ママの格闘と改善のダイアリー

自分の子が発達障害?
それって何? から始まった。

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絵を描く能力は、芸術性ではなく、思考能力に通じる

  > げんちゃんは、スイミングをやめました。2年になって、時間的に無理になりました。
 
げんちゃんは、フリーの日ができたものだから、大喜びで、先日は帰るなり、友達のところに飛び出して行ったようです。
「帰ってこない、7時を過ぎても。」
とおばあちゃんから職場に連絡がきました。
 結局、彼は、その日、一人の男の子のとこに行き、帰るとすぐまた、仲良しの女の子のところへ行ったようです。

 結局帰ってきたのは、8時。・・・・やれやれ困ったものだ。遊び出すと、帰ることなど忘れてしまうらしい・・・
だけど、1年生の時は、友達のところに一人で行って、遊んで来るなんて、あんまりイメージできなかったので、すごいことだと思います。相手にしてくれる友達もいるということなのでしょう。
 
そして、日曜は、げんちゃんを良くお世話してくれるHちゃんが、遊びにきました。

 げんママは、その時ちょうど、宮沢賢治の「よだかの星」の一説を暗唱させるべく、げんちゃんに何度も読ませていたとこでした。せっ
かくHちゃんが来たので、Hちゃんもホームスクールに参加してもらいました。よたかの星を彼女にも読ませて、おもむろに、

「さあ、読んでイメージしたよだかの絵を描いてみようか~。」
と、お題をあたえました。

 二人とも嬉々として取り組みます。でも、二人の行動があまりにも対照的だったので、とてもおもしろかったです。

まず、Hちゃんは、大きな紙の真ん中に線を引っ張って、いきなりメモを書き始めました。

「よたか
みにくいとり
足がよぼよぼ
口が耳までさけている」

こんな感じです。は~、すごいね。的確にメモとってる・・・・・そして、左のスペースに、絵を描こうとして、う~ん、と
ちょっと考え込みます。それからしばらくして、ひよこのような小さな鳥を描きました。次に上に太陽を描き、その横に、ふき出
しを書いて、「こっちに来るな~」と描いて、仲間はずれのかわいそうなよたかを強調しました。

上はHちゃんのよたか
 さて、げんちゃんはと言うと、Hちゃんとはまったく違いました。げんちゃんは、何のためらいもなく、もちろんメモなんて思
いつきもしないという様子で、(ま、書けんよね~どう考えても)いっきによたかを描き始めました。うれしそうに。・・・そして、次は、たくさんのマルをまわりにちりばめます。
「これは雨?」 とげんママ。
「そうだよ。」
げんちゃんは、うれしそうに答えます。
そして、雨と同じ水色で、よたかの羽を塗ります。よたかは、雨の中に一人たたずんで、雨の中に沈み込んでいます。地面の
中には、水タンクと菅が埋まってるのだそうです。なんだか不思議な絵です。
 
上はげんちゃんのよたか

太陽と雨も対照的な二人。メモをとるHちゃんと、いきなり描き始めるげんちゃん。・・・

 普通、子供に絵のお題を与えると、多くの子は、ちょっとためらいます。何を描いていいか、瞬時に思い描く子は多くはあり
ません。大人だって同じです。でも、げんちゃんは、何度か読まされたよたかのイメージが、あざやかに右脳にシルエットを
作ったようです。出力はいっき。楽しそうです。

 これが、左脳と右脳の違いなんだな~。Hちゃんのおかげで色んな発見がありました。げんちゃんは一気に描いたけど、メモなんて取ってないから、口が耳までさけている、という条件を忘れていました。もちろんHちゃんは、条件をすべて網羅してます。

 げんちゃんの絵は、雨の中のよたかが、寂しげです。発想も詩的でユニークだな~。げんママは、ちょっと関心しました。

 あ~、これが、まったく絵を描かないげんちゃんだったとは、誰も信じないよね。

 とは言え、お絵かきは、すべてばんざ~い。ではありませんよ。七田のお絵かき(ミラクルアイトレーニング)ドリルの模写は、2クール目というのに、簡単なものでも、まだまだ大きさとバランスはひどいです。それに、たとえば、歯磨きポスターとか、手の写生とか、ある程度、知的に構築していくような絵は、まったくだめです。
ディテールにおいて、描写力も塗り方も、構成力も、同級生にかないません。
彼の詩心の表現は、なかなかユニークではありますが、このままほっといて、賞なんか取れるような絵ではありません。彼が、絵をかっちりきわめるには、まだまだ伸ばしてやらなければならないテーマが満載です。

 
 さて、絵に取り組んできて感じますが、絵を描く能力は、たとえば、国語力をつけることと同じくらい大事だと思います。
 国語力がつくと、色んな思考のもとになり、色んなことの探求の基となります。そのために、語彙力をふやしたり、文章を読み込んだり、書き取りしたり、漢字を覚えたりします。
だからといって、みんな、小説家にはなりません。

 絵も同じです。描写力、デッサン力、構成力などを鍛えることで、絵の能力があがって来て、そのことが、物事の思考の元になるのだと思います。絵を描く能力は、芸術性ではなく、視覚情報と言語情報の意味を深く見通すことに通じるのだと思います。
 言い換えれば、思考の足場となるのだと思います。絵が描けないことは、単に、芸術性がないということではなく、多くの分野にわたって、分断された能力があるということなのだと思います。
 
 だから、どの子にとっても、絵が描けないことは、大きな問題です。そして、げんちゃんで証明されたように、どの子もきちんとしたプログラムをやれば、ここは、確実に、伸ばしていける分野だと思うようになりました。しかも、右脳力のあるこの子たちは、かならず、予想外の結果を出すのではとも信じています。

 この頃、げんちゃんの絵がのびていくに従って、彼の他の能力が上がってきていると感じてます。ソーシャルにしても、言語力にしても、算数の計算力にしても・・・。(なんと、数日前から、二桁足し算、二桁引き算の正解率は、いっきに上がりました。)
 

ベティー・エドワーズという絵の先生の本によると、絵を描くという技能は、以下の5つの能力で構成されているといいます。

1、エッジを知覚する(一つのものが終わって、別のものが始まるところを見る)
2、スペースを知覚する(周囲や奥に広がっているものを見る)
3、相互関係を知覚する。(対象を遠近法によって、正しいプロポーションで見る。)
4、光と影(明部と暗部)を知覚する(対象を明暗の度合いによって見る。)
5、ゲシュタルトを知覚する。(全体像とその各部分を見る)つまり、ものそのものを”理解”する。

最初の4つがそなわっていった結果、5番目の理解ということが可能になると書いてありました。
ゆうゆうさんが、前回の映像で、絵が描けてくる、工作が出来てくる、ということと、他の能力ののびがリンクする話をしていましたが、これは、まさにそういうことだと思います。

絵が描けない子供さんのママ、そこを伸ばせば、伸び白は、絶大ですよ。

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  1. mokoyu888 より:

    そっか~絵に関しては3歳児のままです。
    伸びしろがか~なり期待できるんですんね!!
    七田のトレ-ニングが10日からまだ進めていません。どうも苦手意識があるようです。にしても言葉(文字)を想像して書くって高度です。
    2人とも上手です。
    げんちゃんお友達とよく遊べてますね。
    うちはそんな長時間はないです。しかも私も一緒にいる事多いので。
    そしてまだ停滞期です。

  2. チンジン より:

    げんちゃん、遊びすぎ〜(笑)でも、お友達と一緒に遊べるってすごいことですよ、ほんと。幸せなことです。
    絵のこと、なるほど〜って感じです。絵をかけるようになるための能力は、確かにほかの分野とリンクするものがありますよね〜。また、今回のように、聞いた情報にから絵を描くためには、聴覚処理・長期記憶の能から力も必要になってきますね。いつも勉強になります!

  3. Taiママ より:

    げんちゃんのよたか、感動しましたよ!
    色がとても綺麗で、詩的な絵だと思います。情景というか、よたかの気持ちとか、そんな物語のイメージの世界が伝わります。げんちゃんがこの物語で感じた色は青だったんでしょうね。
    人の心を動かす絵ってこういうものなのではないかな、と、げんちゃんの絵を見て思いました。

  4. かけママ より:

    Hちゃんもげんちゃんも素敵な絵ですね(=^x^=)Hちゃんのメモを取って絵を描くのもなんかビックリ!しっかりしているんでしょうね。私はげんちゃん派かな。
    かけちゃん、絵は書けるけど、オリジナリティなものはほぼ描かないから、ここにかけちゃんの改善ポイントが潜んでいるのかな。とげんママのブログを読んでいて感じます。

  5. げんママ より:

    もっちゃんママ、
    げんちゃんは、ほんと、まったく絵が描けませんでしたよ。七田のドリルも、最初からは無理でしたよね。

    その前に、点つなぎを200問はやってますね。点つなぎも無理だったから、その前は、パズル・・・腕を鍛える、とか、目の追視とかやってました。

     七田のミラクルアイは、取り組んでから、2年たって、やっとできるかな~という感じでしたよ。
    もっちゃんも、少しずつできるようになりますよ。
    伸び白大です。といっても、げんちゃんは、まだ、計算はぱっとしません。前よりましというだけです。

     パズルも何回やっても、??だし。まだまだです。一足飛びには行かないけど、やがて、停滞期も抜けていきますよ。大変だけど、がんばりましょうね。

  6. げんママ より:

    チンジンさん、
    なるほど。聴覚処理・・・長期記憶・・・げんちゃんついているのかな~。
    そういうのさっさと描き出したのは、ここ1~2ヶ月だもんね。

    でも、まだまだ、算数も国語も他の子にまったく追いついてないです。根気良く取り組むしかないですね。
    でも、TLPの効果もあるんじゃないかと思います。

  7. げんママ より:

    Taiママ、げんちゃんは、つい先日まで、絵はまったく描けないし、描いても、ぐっとくるものなんて描けなかったです。
    この辺が不思議なとこですね。

    彼の右脳が、左脳を使って出てきたんでしょうけど、なんだか、いきなりなんで驚きます。
    右脳はすごいけど、出力は左脳・・・鈴木先生の言う意味が少しわかるような気がします。

    げんちゃんの絵は、スケッチ力がまだ足りません。白いところがないように塗る、とか、画面の大きさのバランスとか、色んな点でまだまだですが、表現したいものは、相当生まれてきそうです。鍛えたら、伸びそう、と思えるのは、発達育児に楽しみを与えてくれますね。
     でも、なかなか、ゆっくり絵を描かせる時間がない・・・

  8. げんママ より:

    かけママ。オリジナルなもの描けませんか?

    普通の子でも、そうそうかけないと思うよ。げんちゃんも、そもそも、七田で模写をいっぱいして、パターンがある程度蓄積されて、その上にやっとオリジナル的な組み合わせができるよういなったんだと思います。やっぱり、模写や、スケッチからなんだと思います。
    かけちゃんは、どんな絵が出てくるんだろうね。

  9. かけママ より:

    ゲームの一場面の絵がほとんどです。一式セットみたいな感じで、描くので、応用して描くのはなかなか難しいのかもしれませんし、真似はするけど、場面を想像するのが難しいのかもしれません。

    今までの絵を否定は元々家では描く事はなかったので、げんちゃんのやってきたように絵のレッスン取り組んでみようと思います♫

  10. げんママ より:

    かけママ
    かけちゃん、私の読みでは、
    スケッチ精巧にしたがるようになる気がする・・・
    かけちゃんは、理系に峰がありそうだもんね。

    点つなぎはどうですか?げんちゃん最初ぜんぜんだめだったけど。かけちゃん書けそう。

  11. かけママ より:

    ピグマリオンの点つなぎですよね。
    七田のプリントで簡単なのが1枚あった時は出来てました。
    点つなぎを試してみます。

  12. げんママ より:

    かけママ
    ピグマリオンの点つなぎは、確か、4冊か5冊あって、1が一番簡単でした。それすら、1年のはじめは、たちうちできなかったげんちゃんです。もう半端なく、形がわからない子でした。このブログの下に、昔のブログのリンクがあるのだけど、線でぐちゃぐちゃ描いただけで、私は、喜んでいたみたい。かけちゃんとげんちゃんは、でこぼこが、反対みたいな気がするな~。

    報告まってます。

  13. じゃはん より:

    げんちゃんの絵、いいですね~!
    そして絵を書くことと並行して色々な改善が起きているということ、本当に素晴らしいです!自分のことのように嬉しく感じます!
    こうした記事が、本当に多くの親御さんのヒントとなり希望となり、励ましとなりますね~。合掌!!!!!

  14. げんママ より:

     じゃはんさん。ありがとうございます。
    こうして光の部分を描くと、さもハッピーという感じですが、影もばりばりあって、そこの部分をとりあげると、げんちゃんは、いっこうに改善してないような感じです。

    毎日葛藤です。
    ほんと、あほちゃうか・・・という日と、あ、前よりこのことは少し進歩してる、と感じる日の交合にやってきます。

  15. にじまま より:

    げんちゃんの絵日々進化ですね。聞いたものを表現するなんて高度すぎます!
    うちは宿題をさせるのがやっとで鉛筆持つのを嫌いになったらどうしよう・・・と思うくらい嫌がります。点繋ぎも大きい丸はつなげました。大きくないと見にくいのかなと思いビジョントレーニングの本を図書館に予約しました。夏休みは学校でも見てくれるらしいので、ピグマリオンにチャレンジしてみようかなと思っています!支援級で使えるものは使おうと思ってます。

  16. glow-gen より:

    にじまま、確かに・・・
    げんちゃんも、あたりまえのように、書いてたけど、できるようになったのって、いつの頃からなのだろう・・・

     げんちゃんもまったくできないとこから始まってるよね。
     宿題は、うちも、まだまだ格闘です。でも、1年生よりましになってますね。
    昨日漢字の宿題させてたら、ぐちゃぐちゃで、注意してたら、ぼくって、どうして見えないんだろう~、って泣き叫んだので、目、機能してないのかもしれませんね。

     はっとして、追視(ぼうのさきにマークつけて追わせる)やって、漢字にもどったら、ややよかったです。

     ビジョントレーニングは、いつも、意識して、平行してやるべきですね。
    あと、鉛筆ですが、グリップを色々買いそろえてみました。塗り絵とかの練習もいいですよね。

  17. にじままm より:

    グリップで持ち方違いますか?うちのこは家では三角鉛筆を使っています。
    宿題は平仮名なので簡単ですが、国語ノートの升目が書かれてあるのが見にくいのかなと思ったりもします。
    算数の宿題は絵付きの計算で余計ごちゃごちゃしてる感じです。

    七田の本に同じ事を繰り返しさせるのが良いと書いてあったので、ゆうゆうさん流お絵かきを毎日やってみようと思います。ぬりえも良いみたいなので、太い線のを探してみます!お絵かきは嫌がらないので宿題がイヤみたいです・・・
    パッとやれば3分くらいで終わるのに・・・といつも思います

  18. glow-gen より:

    にじまま、グリップね
    げんちゃん、色々学校に持参するんだけど、他の子が、それを見て、お母さんに、げんちゃんの持ってたの書きやすいから買って、とリクエストしてるみたいです。なんたって、持ち方ひどい子多いです。
    最初は、ぶっといグリップを持たせてました。今は、普通の細めのやつ。自分自身も書いてみると書きやすいよ。
    公文の三角鉛筆は書きやすいですね。でも、グリップは、またゴム製なので、それよりも、書きやすい時もあるみたいです。収集家のような状態でした。1年の時は。

    それから、絵がついていればいい、というものでもないですよね。七田やピグマリオンのプリントは、色がついてないのですっきり、目的のとこに集中しやすいですね。

    お絵かきは大事ですよね。
    宿題は、いやだよね。ほんと。なぜ、あのように、時間をとるのか。今はかなり改善してます。これも、しばらくの辛抱ですよ。

     左脳疲れるんだと思います。いやなことやるとね。

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