だけ心を使うのも一緒ですね。
息子も割とセルフイメージが高めです。
根拠もなく。
身長体重のくだり、わかりますよ。
突如160mとかいう時もありますよ。
単位すら適当。
今、体重を聞いたら55㎏だと。
実際は45㎏弱です。
今計測させました。
どこからそんな数字が出てくるのでしょうかね。
みなさんのように、平均かどうかなんて気にしていませんね。
他の子たちのことは気にもしないのですよね。
ですので、他の子より出来ているという視点にはならないのです。
ただ、他の子が出来るのに自分が出来ないと悔しがります。
出来るようになりたいという気持ちは芽生えます。
それで努力するときはいいのですが、何もしない時もあります。
「どうせできないから」「難しい」といって投げてしまうということです。
後は体育の試合やゲームでの勝ち負けも気にしますね。
悔しさがばねになっていい方へ行くきっかけになればいいのですがね。
とんままさん
かたづけ・・・ほんとに課題ですよね。頭のいいアスペルガーのような人でも、片付けが全くできないと言う人の話を聞きます。
そこに価値をおかないと、まったく0になっちゃうんでしょうね~。
片付け、指先能力、私の中では、かなり大きなうウェイトを占めています。
二次元の学習に行きつかないと思うのです。二次元は、3次元に落として頭でイメージしていければ、IQも伸びると思います。そのためには、地に足のついたあらゆる生活での訓練がいります。
しかし、そこでも、気持ちを使おうとしないので、難航します。
手元のクラフトがずいぶんうまくなったのに、ビニール袋の口をくるっと回して結ぶ。そういうことが上手にできなかったりします。
クラフトはクラフト、それはそれ、気持ちの中でまったくつなげようとしないのです。
つなげて考える、というのは、心の大切な機能です。しかし、げんちゃんはめんどくさがるのです。ルーティンにしてもらって、それをこなすだけなら、生涯、たいして進歩するどころか、落ちていくのは必須。
心のずるさを捨てて、苦しくてもがんばろう、という心になってほしいと願います。
人生をがんばって切り開いていく、と言う感覚は、げんちゃんには皆無です。
彼のその性分は、人として好きにはなれませんね。
だから、自立訓練のゆる~い事業所が大好きです。ほんとに、レベル低すぎです。
悔しいと思うことができるとんちゃんは、げんちゃんより、心が動くのかもしれませんね~。
情がありますよね。とんちゃん。
セルフイメージもげんちゃんすごいです。IQ検査を適当に受けてひどい点数が出たとしても、平均くらいかな、とへっちゃらで思う性質があります。
健子先生も、毎回びっくりしているので、ほんと、レアな人間なんだな、と思ってしまいますね~・・・