ママの格闘と改善のダイアリー

自分の子が発達障害?
それって何? から始まった。

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行動が意識をゆさぶる・・・

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パン切りは、多くのトレーニング要素をもっています。これは、意識を、多面に持っていく必要があります。平面はわかるけど、立体はわからないという子たちは、一度ににいくつかの面を意識することが難しいようです。
 げんちゃんの”マイルール”が炸裂した計算事件の翌日、相当きつく指導した効果が出てました。
マイルールでやった計算の結果が、いかにでたらめか、げんちゃんの自分の状態がいかにまずいか、こんこんと検証したのです。

 翌日、学校で、”リベンジ”と書いて挑戦させられた10問計算は、9点とれました。

「ご家庭での特訓の成果が出てますよ~」と書いてありました。支援の女性教諭は、しっかり指導してくださっているようで、げんちゃんも、昔のように、支援クラスをいやがりません。進ちょくもほぼ、普通クラスと同時進行のようです。小さい支援のお子さんと同じように扱われることをすごくきらっていたげんちゃん、中学1年生として、ちゃんと扱われてる感覚があるんでしょうね。

 げんちゃんに、意識を入れるための儀式を教えました。
机においた消しゴムに左手をそえて、プラスの数字ならば、向こうににすっと動かす。そして、マイナスなら今度は手前に動かす。動かす長さも、数字の大きさをイメージします。でもなかなか自分からはしませんでした。それが、次の日から、自ら消しゴムを動かし、正解を出していました。

 その時わかったのですが、げんちゃんは、数字の実体感覚がないから、そうやると正解できるのではない。消しゴムを動かすために、符号と数に、意識を向けなければならないので、ちゃんとできると言うことなのだと思います。

 マイルールでやっているげんちゃんは、計算が体のコアな部分を通らず、表層をかすってまた出て行くような感じがします。意識をすると、体の中の空間をちゃんと通っているような感じがあるんじゃないかな、と思います。体の中の空間に、昔よりずいぶん育ってきた数の感覚があって、意識をすれば、そこと結びつけることができるようになってるのではないか、と推察します。そして、意識を動かすのは、経験や感覚であり、消しゴム動作は、意識をゆさぶって、体の中にあるものと、外の問題をつなぐきっかけ作りをしている。そう思いました。

 未熟ではあるけれど、数字の感覚を、消しゴムの移動量と方向で表現できてるげんちゃんは、昔よりずっと数の感覚が入っているんだな、と思いました。”半分”という感覚さえ、何年もかかって入れたような子です。
Sさんが、
「げんちゃんはわかっているんだけどね。」
というのも、まんざらうそじゃないのかもしれませんね。わかってなければ、消しゴムは動かせないのだと思います。意識をして、できてきた感覚としっかり、リンクすることを覚えれば、算数地獄からは抜け出ることができるのかもしれません・・・

放課後K先生のところで、げんちゃんは、
「ぼくは、こうやってやるんだ。」
と言いながら消しゴムを動かしていたそうです。また、プラスとマイナスに、自分から○をつけて抽出していたそうです。

「すごいことがおこりました~。」
とK先生が報告してくれました。たったそれだけのことでも、げんちゃんにとって、生まれて初めてのできごとなんじゃないかな、と思います。算数地獄・・・底を打って、はい上がってほしい物です。

 さて、げんちゃんの意識障害をチェックするユニークな方法をやっています。我が家は、毎週、コープから切ってない食パンが届きます。直方体のそのパンを切るのは、げんちゃんの仕事です。数ヶ月前からやらせ始めたのですが、げんちゃんときたら、6等分にすることができませんでした。まず、どう切り目を入れたらいいかわからなかったし、切り始めても、まっすぐに切れず、そこそこいいとこに包丁を入れても、軌跡がねじ曲がり、途中で上の方だけ切り落としてしまいます。そんなに、これって、難しかったっけ?と、私の方がびっくりします。

 やりたくな~い、と思ってやってるときは、もう、でたらめです。真剣に意識入れてるときは、ましですが、それでも始めた頃はうまくいきません。やっとこの頃、四苦八苦しながら、なんとかできるようになりました。このパン切りは、上の面、前面、後ろの面、どこにも、意識をはりめぐらさねばなりません。直方体は、長方形とは違うということが、体でわかるというものです。

意識が入り、どの面もつかめてくると、できるようです。げんちゃんの意識の広がりと集中度を測るちょっとした指標になっています。まだまだ、必死でやらなければできないげんちゃんです。

また、制服のシャツのアイロンかけも時々させています。もちろん、あぜんとする手の動かし方だし、左手は、すぐにお休みになります。げんちゃんには、シンデレラみたいに家事をさせることが大切だ、と思っています。なかなかしませんが、家事から体得できることは多いと感じます。

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  1. robo_223 より:

    げんちゃん、体育祭の疲れから復活したのですね。本来の力が発揮できるようになって良かったですね。

    発達のお子さんを育てて行く上では、このように意識の働きに着目して、すべてを検証し導いていく必要があると思います。

    意識が入っていなくて出来なくなったり、反抗的になったりする状態をその子の本性だととらえるのではなく、今、意識世界がどのような状態にあるのか冷静に判断して対応していく必要があると思います。

    その際、出来るはずのことが出来なかったり、にくまれ口をきいてくる我が子にカーッとなって、親の方まで意識レベルを下げてしまわないことが大切ですよね。

    一般の人も疲労がたまったり、ストレスを強く感じた時は意識レベルが下がってしまいます。理性ではなく、感情で物事を判断してしまいます。

    そうなると、適切なアプローチが出来なくなってしまいますので、気を付けたいですよね。今、この子はどういう意識レベルにあるのだろうか、疲労で意識レベルを持ち上げられない状態にあるのではないか、と判断すれば、取り組みやすい課題にしたり、充分な休養を取らせたりする必要があると思います。

    また、あつぞーパパさんもおっしゃる通り、一般の子用に設定された行事は、この子達の発達段階に適していないこともあると思います。S先生もおっしゃっていました通り、下手に疲れ果てさせてしまった場合、効率が悪くなる場合もあると思います。(げんちゃんの場合は、体育祭に参加して私は良かったと思いますが。)

    roboを小学校で個別級に入れたのもそのような理由からです。また、中学1年の時、登山の宿泊行事に参加させなかったのも同じ理由です。私のコンセプトが理解出来ない先生方は憮然としていましたが、私は頑としてゆずりませんでした。ここで、皆が参加するからとか、学校の事情でroboの成長にブレーキをかけたくなかったのです。

    この行事は確実にroboの精神を消耗させる有害な行事だと私は思いました。参加して得られるものも確かにあるけれど、失うものの方が圧倒的に大きいと私には分かっていたのです。今はその時ではない、と。

    私は常に精度の高い判断が出来るようにと、禁酒をして9年目になります。私の場合、飲酒をすると、意識レベルが下がるからです。roboがある程度大丈夫な状態になったら、解禁にしたいと楽しみにしています。笑

  2. robo_223 より:

    それにしても、げんちゃんの成長は著しいですね。ピアノで音楽を楽しめるレベルにまで達していますし、徒競走は速くなっていますし、学習面も着実に力をつけて行っていますよね。

    頑張って来た成果は驚く程出ていますよね。この調子で行ったら、げんちゃんが20才になった頃にはどんな風になっているのかと、本当に楽しみです。

    げんちゃんママさんが頑張っていらしたおかげですし、それに応えたげんちゃんも偉いと私は思います。

    げんちゃんが20才になった頃には、げんちゃんママさんもげんちゃんに、ありがとう!とおっしゃりたくなるほ程になるのではないでしょうか✨

  3. glow-gen より:

    ロボママさん
    そうなんでしょうかね~。でも、きっとロボママさんの言うような分析はあたっていますよね。
    よく伸びている、と、コメントを読んで納得しますが、まあ、横にいると、「なんじゃ、こいつは~。」みたいな場面が多くて、しら~っとしてしまいます。

     意識のことを知らなくて、このステージに突入していたら、私も、もっと翻弄されていたと思います。食パン切りをさせていて、げんちゃんの意識がどうなっているか、ほんとによくわかっておもしろいです。切っている時は、上の平面だけしか意識していないんだと思います。
    すべてにおいて、そんな感じなんだな、と、わかります。
    ためしに、自分も、一番上の面だけを意識して切ろうとすると、げんちゃんの認知を少し体験できます。そっちの方が、私には難しいですが・・・何気に、他の面も意識していますからね~。寝起きみたいな感覚にならないと、できませんでした。こんな感覚で暮らしているんなら、ほんとに何も芯からつかめないな、と思いました。自然と、何気に、パンが切れるようになったら、他のもあがってくるんじゃないかな、と勝手に思っています。

     ただ、必死でパンを切っているうちは、まだまだ疲れるんでしょうね。いまだに、真ん中に切れてないときも多いですから。以前は、脳を透視するように教育しようと思っていましたが、それも間違いの気がします。意識を透視するのがいいですね。おっしゃるように。

    ところで、意外、お酒好きだったんですね~・・・私は、全然好きではなくて、冷蔵庫の中に、平気で
    何年前のお酒が入っていたりします。誰も飲みません。笑

    いつか解禁して、ほっと一息つけるといいですよね~。その時は、みんなで、打ち上げしましょうね。げんちゃんの20歳・・・どうなっているのでしょう。かいもくイメージできません。

  4. glow-gen より:

    ロボママさん
    研修旅行を休まれた話、なるほどですね。げんちゃんは、疲れてしまうけれど、彼の場合はあの類は、行かせた方がいいことが多いです。たぶん、まわりの人のことをあまり気にしないので、人から受けるストレスはなんとか出来るように思います。
    修学旅行も、小学校で一番楽しかった、とか言ってたし。

    げんちゃんの図太いところですね。でも、サッカーの合宿はいやがってました。未だに謎ですが・・・友達うんぬんより、走るのがきつい、とかいう、マイペースな理由だったように思います。
    まともに、自分の状態が言えるようになったあかつきは、彼サイドの状況を検証してほしいと、いつも思います。そういうことができたら、ほんとに、成長した証拠でしょうね。

  5. ゆうママ より:

    意識を入れるための儀式、なるほど〜と思いました。何か息子にぴったりの儀式を模索してみます。

    昨日マイルール炸裂でした。なんなのでしょう?!マイナスがつくだけで混乱するんですね。マイナスのついた分数の割り算なのですが、逆数をかけるときに、ご丁寧に符合まで逆にしてましたよ〜。減法を加法に変えて計算するルールを適用したのでしょうかね。まあ、いろんな脳内変換をしてくれます。

    家事させてるんですね。家事はいいですよね。わかっているのだけど、なかなか時間が厳しくて、やらせることができていません。食パン切るのは難しいですよね。でもおっしゃる通り、いろんな方向から見る必要があるということを体感できますね。今度やってみます。

    意識が入る時と入らない時、こんなにもパフォーマンスに差があると、我が子のことを間違って捉えてしまいますよね。
    お互い、穏やかな土日を過ごせるといいですね。

  6. glow-gen より:

    ゆうママさん
    マイルール・・・どうして、勝手にそういうことをやるのか、ほんとに意味不明ですよね~。表面的にしかとらえないのでしょうかね~。符号までひっくり返すのって、混乱しているのでしょうか。何度も何度も、繰り返し繰り返しやって、ほんの少し・・・というのは、やはりつらいですね。
    げんちゃんに、消しゴムルールを教えたのに、やはり、マイルールに突入しますよ。このあたりは、発達障害の超頑固さを感じて、ほんとにいやになります。普通の人ならぜったいありえないことをするんですよ。だから障害と言われるのはわかるのですが、周りの人は疲弊します。
    げんちゃんの態度は、周りの人が見てても、「いいかげんにせ~よ、何度も何度も説明した時間をかえせ~・・」と怒り心頭になります。
     少し褒めるポイントもあるのですが、マイナスが強すぎて、ほとんどほめる気にならない毎日です。

    残念ながら悲惨な日曜日でした。2時間は、自分の時間を無駄にした感が強いです。

    正負の加減の計算、項が4つになってくると、3つまでやって、4つめするのを忘れます。安心して、三つの答えを書きます。消しゴム使えといってるのに、しないから、やっぱりでたらめ。何か言うと、
    「ぼくは、算数は苦手だ」
    と逃げるので、家族中ほんとに不愉快きわまりないです~。月曜日の朝は疲れ切っています・笑

  7. glow-gen より:

    Aさん
    何度も何度も入れて、やっと少しだけ入る、と言う子ども達です。精神的にずたぼろになるのはわかりますよ~。
    言葉は、実体感覚がつかないと、やはり、わかってきません。数も同じなんでしょうね。とにかく、成果は少しずつ出てきますから、こつこつやっていくことが大事です。
     めげても、また、気をとりなおしてがんばってください。
     精神的にアップしたら、また詳細書いて下さい。

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