げんちゃんは、今、絵画教室で、粘土で立体を作っています。
これに取り組み始めて、4~5か月くらいでしょうか。
S先生のアドバイスがあって、絵画の先生に、立体を作ってもらうようにしたのです。
絵よりも、今粘土がいいのはなぜか・・・ということが、最近、ほんとによくわかってきました。
絵は、気持ちを抜いて、ただ描いている、と言う状態でも、何らかのものができます。げんちゃんが、自分の世界にこもって、ぼーっと描いていても、個性的とか言って、逃げられる作品ができる。
まわりは、げんちゃんが気持ちを抜いていることなど見抜けない。
でも、何かの形を意識して、それを立体におこしていくためには、目的意識なくしてはできません。
もともと、粘土でおだんごさえ作れなかったげんちゃんが、立体をおこしていくためには、この形は、どうなっているのだろう、と、真剣に意識することなしにはできないのです。
最初は、アイスの棒で、立方体や三角垂を組み立てました。単純作業で、慣れてきたら、すぐに、げんちゃんは、気持ちを抜いて、ただ、パターンをやり続けました。
次は、粘土でイルカを作りました。
かなり苦戦したようです。先生が、胴体をまず作るように指示し、次にフィンを作ってくっつけるように指示し、なんとか形になりました。
先生のヘルプなしには、まずできなかったようです。
次は、猫、その次は犬。どれも、げんちゃんは、
「う~ん、むつかしい~。」
とうなりながら作っていったようです。
作品は、何もできなかったげんちゃんにしては、よくできているかもしれませんが、やっと小学生というかんじ。なかなか立つことも、ままならないバランスです。
直近の作品は、大型の白鳥でした。芯に新聞紙を入れて、そのまわりに粘土を乗せていきました。粘土がすぐに乾いてしまうので難しかったと言っていました。
もちろん、すべて作り方を、一つ一つ指導されて、やっと完成させました。プロの指導あってできることだな、と思います。私一人では、作らせることは無理だと思います。
立体をつくるためには、ぼんやり目的をとらえていては絶対に作ることができません。
Sさんの合宿でよくやらされていた陶芸も、ろくろのタイミングや指の動かし方、形の捉え方、一つ一つ、気持ちに捉えて、それを出力しないとできません。
気持ちでとらえてやらないと、まったく似ても似つかないものができます。
それを見ながら、
「あ、だめだ、」と感じることができれば、自分の思い、目的意識をもっと強めて、焦点合わせをしていきます。
ドローンも、同じです。右上に旋回させようと、しっかり思いに捉えて、それを自分の体で表現してみる。その結果が、すぐに表れるので、思いとずれていたら、自分で自分の思いと行動を調整することができる。
げんちゃんは、いつも、ともすれば、外側だけの、バカの一つ覚え、というのをやってしまいます。何のため、なぜ?というところを捉える思いが希薄すぎて、ただ、やっていればいいだろう、という行動に出てしまいます。
ある時、水筒を洗わせたら、げんちゃんは、水筒は回してゆすぐ、ということ覚えました。そしたら、何のため、ということはスルーして、「水筒は回して洗う。」
と、呪文のように言いながら洗うようになりました。 でも、何のために、というのをとらえていないので、似たような他のものを洗う時は、また一から指導するというありさまです。
げんちゃんたちの問題は、そこです。何のため?という、ことを捉える思いが足りません。
しかし、立体を作る場合、しっかり自分の思いを捉えないと、形になりません。
しかも、デッサンやスケッチは、できていない、ということを自分が把握しにくいです。
そこへ行くと、勉強などは、まったくフィードバックできないしろもの、ということになるかもしれません。彼らは、最も意識が抜けやすいのかもしれません。
このように、意識というか、思いをしっかり出して、目的を捉えよう、とする訓練をするのに、立体を作ることは、今とてもいいことだと感じています。
「100体立体を作れば、げんちゃんも少しは変われるだろう。」
Sさんが言いました。最初意味がわかりませんでしたが、なるほどな、と思うようになりました。
PS
しかし、この立体さえ、昔はできなかったトレーニングです。
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