ママの格闘と改善のダイアリー

自分の子が発達障害?
それって何? から始まった。

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発達障害、知的障害、ハサミが握れない子でも、改善できる。


げんちゃんが初めて作ったシャドーボックスの作品です。

3時間ぶっ通しのシャドーボックス教室

げんちゃんは、月に一度シャドーボックスの教室に通うようになりました。
あいかわらず、まだまだ空間認知が弱いげんちゃんです。紙を切って重ねて、立体を作る、このシャドーボックス(3Dアートとも言います。)という手芸は、空間認知能力を高めるのに役立つ、とS先生がアドバイスしてくれたのです。
月に一度ですが、3時間の教室です。その間、細かいパーツを絵柄から切り出し、次に、それを、シリコンで隙間を作って重ね合わせて、立体を作ります。

げんちゃんは、とても楽しいらしいです。(6時間かけて作った最初の作品が上)

新幹線の形を切り出すこともできなかった幼児時代

考えてみれば、幼児のころ、ハサミも握れず、切り絵で、新幹線の直線を切り出すこともできず、新幹線がボロボロになりました。そこから、手先がまともに使えるように、長い長い旅が始まりました。

折り紙で風船を、無理に折るようにしむければ、えっちらおっちら、なんとか折れるようになったのは、3年生くらいだったと記憶します。セロテープさえ小学生になっても、うまく使えません。まずは、指先どころか、その上の大きな筋肉を鍛えることから始め、やれ、うんていができるかだの、ぶら下がれるかだのやっていたことを覚えています。

指先どころか、腕さえ使えない

ゼロからのスタートでした。やろうとしてできない、というのではありません。げんちゃんは、ハサミを握らせようとしても、視線もそこに落とさないし、そこに気持ちも向かない。ただ、ぼんやり、ハサミを握らせられて、宙を見ているような感じでした。まだまだ、指先どころか、腕の使い方さえうまくいかないと言った具合でした。
専門的には、指先は微細運動、腕は粗大運動。微細運動は、粗大運動の確立のあとでないとできないのだそうです。

もしそのまま放置したら、幽霊に取りつかれたような、ぼーっと魂が抜けたような狂人となっていたことは確実です。

すべてサポートが必要な人間に、今頃なっていたげんちゃん

ほんとに、そのままにしていたら、と思うと、恐ろしいことです。私たちは、そんなげんちゃんを、今頃、福祉施設のどこかに、毎日送り迎えしてたのかもしれませんし、すべての生活を、いちいちサポートしながら、家族全員が、自分の人生を生きられない状態になっていたに違いないです。

げんちゃんのような、がちの知的障害の子を持つと、サポートすることが、育児だ、と考え、自立させるための訓練や指導はしないという親御さんもいます。それはそれで、こういう子供を授かった親の選択なのだと思いますが、私は、可能な限り、げんちゃんを伸ばして、少しでも普通に近づけていく、という育児を選択したのです。

発達育児、能力開発をひたすら続けた

ほんとに、げんちゃんの能力開発は、私たち家族の自衛の戦いでもあったと言えます。

それを考えれば、3時間も、当たり前のように、細かいクラフトに食いつき、楽しそうに作品を作ってくるのですから、発達障害を宣告された日から、ほんとにはるか彼方にきているげんちゃんだと言えます。

心の成長は、困難を極める発達障害

しかし、げんちゃんの本質的問題は、一向に解決しません。
心を使わず、考えたり、物事を関連付けたり、自分の人生という、つながった時間軸の中で、精神的なことをとらえたりすることを放棄しているという点です。

やりたいことと、やりたくないことの壮絶な差

それでも、昔と違うのは、「I Want to~。」という気持ちさえ、あるのかないのか、自分の心をつかもうとしなかったのが、最近では、自分の興味があることやりたいこと、そこだけは、気持ちが出てくるようになりました。
しかし、今度は、自分がやりたいことだけ、気ままに衝動的に自己中心な世界観をぶちまけてくるようになって、逆にやりたくないことは、ほんとに上手に、狡猾にごまかしてくるようになっています。

この段階は成長の一過程のようですが、そこに、げんちゃんのもともとのずるい性質がのっかってくるので、苦労しています。

げんちゃんが、どうやって、いやなことを回避してくるのか、次回書いてみたいです。

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  1. 夏みかん より:

    げんちゃんママさん、お久しぶりです。
    シャドウボックスの作品に驚きました。最初、ママさんが描かれた絵かな?立体的だし、額縁に入っていて珍しい、このようなタッチの絵も描かれるんだ〜と思って見ていたんですよ。

    粗大運動から微細運動へ…内側から外側、上から下へ。やりましたやりました。体幹から肩、肘、手首、手指と発達順序はどんな場合でも変わらないんですよね。

    心、頭、体の準備が整うと出来なかったことが出来るようになるけれど、げんちゃんは心の部分で悪戦苦闘しているわけですよね。心…すごく難しい部分です。
    生まれ持った性質にどうにも引っ張られてしまいやすいですね。

    長男は部活のパートリーダーです。引退までに2年生にリーダーを引き継ぐためにどんなことを伝えたらよいか、1年生がゆるゆるな子ばかりで最低限のレベルすらクリアできないことが多く(技術的なことだけでなく挨拶や返事など基本的なことも含め)、引退までの期間に向上させてから2年生に引き渡したいとか考えてますが、生まれ持った性格と価値観を覆さないことには変わらない、それを変えるのは容易じゃない、すごく大変すぎることだとぼやいています。が、諦めないと奮闘しています。投げ出さないで向き合い続けることができることが彼の良さのひとつなのだと思います。

    長男がよく言うのが、ちょっとやそっとの働きかけぐらいで人の心は変わらない。全てをぶっ壊して再構築するくらいの強烈な衝撃がないと、人は変われない。新しいものを作るのなら、一旦破壊しないと、と言います。破壊と再生、案外的を得ているんじゃないかなと感じます。うちの息子がげんちゃんと会ったらどんな感想を抱くのかな。げんママさんと心の在り方について熱い議論を繰り広げそうです。近くであれば、会わせてみたいものですね。

    • げんちゃんママ げんちゃんママ より:

      夏みかんさん
      コメントありがとうございます。
      シャドーボックス、図柄は印刷ですが、きれいに細かく切るのは、昔のげんちゃんなら、無理だったと思います。
      そもそもめんどくさがりますね。

      好きなことなら、ある程度心が動く、というのは、げんちゃんにとっては、次のステップなんですよね。お子さんによっては、たぶん、夏みかんさんの所のお兄ちゃんも、好きなことにはしっかり心が動いて、そこからどうのこうの・・・という話だったのではないでしょうか。
      多くの発達君たちは、そこからスタートの子が多いと思います。
      げんちゃんは、何にも心動かず、たとえ自分のことさえ、まるで捨ててるような状態で、何をやらせても、心がないから、入っていかないという、すさまじさでした。

      やっと普通の発達障害に近づいてきたんだろうな~って感じで、ふ~って感じです。

      今度は、そうなると、自分のやりたいやりたくない、が少しわかってきたから、うまく逃げてごまかすという行動が伴い・・・新たなる課題ですね。

      好きとかやりたい、とかなると、なんというかのぼせてしまって、舞い上がり、普段の暮らしが適当になったりします。

      結局、心の深いところをまだ使えないから、感情に走り、衝動的でもあるのでしょう。
      だから、今は、一つ一つ生まれた感情が、どういうことなのか、言語化させて、分解させて、細かく細かくとらえなおさせる、という訓練をやっています。

      人の心はちょっとやそっとではかわらない、というのは、ほんとです。たとえ、S先生をもってしても、なかなかです。

      しかし、息子さんは、すごく成長されましたね。心の使い方がうまくなくても、しっかり使おうとするお子さんは、伸びますね。
      セリフも大人びてすごいと思いました。課題もあるのでしょうが、ほんとに楽しみですね。
      げんちゃんの年齢になるときは、ずいぶん、また成長されているでしょうね~。
      げんちゃんは、一歩一歩が、ほんとにあまりにもゆっくりで、くらくらします。

      だけど、伸びてはいるので、やはり、こつこつがんばるしかありませんね~。

  2. 夏みかん より:

    そう言われると、長男も定型の次男もですが、やりたくないこと苦手なこと、怖くて挑戦したくないことなどに遭遇したとき、「嫌だ!」とはっきり主張してましたね。長男はその主張が激しく強い上に、事柄も多く、「これじゃなきゃ嫌」というこだわりも強くて、許容範囲が狭かったです(今は全く別人です)

    げんちゃんのようなズルや逃げという形というのは、向き合うことから逃げてる状態ですかね。主張も癇癪も激しいのは、向き合っていたから出ていたと考えると、物事を受け止めるという下地があったということかもしれませんね。そして、発達の子たちでも多くはそこが揃っているというのも納得です。

    たしかに好きなことを足がかりに、好きなこととこれなら少し頑張ってやってみようかなと思えることを橋渡しして繋いで、発展させていき、少し難しかったことを努力してできるようになっていくということを繰り返し繰り返しやってきました。

    感情的になるというのは、それに向き合う人にとっては本当に大変ですが、ネガティブなことばかりでなくポジティブな要素も含んでいるのですね。私はネガティブにしか捉えられなかったので、あの頃に知っていたら良かったなぁ。
    本当にコツコツやるしかありませんね

    • げんちゃんママ げんちゃんママ より:

      夏みかんさん
      お返事ありがとうございました。
      発達障害のお子さんは、タイプがさまざまですよね。そうとはいえど、気持ちが出ている子がほとんどで、げんちゃんのように、まったくでない、と言う子は、やはり少ないように感じます。

      私は、げんちゃんほど気持ちが出なくて、適当で、心を動かさない子を見たことがありません。
      心の言葉がなかったので、○○と思う、なんてこと聞いたことないです。今でも、何かを体験させて感想を言わせると、難しかった、とか、楽しかった、とか、一言で終わります。
      心が動いているときは、なんか、行動が違います。しつこくそのことにこだわったり、話題んに出してきたりします。
      あ、心が動いてるんだな、とわかりますが、言語化することは、まだまだ難しく、僕は○○と思うんだよ。○○だからね~なんて、感想を深く述べることはなかなかしません。

      まず、感情が動いても、そのことをやりすごして、言語化するほど拾わない、と言った感じです。

      このタイプのお子さんでも、いやだ、と言う感覚は強く出る子は多いです。いやだ、と心が動くと、そこを突破口にできることがありますが、げんちゃんは、いやだ、さえぼんやり。ぬるっと、逃げる・・・そんな感じです。

      S先生も、世界でもまれだよ、とあきれます。
      たくさん人を世話してきた先生が、まれだ、と言うのだから、私も、がっくりです。
      当たり悪すぎます。

      なんとげんちゃんは、めずらしく風邪をひきました。
      体温は、7度台。そういう微妙な体調だと、自分の体がきついのか、そうでもないのか、そういうのさえぼんやりのようです。
      心が封じ込められたということもできるし、解離しているということもできるように思います。

      げんちゃんを見れば、どの子も希望が持てますよ((笑)

  3. ゆうママ より:

    げんちゃんの作品いいですね。3時間集中してできたこともすごいですよね。

    昔を思い出すと、胸が締め付けられます。でと試行錯誤しながら発達を促したことは間違いではなかったと言えます。
    すぐに福祉の道へ行ってたなら、今のげんちゃんもうちの息子もなかったと思います。

    今でも特別支援教育については疑問だらけです。その子の力を伸ばすより支援の方向へ誘導したいという感じでした。
    そしたら支援対象の子が増えすぎて、受け入れられない感じになってきてますね。

    息子を見ていて、難しくない仕事なら淡々とこなすと思うのです。
    けれども就活は難しくて、手帳をとった方がいい気がしています。
    なんでしょうね。「普通」に求められることのハードルが上がりすぎています。
    はいはい、障害者ってレッテルはったらいいんですね。って、そんな気持ちになってます。

    定期試験、数科目単位を落としてしまい(想定内)
    何が正解なのかわからなくなってます。
    卒業するためのサポートしたところで、その先に何もないので
    高くはない授業料は何のため?卒業とか就職とか関係なく、息子の興味あることを学ぶためと割り切った気持ちでしたけど、来年度の授業料を払う価値があるのか?本当にわからなくなりました。
    こういう子を持つと、ずっとずっと悩まなくてはならないのですね。

  4. ゆうママ より:

    お金がざぶざぶ出て行って、こんなにお金をかける意味があるのかと思ってしまいます。

    早々に福祉の道に舵をきるか、お金と労力をかけて成長を促すか、この2択ですよね。

    早々に福祉の道に進んでたら今の息子はいなかったと断言できます。けれどもここまで来る労力は並大抵ではなかった。そしてそれでもなお、この先サポートしなくてはならない。何が正解だったのか…

    発達障害だけど成功してる人を目指すと苦しくなります。健常の子でも成績のいい子もいれば悪い子もいます。発達障害ならなおさら難しいです。

    もう何年も息子の道を考えてきて、少し疲れてきたというのが本音です。げんちゃんママはどうですか?

    • げんちゃんママ げんちゃんママ より:

      ゆうママさん
      いやほんと!私もぐったりです。
      げんちゃん福祉事業所に通ってますが、まったく息抜きみたいにしているようなので、困ります。福祉と名の付くところ、やはり、落ちまくる環境が整っています。

      S先生でも手を焼くのだから、もはやどこへ行っても、そうそううまくいくわけではないので、福祉はあてにはしていませんが、なんとか落とされず、現状維持で体験だけはつめる、というのならありがたいと思っています。

      ですが、今の環境を続けるのも、何年も何年もというわけにはいきません。

      次のステップは、サポートを受けながら、しっかり矯めを入れて就業させるということでしょうか。普通の就職は、指導がないから、げんちゃんは適当に固まりそうです。福祉を利用して、徹底的にイエローカード出しながら就業させる環境がいいかもです。

      現実体験をふませ、常識がなくあつかましいところを徹底的に矯めて、そのあと、専門学校などを利用させていただくのがいいのかな~なんて思います。

      琴は好きなので、専門学校があればな~と思いますが、短大みたいな音楽科に行けるわけもなく・・・お料理学校は、今ではたいして食指も動かない、その場限りでしたし・・・

      何事も、楽してラベルだけよくしたいと願う、くず息子なので、その腐った根性を叩き直すのに、ほんとに精も根も尽き果てているような状態です。

      かといって、やめるわけにもいきません。くずがそのままこの家に居座ると、私たちの危機です。私が生きている限り、くず直しは続きます。こっちがやられるか、奴がまともになるか、戦いです。

      だって、げんちゃん育児は、自衛戦争です。我が家の。こいつに敗北すれば、私たちは、こいつに一生振り回されます。それだけは許しませんって感じです。

      甘え、依存、おおちゃく、非常識、・・・・一見ソフトで優しいとこもあるげんちゃんですが、放置すれば、化けの皮が剥げます。

      しかし、心がびくともしないので、プラス転換したあかつきには、くよくよしたり、落ち込んだり、まったくない頑丈な息子ができるでしょう。

      ほんと、立派になった姿を、見せてほしいものですね。ここまできたら、もう行くしかないでしょう。(´;ω;`)泣
      でも、そう言えるのは、S先生がいるからかもです。ここまでの人間、さすがの私でも単独では無理です。
      ゆうママさんはほんとによく頑張っていると思います。

      自分には不可能でも、がんばってれば、助けてくれる人も出てくるんでしょうね。とにかくプラスのエネルギーを出していって、良い流れを自分に集めるしかない、と思います。一生努力させていかなくてはなりません。やめれば落ちますから。
      ほんとに難儀ですね~~(´;ω;`)

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