ママの格闘と改善のダイアリー

自分の子が発達障害?
それって何? から始まった。

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発達障害のわが子を褒める時、とくに思春期?

 > 「ほめること」、がげんちゃんの弊害になる、と前回のブログで書いたのですが、私も、最初は、よくわかっていなくて混乱していました。

でも、最近少しわかるようになってきました。

 たとえば、げんちゃんは、最近、トルコ行進曲をざっくり全部弾けるようになりました。それは、私もうれしいし、ちょっとした達成感があります。でも、よくよく考えれば、ざっくり弾ける、というところまで、1年もかかったわけで、普通の子なら半年もいらないかもしれません。
 でも、私たちは、げんちゃんが、あまりに何にもできなかった子なので、
「すご~い。そんな曲、普通クラスの子だって、そうそう弾けないよ。」
なんて、感動をこめて言ってしまうのです。

 私たちの心の中には、げんちゃんは、普通の子のようにはいかないけれど、げんちゃんにしては上出来だよ。という気持ちがあります。もし、知的な障害のない全盲の子がいて、1年かけてなんとか弾いた、ということになれば、その子は、同じようにほめられても、「普通に目の見える子は、すぐに弾けるかもしれないけれど、なんとか、1年かかって弾けるとこまできたんだな。」と、前提条件を入れて、受け取るんではないか、と思います。

だから、なんの前提もなく、ただ、すごいね~、とほめればいいのです。

しかし、げんちゃんにそのようなほめ方をすると、げんちゃんは、素直に、ぼくは、普通の子と同じような条件でできている、ほめられる以上、そうなんだ、と疑問なしに思い込むようなのです。

発達障害のお子さんでも、自分の立ち位置をしっかりつかめているお子さんなら、ぜんぜん、配慮なしに、ほめてもいいのかもしれません。

しかし、自分の立ち位置を把握することがとても苦手な子だったら、前提なしのほめ方は危ないというわけです。

知り合いに、6年生になるかいじくん(仮名)という発達障害のお子さんがいます。その子は、げんちゃんより、まだまだ幼い感じのお子さんですが、彼はよく、お友達と衝突します。

そんな時、家族に、お友達が悪い! という風に怒って話すそうです。彼をよく見ていると、支援クラスで、いろいろサポートしながら交流級に行っているのですが、どうも、自分は、その子たちと対等という立場でいるようです。
あらゆる場面で、級友にサポートされてなんぼのもんなのですが、まるで、そういうことは眼中にないようです。

そろそろ思春期に入り、立ち位置がシビアに求められてくる時期に入ろうかとしているのに、いまだに、周囲の大人たちは、かいじ君に対して、幼児に言うようにほめたり叱ったりしていました。

「かいじ、すご~い、できたやん!」

これでは、かいじくんは、自分の立ち位置をなかなかつかめません。

げんちゃんのことで、ピアノの先生におもしろいことを聞きました。

音符を書いたりする記述の宿題があるのですが、げんちゃんはやらない時も多いので叱ると、翌回はしてくるそうです。しかし、そこで、ほめると、次の回はやってこないそうです。

なるほどね~と思います。

こういう場合のほめ方も、

「ちゃんとできるじゃない。げんちゃんやればできるんだよ~。よくがんばった。でもね、一回くらいやってきたって、普通の子と同じではないよ。普通のお友達は、毎回ちゃんとやってくるよ。げんちゃんも、毎回ちゃんとできないとね。」

そして、前回のリズムうちも、こうほめればよかったかもしれません。

「ちゃんとできたね~。普通は、小学校2~3年生になればできるようになるんだけど、げんちゃんは、中1でやっとできるようになったね。げんちゃんだって、がんばれば、少しおそいけれど、ちゃんとできるようになるんだよね。ほかのことも同じだよ。普通より遅いけど、がんばればできてくる。」


げんちゃんがしっかり普通の世界でも、がんばってやっていけるようになることを目指している限り、基準は、普通の基準である、ということなのでしょう。

そのことを自分でつかめないかぎり、基準のない無責任なほめ方はとても危険であるということなのでしょうね。


また、できているのに、自分を過少に評価してしまい、自信が出ないという子にも、基準をしっかり与えてほめれば、自分の立ち位置がわかるのかもしれませんね~・・・


とにかく、ほめる育児というのは、間違いではないけれど、ただ、もちあげて無責任にほめる、というのではなく、その子ががんばったことを認めてあげて、次の目標を据えられるようなほめ方が大事なんだと思います。

まあ、げんちゃんを育てていなければ、そういうことも、掘り下げて考えることはなかったでしょうね~。


当のげんちゃんは、あいかわらず、発酵中なのかもしれません。
中一が終わりに近づいて、振り返れば、やはり、相当伸びたことは確かなようです。それに見合う心の成長がぐんとおこることを期待したいです。

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  1. ゆうママ より:

    小学校の頃がそんな感じでした。
    学校ではうちの息子は暗黙のうちに目標が低めに設定されている気がしていました。なので、「こんなこともできました。」「すごく頑張ってました。」とよくいわれてました。一方で、息子自身は「僕はこれでいいんだ」「僕はここまでできればいいんだ」と思い込んでいたようです。それが今でも抜けきってないと思います。

    中学はシビアに評価されます。頑張っても同じように到達できない。では腐って何もしなくてもいいのか?というとそうではなくて、自分の持てる力を出し切ってほしい。それが1番の思いです。

    支援クラスだと、ママが頑張らなければ勝手に低い目標を設定されることはないですか?そして小さな事で褒められるということはないですか?

    一方普通クラスの目標は厳しいです。なのでクラスで褒められる機会はまずないです。そしてできなければシビアに評価されます。でも息子の場合、低い目標設定されると本当に「僕はこれでいいんだ」って思ってしまうんです。

    高い目標だとやる気がなくなり、低い目標だとそれ以上の努力をしなくなる。褒め方も同じで、褒めすぎると勘違い、褒めないとやる気にならない。この子たちはミリ単位で調整していかなくてはならないんですね。なんて難易度の高い子育てなんでしょうね。

  2. glow-gen より:

    ゆうママさん
    小学校の時と、中学と、普通の子でも評価基準がかわるようなところがあります。
    普通の子は、それを察知して、中学になると、自分であげて、それに到達するように修正しているようなところがあります。
    支援クラスの子は、どうしても、低い基準をあてはめられます。その子にあわせたことをする、というのはよいとしても、社会の基準をおしえていかないのはやはりその子のためになりませんよね。
     中学あがって、先生方に世間の基準で指導してほしい、とずっとお願いし続けてきて、支援クラスの先生は、ほんとよくやってくださっているように思います。
    S先生はおもしろいことを言ってました。この子たちは、普通の中に入れて、普通の基準でみてやって、そのギャップを伝えていかなければ、ほんと勘違いしたまんま、いきやすい。
    ほんとにそうだな、と思います。
     ミリ単位で調整・・・ほんと見事に言い表してますね~。
    Sさんは、それをやっちゃうので、いつもすごいな、と思ってしまいます。凡人にはなかなかできないですよね~。毎日くたくたです。

  3. robo_223 より:

    roboは支援級出身なので、自分は皆と同じように何でも出来るわけではないということが分かっているところもあので、楽な部分もあると思います。

    ただし、その経験だけでは不十分で、こういう認知のズレがあるということを親がしっかり認識して、意識的に伝えていかなければ、勘違いをしていると思います。

    逆に一般級にずっといる子でも、一般級にいるのだから自分は皆と同じだと思っていて、自分の姿を客観視出来ない子も多いです。

    ですから、外でほめられてもほめられなくても、結局は家庭で課題意識を持って、あの手この手で教えない限り、自分の立ち位置は理解できないと思います。

    例えば、前回お伝えしたように可視化するなどして、自分の達成地点を気づかせることが出来れば、例え外でほめられても舞い上がることもありませんし、逆にほめられなかったとしても、自分は自分なりに前進しているのだと自分を強く持っていられると思います。

    結局は外でどういう扱いをされるかよりも、まずは親が我が子の立ち位置をしっかり把握し、それを教えていくことが大切なのではないかと思います。

    それが、げんちゃんママさんには、出来てらっしゃるからこそ、最近はげんちゃんの反抗的態度が改善して来ているのだと思います。本来なら、これからが反抗期の本番なのですから、どんどん激しくなっていてもおかしくないのに、おさまって来ているということは、現実的なところはしっかり伝え、しかも認めるところはしっかり認めるということが出来ているからだと思います。

  4. aki より:

    こんにちは☺️げんちゃんママさんお久しぶりです😊

    我が子も4月から中学です

    思春期って普通の子供も厄介なのにこの子たちも思春期迎えるんですよね

    褒めるのは大事だけどテクニックが必要ですからね☺️

    うちの息子もたまに痛い勘違いをしていたりしてますが、いい勘違いはそのままにしてます

    何故なら………面白いから

  5. glow-gen より:

    ロボママさん
    親が立ち位置を伝えること。ほんとに大切ですよね~・・・
    げんちゃんは、子供のころから、ちょっと亡霊のような(変な言い方ですみません)とこがあって、自分の感覚や感じ方さえ、まったく自分自身でつかんでいなくて、ペットより、心が通じ合わないというか・・・そんなところがありました。そのくせ、なんか、横柄で、おばあちゃんとか、自分が上に立つと思った人に対しての態度はいただけません。

     それが自我がどんどん出てきたら、今度は暴走。S先生をもってしても、一筋縄じゃいかない、とあきれさせたつわものです。
    なんとか、みんなで、下へ落ちていって、とんでもない人間にならないように、必死で引っ張り上げようとしているわけですが、しょうしょう指導しても、自分はできてる、とすぐに思い込む。
     もしK先生やS先生がいなかったらと思うと、ぞっとします。ロボママさんのように、私は、うまくできないので、先生方の力を借りてなんとか、と言う感じです。

     最近は、細かくS先生に声掛けとか、いろいろ教えてもらっています。
     私があまりがみがみ言うと、あとが悲惨になりそうなので、S先生がこう言ってたけど・・・と、苦ごとは、S先生に責任転嫁(笑)するようにしています。
     朝、あまりに起きないので、しょっちゅう、先生に電話するふりすると、いきなりがばっとか、起きたりします。
     でも、少しずつ少しずつ新しい兆しは出てきています。

    ここからが反抗期本番なんですか~。
    発達障害児の反抗期は、ほんとにこっちは疲弊するでしょうね。なんたって、自己中のきわみになっていきます。ここで、関係を悪くすると、母子決別となるのはよくわかります。
     決別したあと、最悪、犯罪とか・・・・おそろし、おそろし・・・
     このあたりの恐ろしさは、この子たちを育ててみないとわからないとこです。
     げんちゃんは、絶対に、まっとうなところにおしあげたいです。

  6. glow-gen より:

    akiさん
    卒業おめでとうございます。
    中学生ショック、どうぞのりこえてくださいね~。
    お子さんへの声かけ、上手そうですね~。うらやましい! 笑
    確かにテクいりますよね。S先生によく言われるのですが、子供の感情を動かすのではなく、その奥にある、心を動かす。親も、感情の方でなく、理性と心で、子供の奥の心がどうなっているのか、つかむようにしなさい。
     まあ、そうそう簡単にはできません。

    ずれかたが、かわいい・・・そうですか~。いいですね。げんちゃんも、かわいい時があるのですが、最近は、ふてぶてしい時が多いです。

    この子たちは、芯はピュアなとこがあって、かわいさをたくさん持ってるんですよね。

    そこが、たくさん出てくるようになると、素敵ですよね。

  7. みかんママ より:

    サッカーは、あるプロ選手が自分が上手いと思ったらお終い、常にもっと上手くなりたいと思う気持ちを持ち続けないと沈むスポーツというようなことを言っていたのを聞き、息子にも何度も話しています。

    スクールでは、息子が上になってしまった場合、もっと上のスクールの体験に行き、息子が気に入れば入りなおし、常に、自分より上手い子がたくさんいるという状態を作るようにしてます。

    サッカーでは自分の立ち位置が勘違いしないように修正はやりやすいんですが、生活や勉強面では、立ち位置など気にしておらず、そこも気をつけなきゃなぁと改めて思いました。

  8. glow-gen より:

    みかんママさん
    なるほどな~と思いました。
    普通の子の教育でも、ほめる、ということは、しっかり意識をしながらやった方がいいということですよね~。
    その子の性格にもよりますしね。
    お友達の小児麻痺のお子さんは、心の成長はばっちり。その子なんか、自分で努力することを常にしているらしく、お母さんが、がんばらなきゃ、と言うと、がんばりすぎちゃうらしいです。
     そういう子は、ほめても、のぼせず、常に努力しているような感じです。うらやましい・・・
     みかんママさんのお子さんは、サッカーどんどん進化していきそうですね~・・・

  9. みかんママ より:

    生活面、学習面が、どうでもいいかなと思ってしまっていました。

    おそらくサッカー推薦、サッカー受験で高校行くと思うし、もし、スポーツ推薦すらとれないような成績だったら、クラブチームのサッカーで、通信高校と提携しているところもあるみたいで、サッカーを続ける限り、高校はなんとかなるなかーって感じになり、だったら、サッカーを続けさせるほうがいいのかなーって感じで。
    大学もサッカー推薦で行くか、大学無理だったら、高校卒業後に、海外でコーチ資格を取らせようかなーって漠然と思ってまして。
    塾も辞めてしまったし、勉強しなさいといってする子ではないし、そもそも毎日毎日遠くまでサッカースクール(全部違うスクール)に連れて行っていて、時間の余裕もなく💦
    毎日毎日サッカーサッカーやりたがるって理解できないんですけど、本人は楽しいらしく。

    生活面も、小さい頃から朝は強くてほとんど自分で起きてくるので起こさなくてすむのですが、1人で準備して出るというのはまだ無理で、世話も口出しも必要です。
    午後、学校から帰って1人で用意して〇〇に行ってねっていうこともできません。
    買い物も怪しいです。
    くつも揃えないし、脱いだ服もそのまんまです。

    息子は、叱るということに異常に反応して、暴言暴力がひどく(家の中だけですが)、余計ひどくなるので、なかなか叱ることもできず、ほめる簡単で、ついほめてしまいます。

    思春期にも入るし、少しずついろんな面で変えていかなきゃいけないかなと思いました。

    四月は息子1人で参加するヨーロッパ遠征があるので、これを機に自立できるよう考えていこうかなと思います。

  10. glow-gen より:

    みかんママさん
     お子さんのサッカーの峰は、気持ちがいいくらい、つきぬけていますね~。
    その峰が伸びると、他も、少しずつ伸びてきて、バランスがよくなるのでしょうか。げんちゃんとは、まったく別ものだな~と感心します。
    それに、朝も、ちゃんと起きてくれるなんて、ほんとうらやましいです。
     私は毎朝疲弊しています。

    なんか、発達障害の自己中ぶりが炸裂すると、家族も、ほんと愛情がうすれますね~。そうやって、もう見放したら、今度は、自分勝手で暴走しだして、最後は、犯罪に走る・・・・世の中の犯罪の裏側が見えるような気持ちになるげんちゃんとの生活です。

     子供さんによるのでしょうけどね~。叱ることにナーバスというのは、お子さんが、しっかり意思表示してくれるんでしょうね。
    でも、時には、矯めたいだろうし、それもなかなか知恵比べですね。

    自分で修正していける力を彼の中に感じれば、矯めなくてもいいと腹をくくれるけれど、げんちゃんは、矯めないと、ほんとにどこへいってしまうのやら・・・そんな感じです。

    私は、お姉ちゃんは、あまり叱りません。反発するし、叱らなくても、ある程度自分で修正していけます。

    ほんとに子供子供でどうしてもやりかたがかわっていくものなんでしょうね~。
    育児って相手があることですからね。

    それにしても、ヨーロッパ遠征どうなることでしょう。楽しみにしています。それにしてもすごいな~。

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