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合宿から帰ってしばらく経ちました。
げんちゃんは、傍で見ると、私たちの言うことをよく聞き、前向きに頑張っているように見えます。私たちのあの手この手の戦略がやっと実ってきたのか、自分が世間からずいぶんずれている、ということを認識しはじめたようです。
入学説明会がありました。親と子が、それぞれの場所で、学校の方針だとか、スケジュールや、提出書類などの説明を受けました。終わった後、げんちゃんと落ち合いましたが、いつものように、何も話そうとしないので、
「ちゃんと報告しなさいよ。しゃべらないと、いつもの空っぽ人間のままだよ!」
と言うと、
「この学校は、遠い人は、自転車通学していい、と言っていたよ。」
と言いました。
「は? 遠い人は自転車通学だって? じゃあ、げんちゃんは自転車で学校に行くわけ?」
私はあきれて聞き返します。げんちゃんは、電車通学する予定の距離です。
「いや、違う。」
「ふ~ん、遠い人は自転車通学するんでしょ。だったらあんた、自転車で通いなさいよ!」
要は、学校に来る子の通学範囲が、中学と高校ではまったく違う、ということを、会話の想定に入れていないのか、へんてこりんなことを言うげんちゃんです。
中学なら、遠い人は自転車という表現もまかり通るけど、市外から来る子が大半という高校では、ずれています。遠い人と言っても、きちっと基準を持ってきた話し方が必要です。
たとえば、近くから歩いてくる人のうち、比較的遠い人は・・・とか。
げんちゃんは、自分が言ったことがおかしい、ということはわかったものの、それがなぜかを、説明できません。
あれこれ、すったもんだして、相当格闘したあげく、説明し始めると、
「だから、中学は自転車通学していい、」
なんて、的からぜんぜん離れた内容になってしまう。たぶん、うまく言えなかったから、落ち着きどころとして、適当なものを、自分の世界観の中からでっちあげてしまったのでしょう。
いつものことながら、話の論点がすりかわっていく、気持ち悪さに襲われます。私が、あきれて注意すると、
「あ、ちょっと混乱する。待って。書くから・・・」
とメモを出しました。
私がある程度説明した内容を、一生懸命メモ帳にしたためます。説明するための文章を書き始めました。やれやれ・・・こんな簡単なことでも、げんちゃんは、文字にして頭の中に入れないと、混乱しちゃうようです。
でも、自分が、いま混乱している、ということを把握し伝えられたわけですから、まあ進歩です。昔なら、そもそもなぜおかしいかなど、把握する気もなかったかもしれません。
前向きです。
朝は7時前に自ら起きだし、朝食を作っています。私は、せっかく気持ちを入れ始めたのに、油断すれば抜くので、継続的に圧をかけていますが、きびしめの私の圧にも反発せず、がんばろう・・・というポーズをとっています。それがポーズか真意なのか、S先生だけしかわかりませんが、まあ、良い感触!
さて、パソコン教室が始まりました。社会人がほとんどの教室の入会申し込みを、自力でやらせます。受付で、職業欄に学生と書くのを、なんと、「学制」と書いたではありませんか。
あほか~。
「ほら見てごらんなさい、ちゃんと日ごろから気持ち入れて勉強してないから、学生という、小学校1年生で習う漢字すら間違っているでしょう。ありえませんよ。普通の人なら・・・!!」
私は容赦なく、徹底的に恥をかかせます。
さらに、休むという漢字を体と書いてみたり、激しく字が破たんしていたり・・・・・ほんと、色んな場所に出して、どんどん体験させていくことで、あぶりだされる、あらゆるとんちんかん!!
徹底的に指摘です。
パソコン教室では、まず5本指での入力を習います。春休み中、毎日のように一人で行って、帰りは、パソコン教室の隣のスーパーで、買い物をさせています。ちょっとしたお使いですが、げんちゃんの常識感を養うにはよさそうです。卵っていくらくらいするのか。野菜はどんなものが売っているのか。一人で留守家庭のお手伝い全般をさせるのです。毎日色んなミッション
中学の時のように、手取り足取りするのではなく、自分でやらせる。帰ると、台所が片付いているか、布団はあげているか・・・などなど、厳しいチェック!
時々、職場からズームつないで、げんちゃんの指導をしたり・・・
夕方からは、K先生の所に行って、勉強をします。きらいな算数が中心です。逃げを克服。小学校の基本的な問題ですが、逃げるととんでもないことをしてます。
なんか、いい感じのメニューだな、と思います。
もう少し学校始まらないでほしい、そんな感じです。
しかし、こんなメニューも、ある程度のレベルにげんちゃんが来たからできることだな、と思います。やっぱり、成長しているんだろうな~。
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Mさん
お返事がおそくなってすみません。仕事のプレゼンが終わって、バテてましたー。
お嬢さんも、やはりずれますか。なんなんでしょうね。げんちゃんは、相手が何を聞きたいのか、考えようとしません。聞かれたことが、いくつかにわたったりすると、ぱっとつかめたところだけ、返してきます。
あいかわらず、人の話をしっかり聞きませんから、ぬけだらけ。
ピントもはてしなくずれる。春休みは、勉強させなきゃという私のストレスが少いので、もっぱら、生活面の指導が中心になってます。いままで、よくこんなずれかたしてて、生きてこれたよね、とあらためて思ったりします。
こういうずれかたも、とらえようという思いをしっかり出せば、改善してくるらしいです。やはり、思いが足りないんてすよねー