ママの格闘と改善のダイアリー

自分の子が発達障害?
それって何? から始まった。

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発達障害、思春期の悩み。字面(じづら)だけの理解

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 さて、東京の旅は、発達ママのところに泊めていただきました。
二日間台風で閉じ込められていたので、彼女の家族、彼女の発達君の生活スタイルや雰囲気が、よくわかりました。

その子、仮にせいら君は、中3です。げんちゃんよりIQは高く、普通クラスに所属していますが、もっぱらの悩みは、興味がぜんぜん広がっていかないことと、だいぶ収束してきたけれど、友達とのトラブルです。

せいら君は、しょっちゅうミニカーをいじっています。ママが彼に働きかけなかったら、車に関するあるきまった遊びや、動画を見る、ということしかしようとしません。
 朝、起きてから、ずっと、同じことばかり。

 普段は、そうさせないために、常にママが、彼にいろんなことをさせて、なんとか、彼が自分の世界観に入り込むのを防いでいるようです。しかし、その時は、ママは私としゃべるのが忙しくて、せいら君をかまえない。そうなると、何時間でも、自分の世界で遊んでいます。
 日ごろママしか圧をかける人がいないので、こういう時は、しっかり私も彼に、強いベクトルを出しますよ~。
「ねえ、セイラ君。本読みなさい。読むように言われている本があるでしょ。」

せいら君は素直で、他人の私の言うことはよく聞きます。居間に来て、テーブルにママが用意した本を読んでいます。」

「どんな話なの?」
と私。
「野球のクラブの話だよ。」
せいら君はそういうと、とりあえず、本を読み始めました。でも、内容把握しているのかしら??
なんせ、せいら君は、テレビさえ興味がない子です。
家族みんなが大興奮して見ているスポーツの決勝戦の横で、くるりとテレビに背を向けて、自分の世界に入っちゃうらしいです。そして、興味のある車のCMになった時だけ、くるっと身をひるがえし、テレビを見ます。そして、
「この車はね~・・・」と、同じ話をやりだすらしい。

「ねえ、せいら君。野球部の話の本を読んでいるなら、あなたは、野球のルールを知っているの?」
私はせいら君に、言葉を投げかけます。

せいらくんは、なんか、抑揚のない味気ない言い方で、
「はい、わかります。ボールを投げて打つんです。」

と即座に答えました。

「そうね~。じゃあ、ボールを投げる人はなんていうの?」
「ピッチャーです。」
「打つ人は?」
「・・・・・え~っとバッター・・・?。」
「そうねえ。 打つ人はバッター・・・。じゃあ、野球ってどうやったら点数が入るの?」

なんと、せいら君はだまってしまいました。さらに追及してみると、塁という言葉も知らないし、出塁という基本的なルールもよくわかっていませんでした。

「あのね。せいら君。中三にもなって、野球の簡単なルールさえ知らない子なんて、学校中探してもいないわよ。それって、すごく常識はずれではずかしいことだよ。毎日ただミニカーさわってぼ~っとしていたら、大変なことになるわよ。学校卒業しても、お父さんみたいに、社会で働くことはできないんだからね。」

せいら君は、ふいに注意されて、ちょっとびっくりしています。でも、もともと素直なので、
「はい。」
と返事をしました。そして、私が簡単に野球のルールを教え始めると、彼は、なんとスマホを取り出し、すごい勢いで、私の言ったことをメモし始めます。彼はとても処理スピードが早いお子さんなので、私の声をあっというまに、スマホにうつしとっていきます。

私の説明がひととおり終わって、今度は、せいら君が、どれだけわかっているのか、質問をしてみます。
「どうやったら野球は一点取れるの?」
その問いに、せいら君は、無機質な感じで、スマホを手にとり、私が言った言葉そのままを読み上げます。それはまるで、開発途上のAIが、無機質にうわっつらだけ答えているような感じです。
「いやいや、私の言葉をそのまま読んでもだめだよ。君が理解して自分の言葉で答えないと。
野球はどうやったら点が入るの?」

私は、せいら君をまっすぐ見据えて、再度質問します。

すると、せいらくんは、まるで配線がこんがらがったみたいにフリーズしました。
あらら・・・ママと私は大きなため息をつきます。
 自分がわかりたいとか、理解したいとか、仕組みを知りたいとか、そういう気持ちがぜんぜんなくて、ただ、スキルとして、人の言ったことをそのまま字面で処理しているんだよね~。メモはわかるためにとるのに、その場の質問をかわすために、とりあえず、処世術のようにしてメモを取ってる!

ほんとに、問題点がげんちゃんと根本的にいっしょだ~!

げんちゃんも、みごとなノートをとってみたけれど、内容はまったく把握していなかったですよね。

そして、最も問題なのは、そういう彼らの行動が、ずれまくっているということを、まったく考えたこともない、ということなのです。


しばらくして、せいら君は、ママに”こごと”を言われることがあって、その時すぐさま、ママに暴言吐いていました。
「うるさい! うるさいんだよ~!」

ああ、ここもいっしょ。自分のやばさを自覚せず、ママにあまえてるんだよね。(げんちゃんは、ここは、かなり収束してきているけれど。)

「あのね。あなた、さっき野球のルールさえわからず、おばちゃんが教えても、ただ書いたものを読むだけで、まったくわかろうとしなかったでしょ。そういうの、普通では、ずれたことなの。
発達障害って言われるとこ!
。ぜんぜん普通じゃないわけ。なのに、なんで、お母さんに偉そうに文句言ってるの? おかしいよね。あなたより、お母さんはずっと上で、普通だよ。いや普通以上だよ。
でも、せいら君は普通にぜんぜん達していないでしょ。

なんで、あなたが、うるさいとか、言えるわけ!

お母さんの言うことをちゃんと聞いて、なんでもしっかりがんばらないと、一生社会には出られませんよ。わかった!」

他人さまからこんな風に言われたら、せいら君もびしっとします。

まあね~。ここの家族も、ちょっと前までの我が家と同じ、ワンオペ育児(ママだけの育児)ですから、私が行った時くらい、強力な援護射撃してあげないとやばいよ~、と思うのでありました。

せいら君は、私の苦言に「はい。」
と素直に返事をします。

げんちゃんとたぶん、似たようなステージにいるせいら君だな~と思います。
意識をがちっと入れるということができない。上滑りなところで物事をとらえて、処世術として、適当に物事を処理する。そして、それが”考えること”くらいに思っている。

うわ~・・・・ここはちゃんと叩いておかねば~と思います。

発達障害、思春期の悩みの一つはここなんだよね~と、理解しました。


Sさんとの研修は、体験できる施設で陶芸体験をしました。げんちゃんは、嬉野でしたが、けっこう近くもありました。最近はこのサイトが気に入ってて、近くの体験を探してます。

公開コメント 承認後公開

  1. ゆうママ より:

    せいらくん、息子とすごく似ています。
    そうそう、まさにそんな感じです。息子とのやりとりを見てるみたいです。
    メモをさっと取るのも同じです。でもこれ、療育で身につけさせられたんですよね。ワーキングメモリーが弱いから、メモを取ることを身につけて補いましょうって教えられて。メモ魔です。だから国語や社会の記述問題は、こうやって書いたらどう?って提案すると、「もっとゆっくり言って」と言って、私が言ったそのまんま書こうとします。考えずに。とにかく、一旦頭に入れて、納得して、自分の言葉で書くように言い聞かせて奮闘していますが、全然ダメです。
    ママに小言を言われて「うるさい、うるさいんだよ」とえらそうに暴言吐くのも似てますよ。
    家族でラグビー見ていても、そばで電車のことやゲームをしたりしています。そうなんですよね。興味のないこと以外は処理ですよね。
    まだまだ課題だらけですね。 1

  2. glow-gen より:

    ゆうママさん
    そうなんですかー。せいら君だったんですね。タイプ。なんか府に落ちました。
    げんちゃんも大変だけど、せいら君も大変です。せいら君に数学を教えたのですが、げんちゃんに教えることを考えたら、超やりやすかったです。
    しかし、広がりという点では、げんちゃんの方がやりやすかったです。

    自分の子がまったかダメなとこを、他の子が持ってるので、すごいなあ、と思うことが多いですが、やはり、その子その子苦労が違いますね。
    でも、共通して言えることは、自分がこれではだめだ、と突き上げるような気持ちで思うことがスタート時点だ、ということだと思います。
     そこに持っていくことは、並大抵のことではないです。母親だけでは無理だなと思うに至りました。
     お近くだったら、かつ入れに行ってあげますよー。笑
    なんて、すぐ、お節介して。笑
    だけど、学校の先生父親、もろもろ、一丸となるところが、もっとも難しいのかもしれません。ずっとずっと、私はそこでじたばたしてたのかなあ。

     でも、この度、せいら君のママは、一念発起して、山のようにあったトミカ、処分したようです。なんか、上から降りてきたのでしょうか。
     せいら君のその後、ご報告しますね。 1

  3. robo_223 より:

    せいら君の作業速度のスピードはスゴいですね!聞いたことをあっという間にスマホに記録するなんて驚きました。作業速度は、勉強や仕事に直結する力なので、大切だと思います。

    でも、言葉を字面で理解するだけで、その意味内容に注目しないところは、せいら君の特徴を端的に表していると思います。

    聞いた情報に対して、自分の脳内で言葉による思考を省くために、機械的に作業を行うことが出来るのでしょうが、きっと言葉に対する感度はあまり高くない状態なのだと思います。

    このタイプのお子さんは視覚的な情報の方が入りやすいので、図や映像で見せて上げた方が理解しやすいのですよね。言葉だけで伝えても、脳を素通りする可能性が高いと思います。

    でも、興味の幅が狭いとなると、興味のないことに関する図や映像にも注目してくれないので、ママさんは、なかなか骨の折れることですね。

    もしかしたら、せいら君もげんちゃんと同じように辞書で1つ1つ言葉の概念を学んでいく方法が有効かもしれませんね。

    roboなどは、余計なことを考え過ぎて先に進まなくて困るので、課題はその子によって本当に違いますね。 1

  4. glow-gen より:

    ロボママさん
    確かに、せいら君の処理スピードはすごいと思います。このあと、数学の問題もやったのですが、彼は、ただ処理する計算ところなら、しゃかしゃかやって、普通の子よりできるくらいでした。
    でも、ぜんぜん表面しか扱っていない、という感じで、ずっとそれを続けても、この子自身の深みは何もついていかないし、文章題でちょっと考えないといけないぶんは、だめだろうな、と思いました。
    げんちゃんも、表面をつくることを覚えました。これはある意味進歩ですが、学校の先生たちもだまされます。わたしさえ、だまされます。
     でも、彼は、表面をつくろってほめられることを覚えました。ほんとにやっかい。
     彼の本質がまだ逃げているということを知ってる人のまえでは、「なぜいけないの?なぜほめないんだよ~。」
    的な横柄さが出てくる。でも、騙されている人にたいしては、上手につくろいつづけます。
     だから、担任でも、
    「最近かわりましたね~。心に入るようになりましたね。」
    そんなことを言われました。

    でも、そうそう甘くないです。げんちゃんは、
    これを学んでしまったのは、お仕事体験ですね。
    とS先生は言います。S先生の目は、ぜったいごまかせないので、私さえごまかされようとしていたのを教えていただきました。
    心の世界は、ほんとに深くて広い。なかなか難しいですね~。
    次なるステージです! 1

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