ママの格闘と改善のダイアリー

自分の子が発達障害?
それって何? から始まった。

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発達障害、障害のベースは二つありそう

能力と気持ち

げんちゃんは、もともとIQが低い発達君だったので、私は、発達障害とは、IQが低いのが、メイン症状か、と考えてしまっていました。
ですから、できないことを、こつこつできるようにしていけば、発達障害は改善していくと、単純に思っていたわけです。

しかし、発達障害の中には、やけにIQが高いお子さんもいます。IQはちゃんと人並なのに、でこぼこがあったり、常識感がつかなかったり、なかなか厄介な性質を持っている子もいます。

そういう子のお母さんは、発達障害はIQだけの問題ではない、と早期に気づくのかもしれません。

そういう意味では、げんちゃんは、二重苦を背負っていたので、発達障害の本質(あくまでも、私の見解です。)に気づくまでけっこうかかりました。

発達障害を車にたとえれば、車の性能と、アクセル操作と考えるとわかりやすいのかな、と思っています。

げんちゃんの場合は、車もエンジンも、かなりぽんこつ。しかも、アクセルを踏むノウハウもまったくない。(いや、アクセルの場所を、探し当てるところからだったかも・・・)

しかし、IQの高い子は、車は、けっこう上等、もしくは、普通です。でも、アクセルを踏むノウハウがでたらめです。

そんな感じじゃないかと、捉えています。

げんちゃんの発達育児は、今まで、相当なエネルギーをかけ続けて今にいたりますが、二重苦を背負っていたので、まだまだ普通走行の車というわけにはいきません。もとを考えれば当然なのかもしれません。

しかし、発達障害のお子さんの中には、けっこう小さい頃は問題をおこして、親もかなり困っていたのに、20歳ころには、けっこう普通に紛れて、問題がなくなっていってるように見える子もいますね。後者のタイプです。

多動がきつかった、たつや君の改善

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             
そういう一人である、たつや君のことを書いてみたいと思います。

彼は、小学校の4年生の頃、私の職場の病院にやってきました。
周りの刺激にいちいち反応して、クレームをつけたり、なんでもかんでも質問してきたりして、職員は、対応に苦労しました。

学校でも、友達とよくトラブルになり、中学の頃は、先輩に殴られたこともありました。

苦手なことも多かったけれど、中学の成績は、おおむね3か2は取っていた模様です。英語だけ4だったのを覚えています。そして、よく覚えているのは、彼は、九九をどうしても覚えなくて、おかあさんが、とても苦労したという話でした。

最近、久しぶりに彼に会いました。
彼は、今や大学生になっていました。あろうことに、彼はアジアの大学に留学していたのです。

たたずまいは、昔のように、ぶっきらぼうな雰囲気を多少残しつつも、とりあえず、普通レベルの挨拶をして、ましな会話もできました。

「すごいね。たった一人で海外生活なんて! 友達はできた?」
と私が聞くと、

「ん、まあ~・・・多少は・・・」
そう無表情と言うわけでもなく答えます。

「一人で生活の管理をしているなんて、すごいじゃない。ちゃんとできるんだ。」
「いやあ・・・、できてるかどうか・・・」

「お母さんは元気?」
「え、まあ」
「今度、いつ学校にもどるの?」

「東京に行って、コロナの検査受けてから、大丈夫だったら○○頃には・・・。」
「コロナか~。大変だね。」
「友達は、検査にひっかかっちゃって、〇日間もホテル待機になって、大変でした。僕もそうなると、渡航が後れます。」

すごい! げんちゃんが一人で電車に乗れた~とかいう話からしたら、はるかにレベルの高い話をしています。

一連の彼との交わりは、彼が、特別感じがいいとか、気が利いているというわけではありませんが、会話の中に、自分を客観的にジャッジするような言葉が入っていたり、理論的にしっかり相手に伝わるものでした。

いまだに、相手に物事を伝えるために、理論的な会話を組み立てることが難しく、何を言いたいのかさっぱりわからないことが多いげんちゃんとの会話に比べると、なんとレベルの高いことでしょう。

あとで、お母さんに、どんな訓練をし、どんな指導をしたのか聞いてみましたが、

「私は、あまり何もしていないのよ。」

と言うではありませんか、彼がソーシャルのことでいろいろトラブルを起こしていた時は、学校を変わったり、彼に良い環境を与える工夫はしていたようですが、私がげんちゃんにしているような、細かい発達育児はしていない、というのは事実なんだろうと思います。うらやましい限りです。

これが、車で言う、エンジンはほぼ普通、ただアクセルの踏み方が、ちょっとおかしいお子さんの、時々おこるミラクルなんでしょうね。

こういうお子さんは、最初から、へたくそだけど、アクセルは踏んでいたわけでしょう。最初は、へんてこりんでふかしすぎて、失敗しまくっているけれど、その踏みかたを、うまくマスターしたら、それなりに、普通に運転ができるんだろうな~と思いました。

しかし、げんちゃんのように、車はぽんこつ、アクセルは、踏みかたさえまったくわからない・・・・それどころか、踏もうさえしない、という発達障害は、彼らとは全く別物だと思います。

両方一から、つみあげていくしかない。逐一すべて指導していかずとも、なんとかなってくれた~、なんてことは、絶対無理なんだろうな…と思いました。

もし、げんちゃんが、普通の走行ができるようになるんだったら、世の発達障害の多くは、改善していく可能性がある、ということなのかもな~・・・と、

自分がトライしている難題に、苦笑したくなりました。

このタイプのお子さんのお母さんたちと、げんちゃんみたいなタイプのお母さんでは、やっていくことも、感じることも、違ってくるのかもしれないと思いました。

車のエンジンはピカピカ、もしくは普通、でもアクセルの踏みかたは、めちゃくちゃ、というお子さんも、そのバランスの悪さで、かなり大変なことが予想されますが、エンジンぼろぼろ、アクセルも踏むことさえ考えない、なんていう子供のスタートは、やはり、かなり、きついものがあるな~と思います。

今のげんちゃんでも、もしかしたら、奇跡なのかもしれないですね~。

この記事を書いていて、、もう一人、あるお子さんのことを思い出しました。アクセルの踏みかたが暴走しまくって、げんちゃんより、もっと重症に扱われてしまったお子さんがいました。小学校の頃、彼は、支援学校に移されました。彼は今頃どうなっているだろう、と思います。今頃、こういうミラクルがおこっていたら素敵ですね。

ただし、アクセルの踏みかた、踏むためのモチベーション、それだって、親がねらって働きかけて、改善させようとすると、そうそううまくいくわけでもない。相当なるエネルギーがいるし、天任せのとこもあるんでしょうね~。

ねらってやろうとすれば、困難を極めることも確かです。

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