> げんちゃんは、意識を深い扉の後ろにしまいこもうとしていましたが、前のステージにもどってしまったわけではないことを確認しました。
それは、
「ねえ、今日体操服洗う?」
体育があった日、げんちゃんの持ち帰った体操服を見て聞きました。
すると、げんちゃんは、
「明日、体育がないんだったら洗って。でも明日体育があるんなら洗わない。」
と答えたのです。
私は、お~~!と感動の声をあげてしまいました。発達障害児にとって、こういう発言こそは、きらきら光る宝石のようです。
「現在」というものしか、存在しないかのごとく、意識が広がっていない、と思ってがっかりしてましたが、やはり、彼の意識には奥行きや幅が、生まれつつあるようです。
さて、次に、かばんの中を見てみたら、プリント類は、とりあえずファイルの中にまとめてあって、その中に、期末試験の範囲表がはいっていました。
それとともに、テスト勉強の計画がたてられるように、スケジュール用紙があります。
なんと、それに、げんちゃんの字で書いてあるではありませんか。
曜日の下の枠に、教科書P5~41 次の日の同じわくに、ワークP1~7、などなど・・・・・表の3分の1くらい、どこをやるか、範囲表から拾って書いてありました。
どう考えてもやれそうにない計画で、わかって書いているか不明ではありますが、もっともらしい学習予定が書き込んであることがすごいことです。・・・・
「これ、げんちゃんが自分で書いたの?」
「うん、そうだよ。」
げんちゃんは、すまして言います。ほんとかな~・・・
昨日まで、「テスト?? はあ、それで?」
という感じだったげんちゃんが、学校で、テストのオリエンテーションがあったとたん、テストがあるから、用意しなけりゃいけない。
そんな態度になっているのです。できるできないは、別として・・・
そして、また次に、自主学習ノートを見てびっくり。
げんちゃんは、前日は最悪の状態だったので、3分の1ページ、白紙で学校に行ったのです。
でも、なんと、そこに、漢字が書き込んでありますよ~。びっくり!
聞くと、朝、学校でやったんだとか。 びっくりしました。私は、何一つ言ってません。
トリプルでびっくりした一日でした。おそるべき意識の力です。あれだけ、ぼ~っとして、何も把握していないようなげんちゃんと思っていたけれど、彼の内部では、意識が出たり入ったり、揺れ動いていたのでしょうね。
意識を出すことができれば、方向性も少しついてきているし、どこに出すべきかも、少しは把握できるようになってきているのでしょうかね~。
その日、野球からもどって、時間がおしていることを伝えたら、げんちゃんは、さっさと机につきました。
う~ん。テストモードになってるかも・・・
「一人でできるの?」
と私。
先日、私に対して、すごくふてぶてしかったので、私は、わざとらしく、突き放して聞きました。
「いや、できない、手伝って下さい。」(お~お~・・・かわいいこと。毎日がこうだと、ほんとストレスないんだけどね~)
その言葉には、先日のなめた態度の謝罪が、もりこまれていた様子です。
まあ、それからは、あと3時間くらい、時間がほしい! と思いました。普通の子を教えるような、ストレスの少なさ。(この日、数学がやれなかったのも一因だったと思う)
げんちゃんが寝入って、考えてみました。げんちゃんの今の状態について。
どうもげんちゃんは、マイナスとプラスの大きな振りの中で、もがいているようです。
意識が、完全に、自己を制御できていないげんちゃんは、”自我、わがまま、感覚、感情”・・・・・そういう意識よりも低次のものに、自分が振り回されて、意識がどっか行っちゃうんだろうな、と。
でも、”やりたくない”、というマイナスが、げんちゃんを振り回していたのに、こんどは、学校での刺激が、今度はぱっと、プラスにチェンジさせた。
心を動かす、ということの重要性がよくわかります。
残念ながら、このプラスが持続するとは思いませんが、モチベーションさえあれば、げんちゃんのプラスが出やすいということは、ほんとによくわかりました。
最初の定期試験(中間はありませんでした。)どうなることでしょうね~。
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完璧な意識への働きかけでしたね!
脅しや恫喝は、恐怖という感情にしか働きかけませんが、学校で定期テストの説明があったことで、高次な意識が揺り動かされたのですね。
こういう体験を繰り返していくことで、徐々にステージの高い意識を動かしやすい人になっていくと思います。
しかも、これがすぐに定着するわけではない、というママさんの鋭い読みがあるので、一旦これが途絶えたとしても、冷静に状況を受け止められると思います。そしてまた、こういう体験を繰り返していくうちに、こういうパフォーマンスが状態化していくのだと思います。
roboも中学校に入学して半年間くらいは、新しい刺激にガンガン揺さぶられて、意識が広がっていきましたが、その後一時期停滞して、それから今度は内部から意識改革の波が押し寄せて来ました。
その内部というのは、おそらく丁度脳が変化する時期だったり、やりたいことをさんざんやらせて、エネルギーが溢れて他に広がって行ったのかもしれません。
とにかく、以前のroboが何も出来なかったので、大きく成長したように感じることが出来ました。でも、後退さえしていなければ、まだまだ成長は期待できるのですから、少しずつの成長に感謝し、喜んでいきたいと思っています。
訂正 状態化→常態化
すばらしいです!!
げんちゃんにとっての学校(中学校)というのは、緊張感ある場所なんですね。
しっかりプラスの刺激が入る所なんですね。
学校でテストのことを言われるのと、ママさんに言われるのでは、入り方が全く違うって、ママさん悲しいですが…
げんちゃん自身でテストに対して緊張感を持ち、意識を向けることができたので、良しですね。
初めてのテストなんですもんね、試験勉強の段階から意識を持って(入れ)持続するのは難しいかもしれませんが、何度も定期テストを受けていると、出来るようになってくるのかもしれませんね。
週末のS先生との合宿で、もう一皮剥けるといいですね。
ロボママさん
>その後一時期停滞して、それから今度は内部から意識改革の波が押し寄せて来ました。
ロボママさんはいつもすごいな~と思います。
この内部の・・・というのが出てこないと、本当の意識改革ではないですよね。げんちゃんは、このブログを書いたあと、気持ちはあるけど・・・という状態でした。
S先生いわく、感情がゆさぶられただけで、ほんとの意識のところまでは変わってないらしいです。
ロボ君にこのところおこっているような、内部のところがかわって、底の部分からつきあげるような意識のベクトルが出てきたら、突き抜けるサインだと思いますよ~。
げんちゃんは、まだまだ、たくさんの雑念が邪魔して、ストレートにやるぞ~というところにいかないようです。
昨日の状態を見て、S先生は、やはり、合宿がいるな~・・・と言ってました。
意識のことは難しいです。でも、モチベーションがあがったり、価値を見いだせたりすると、確かに、良い方にはいきやすいですよね。
普通の子なら、ここで、さっさと良い方向にむかっていくのでしょうけどね~。一筋縄でいかない発達のお子ちゃまたちです。
とんままさん
ありがとうございます。
でも、そこからすぐに、こっちの期待する行動に結びつかないのがげんちゃんですよ。
確かに定期試験の重さを、今までよりはわかったのは確かです。
でも、じゃあ、どういう気持ちで問題に取り組むの?となると、逃げがやはり出てくる。
一度のこういう体験だけでは、ほんとに多少かわったかな~くらいのもののようです。
「がんばらなくちゃだめなんだ~。」
とか、普通の子なら動けるはずの理由付けだけでは、芯からかわれないようです。理屈でやろうとしているだけだからでしょうか・・・・
内側からつきあげるように、S先生の言葉を借りれば、
「ドストライク」で、意識が出ていないとやれないんだとか・・・
このブログで私が期待したほど、そのあとの学習はぱっとしませんでした。とほほ・・・