げんちゃんのステージは、刻々と変わっています。
1学期は、げんちゃんを、多少は遠目に見て、要所要所手厳しく指導するという感じでした。
しかし、どうも、彼は、少し自由に泳がせたのを良いことに、上手に抜きながら、抜いてるのをうまくごまかす、というコツをつかんだようです。
そして、そこに、一役買ったのが彼の高校です。
別に学校だけに責任があるのではありません。どの学校に行っても、げんちゃんは、逃げ場をしっかり作ったと思います。
もともと、外側では、がんばらなきゃ、とか、普通の人間になりたい、とか言ってるげんちゃんの、コアな精神は、”めんどくさい”でできています。
やらなきゃな~。でもきついな~・・・おっと、適当にやってもおこられないんだ。ちょっとぬけちゃった~・・・
そういう、らせんを描いていたのでしょう。もちろん、確信犯の時もあるし、まったく気づかず、抜けまくりの時もあるのだと思います。
まだまだ、メタ認知途上のげんちゃんは、無意識にマイナスに突入しているときも多いと感じます。
とはいえ、いい時も、昔より多くはなっていた。だから、その瞬間に、なんとか入力できたことを、そこそこものにして、能力のボトムアップを計っていたのです。
しかし、落ちれば、昔IQ60のげんちゃんに急降下するようなありさまで、すさまじい!
そして、今週は、それがずっと続いているという壮絶さ! なんなんでしょう~。
起床時、発達障害げんちゃんの抜け方はすごい
キャベツ事件
抜けた時のげんちゃんの起床時は、精神疾患ものです。
朝起きて、いきなりタブレットで何かやっていました。よく見ると、英語の問題でした。何でも学校の提出物らしいです。いつもは、朝の支度をしてから、余った時間で、学習させる時もありますが、なんか、変です。
寝巻のまま、タブレットに汚い字を書きなぐっている。
よく見ると、現在進行形、過去進行形の問題でした。
I wrote the letter.
これを進行形にしなさい、という、基本問題でした。なんとげんちゃん
I wroteing the letter.
とへっちゃらで書いています。
あぜんとします。be動詞+ing なんて、もうくさるほどやってきています。うえ~。また抜いてやがる!
げんちゃんは、とっとと書き込み、答え合わせをして、バツをつけ、赤で正解を書き込んでいます。頭空っぽです。もちろん、単元のポイントも無視。間違っていたところの、アルゴリズムの検証もするはずない。
わからない、とは言わせません。先日もやっていたし、その前にだってやっている。いい時は、ちゃんと正解を出す。そして、これは、さかのぼれば、中学でもやっている。
彼は、タブレット学習が大好きです。適当に、抜きながら、気持ちよくスイングしているような感覚なんじゃないでしょうか。
目的も見つめず、さりとて、外側にかかげたスタイルは適度に演じられる。自分自身も、やってる感が満載。三方良し・・・みたいな感じなのでしょう。
こっちから見たら、その時間帯は、無、空白です。
「何やってるの。勉強している演技だけしても意味ないでしょう。爬虫類みたい。カメレオンが、ぐるぐる目を回しているみたい!
起きたらまず何やるの? 朝ご飯はどうしたの?作りなさい。そういうことをきちんとすることが、大事でしょう!
ちゃんとやるべきことやらずに、逃げているから、狂っちゃうのよ。」
げんちゃんは、は~? というぼんやりした顔で、台所に行きます、。
「キャベツを千切りにして。」
あきれながら私は言います。
げんちゃんは、キャベツを出しました。
やれやれ・・・・
結局、タブレット学習は逃げと、ごまかしでしたね・・・。
つけた能力の多くは、常に逃げ場探しに使われます。巧みに探してくる。げんちゃんをあまり知らなければ、だまされる。今朝はタブレットね。
そして、ふとげんちゃの方を見て、ぎょっとしました。
げんちゃんは、キャベツをみじん切りにして、ぼ~っとただ炒めていました。
「何やってんの? 千切りって言ったでしょ。千切りキャベツはいつもどうするの?」
「はあ?・・・」
何も考えていません。キャベツの千切りなんて、何度も何度もやってきたことですし、付け合わせとして、いつもメインメニューの横におきます。みじん切りのキャベツを炒めるなんて、教えたこともないし、やったこともない。
もうこういう時は、何をやってもだめです。千切り、と言っても、どんどん変なことをやらかす。
ゴールには行けません。
気持ち悪くなって、
「何やってんの!」
声を荒げます。すると、げんちゃんは、うろたえたように、
「あ、塩だね、塩・・・」
とか、まったく違うことを口走って、それに味付けしていました。
「千切りキャベツってどういうことなの? 毎回やってるでしょう!」
私がさらに言えば、どんどん、さらに脱線していく。空っぽの状態で、ただ焦っているだけだから、永久に的からはずれていく。人間の殻だけがくるくる動いているような感じ。
げんちゃんは、とうとう、塩味のみじん切りキャベツ炒めを、大皿にどかっと盛って狂人のように、あせっている。
もうこうなったら、S先生しか修正できない!
その日は、スケジュール管理も失敗に失敗を重ね、彼は、ただ、人間の殻をかぶって生きているだけ、というでたらめぶりでした。
夕方S先生に、相当カツを入れられ、先生も相当消耗し、なんとか、まともになって帰宅。
それでも、なんか、あやうい。良い時のげんちゃんとは全く違います。落ちるところまで落ちて、なんとか、少し持ち直しているくらいの感じ。
そしてまた気がゆるむのか、朝になったら、また似たようなことを繰り返す。
ほとほと、こいつの母親をいつまでやれば解放されるのか、神様を恨みたくなる毎日です。
とにかく、今は、かなりきついステージ。飛躍の前の沈下とでも思わないとやってられない。
げんちゃんの能力はのびてる。しかし、心の底からがんばろう、なんて気がまったくない。そのくせ、表面ではやらなきゃ、とあせる。そのギャップで、まったくとんちんかんな行動に走る。気持ちが全然入っていない。
落ちては人間じゃなくなって、S先生になんとか引き上げてもらい、人間になる。でもまた落ちる。その繰り返し。
S先生も、
「げんちゃんは、ほんとに珍しい人間だよ。自分の魂を放棄している。ここまでの人間はなかなかいないです。」
と疲れあきれ果てる。
「いくら、他人が手を貸しても、自分がよくなりたい、と真剣に思わねば、神様でも何にもできないね。」
そりゃそうだ。
あまりにクレージーすぎて、私もまじめにやってやるのがあほらしくなる。クズ過ぎる・・・
生きることさえめんどくさい、能力がいくら上がっても、アクセル踏むのを、めんどくさいと、放棄する。だったら、生きてる意味なんてないでしょう。
自分の子じゃなければとうに放棄してるわな。
抜けた時のげんちゃんは、まあ、すごいです。妖怪めんどくさい。息して生きてるから、あとはいいでしょう! だからなに?そんな感じです。
でも、S先生は、落ちては上げ、また落ちては上げ、というのを根気よく続けるしかない。と言い切ります。
こんなのにつきあってくれるS先生はほんとにすごいよな~と思います。
来週からは、アルバイト、自分でしゃきっと持ち直しなさい。もう、こっちはくたくたです。
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こんばんは。
タブレットの時の状態、全く同じです。
面白いほどに。
チャレンジタッチはもうやっていませんが、やっている時は本当に何も入っていません。
間違えたら正解が出てくれるので、それを覚える(答えの番号)のです。
解説なんて読みもしませんよ。
即次へ行ってしまいます。
そこが大事なのに。
そしてやり直し問題の時に正解して喜んでいる。
意味ありませんね。
仰るように、外側からはやっている風に見えますからね。
ちょうどいいのです。
学校もタブレットでの問題があります。
似たような感じですね。
こういう子たちにタブレットはダメですよね。
(一人でやらせるにはダメということです)
キャベツ事件も全く心が入っていませんね。
千切り、みじん切りができるだけで凄いのですが…
落ちてしまっていますね。
>いくら、他人が手を貸しても、自分がよくなりたい、と真剣に思わねば
本当に仰る通りですよ。
とんちゃんもそんな気全くなしです。
このままでも何とかなるでしょ~と見通しが甘いのです。
アルバイトで気持ち入れ替えてくれるといいのですね。
とんままさん
チャレンジタッチ懐かしい!
中学までは、とにかく、ざ~とでも、さらう必要があり、あれはずいぶん、重宝しました。
とにかく、スイッチが入ることがないげんちゃんに、なんとか、さわりだけでも入れる。
興味を少しでもひかせる。
そのためには、浅くても、少しはくいつくもの、という感じでした。
しかし、今は、本質をなおさないと、恐ろしい。
そうなると、ああいうものは、ちょっと合わなくなってきていますね。
だけど、社会とか、英語の単語とか、合間に、気楽にやるものには活用できます。
とんちゃんも、中学の勉強をどうやるのか、なかなか悩ましいですね。
タブレットへの反応よくわかります。
げんちゃんは、あれから、まだ、相当ぼろぼろで、私も悲鳴をあげていました。
なんとか、S先生に、毎日かついれられて、これではいけない、と少しは思えたようです。
機能からアルバイトに行っています。
気持ちは入っているようです。
でも、間に合うように、だんどりして、でかけるのは、なんとなくあぶなっかしい・・・
ほんとに朝はふぬけなので、ゆだんすると、ぎりぎりになっています。
私はノータッチです。
仕事だから、という責任感は、多少はあるようです。
どういう感じなのでしょうか。明日から休みだからのぞきに行こうかなと思います。
でも、フロアに出てこないみたいなので、見れるかどうかわかりません。
とにかく、あきれるばかりに息子。
エンジンとアクセルの話をしましたが、もう一つ条件があると、S先生が言いました。キーです。キーを入れないと、そもそも動かない。
げんちゃんは、キーを入れない。そういうところでずっと立ち止まっているのです。
おぞましいです~。