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発達障害げんちゃんのアルバイト その3 結婚式の給仕

発達障害自立
げんちゃんは、ホテルの仕事を3日間やりました。

ビジネスホテルで働いた

二日目は、ビジネスホテルでの、祝賀会。

げんちゃんは、そこでは、バーカウンターでウーロン茶を作っていたそうです。
何度か席にも運び、1日目よりもステップアップした仕事となりました。

あとは、会場の設営などだったそうです。

その日も、帰り迎えに行ったので、まあ、大きなチョンボはありませんでした。

しかし、そこで繰り広げられていたイベントのテーマや、お話の内容などは、ほとんど話してくれず、わかっていないようでした。

ただ、昨日より、若い人が多かった。というのが感想でした。

結婚式でフルコースの給仕

さて3日目日曜日、
初日の大きな老舗のホテルに戻り、ついに、結婚式のサービスとなりました。

左手にナプキンをかけて、フルコースを運ぶ。
”担当のテーブル”
なんて言葉がげんちゃんから飛び出したので、まさかの給仕人というのをやったのでしょうか。

「え~。できたの?」
「まあ・・・」
「ワインついだの?」
「まあ・・・」
「できたの?」
「う~ん、できたかな。こうやって、ここまでつぐんだよ、って教えてもらったから。」
「こぼさなかったの~?」
「うん・・・」

確かに、家で練習した時のげんちゃんの所作は、別に問題のあるものではありませんでした。
それにしても・・・・

「びびらなかったの?」
「ちょっとびびった。」
「だよね。・・・」
「お皿ひっくり返さなかったでしょうね。」
「うん。でもお肉のお皿が熱くて持てなかった。他の人がお盆をくれたので、お盆に乗せて運んだ・・・」

「注意されたりした?」
「うん。絶対にお盆は、テーブルに乗せてはだめ、と言われた。」
「それだけ?」
「ナプキンが落ちたよ、って後ろから教えてもらった。」
「左手にかけてるやつ?」
「そう・・・」

その日は、結婚式の新郎が、学校の先生だった、と把握していました。やはり、げんちゃんにとって、派手な結婚式に参加しているのは、今までの仕事で一番楽しかったようです。
食器も片づけたというのですが、なんだか信じられません・・・
3日間、仕事の内容は、偶然なのか、一つ一つ難易度が上がっていったのが幸いしています。

「ねえ、食器片づけながら、あれ持ってきてとか、これ持ってきてとか言われるでしょ。できたの?」
「うん。ビールとか言われるから、持って行って、栓をあけたよ。」
「は~・・・」

半信半疑で聞いていたけれど、帰りに、責任者の男性に、また来てね、と言われたようで、なんとか、役には立っていたのだとわかりました。
げんちゃん、ほんとにぐったりして、こたつに横たわっていましたが、達成感と、人に役立つ喜びを感じているようでした。きついけど、またやる・・・げんちゃんは、きっぱりと言いました。

私はしばらく、ちょっとした感動にひたると、次に、私は、げんちゃんがかなり気持ちを入れれば、ずいぶん色んなことができるようになっているんだ、と言うことを確認することになりました。

伸びた能力で、心の省エネ生活を模索する

つまり、最近ヤツは、ほんとに確信犯です。
気持ちを必死で使おうとすれば可能になってきているのに、気持ちを使うと疲れることを知っているので、自分が興味のあることや楽しいことにだけしか、気持ちを使おうとしないのです。ちょっとでもめんどくさいと感じたら、スイッチを入れず、何も考えず、ルーティンという方法を使ってやる。

発達障害の子にとって、気持ちを入れ続けるのは、普通の人と違って、かなりきついことであるらしいことはわかるのですが、だからといって、抜いてはいけないところで、平気で抜きまくって生活していたら、まともな社会人にはなれません。
今回の仕事は、初めてで、緊張感もあり、必死で気持ちを入れたんでしょうが、それだって、慣れてくれば、何も考えず、ただルーティンと、他人の言われることだけをやるだけにすぎなくなります。
げんちゃんに対して最近感じていた焦燥感は、彼が、伸びた能力で、心の省エネ生活を定着させるずるい方法を模索していることを感じていたからだ、と思いました。

S先生が、最近、あらゆる失敗や、とんちんかん、でたらめ、といった行動が出るたびに
「いやいやいや、抜いているんだよ。ズルしてるだけ!把握しようとエネルギーを使うのをさけてるだけ。」

平然とそう言い切っていたことの意味がよくわかりました。ちょっとでもめんどくさいと感じれば、げんちゃんは、ホテルの仕事のような心の行動を絶対にとらないのです。

そして、その日、仕事が終わったら、ヒーローだったげんちゃんは、馬車がカボチャにもどるごとく、誰も想定することのできない、あぜんとする失敗をやらかしまくったのです。

ため息・・・・

失敗の話は、長くなるので、次に書くとして・・・

まあ、あれほど、できるのか心配だったホテルの仕事も、とりあえず、この3日間はなんとかなったことがわかると、自分の見る目が、その先を見ていることに気づきました。
好きなところだけ、気まぐれに気持ちを入れるげんちゃんを、しっかり矯めて行かないと、とんでもないことになる。

この仕事だって、ある時、ルーティンに落とせば、飛んでもないことをやらかしまくるのは目に見えています。

問題の本質はここなんだと、思ったのです。

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  1. ゆうママ より:

    いやいややっぱりげんちゃん立派ですよ。
    言われた事すらやりきれない人はたくさんいると思います。ルーティーンをこつこつとたんたんとやりきるのはすごいことだと思います。
    息子はルーティーンすら持久力がなくて無理だと思います。ルーティーンとは言え、意識が抜けるとできないように思うのですが、そうではないのかしら?

    何より達成感と人に役立つ喜びを感じられたというのが嬉しいですね。

    息子もバイトをさせてみたいけど、とんちんなことをやらかしそうで怖いです。

  2. げんちゃんママ げんちゃんママ より:

    ゆうママさん
    コメントありがとうございます。
    ルーティンも、気持ちが入らなければ、確かにできませんね。
    とにかく、ひどい、ちょっと前にキャベツの千切りと言ったのに、みじん切りにしていためていたこともあります。気持ちを抜けば、ひたすら想定外が待ち受けています。

    ルーティンをまず、ハイレベルでこなすことができるのは、気持ちがしっかり入っている証拠ですよね~。
    げんちゃん、ほんとにまだまだ全く不確実です。
    ホテルの仕事も、言われたことを必死にやったと思います。
    これも、終われば、捨てる可能性も大きくて、普通のお子さんのように熟成することがなかなか期待できないです。
    次の仕事もいただけたので、今週末、またトライさせようと思います。
    こうやって、少しずつでも継続させていかないと、ぶつっと飛んでしまうのがげんちゃんなので、ぬか喜びに終わることも考えられます

    しかし、持久力はありますね・・・がっちりしてますからね~・・・学校の場所が毎日登山なのもいいのでしょうね・・
    どうなることやらです。

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