ママの格闘と改善のダイアリー

自分の子が発達障害?
それって何? から始まった。

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常識も人としてのところも、すべて1からのげんちゃん

  > げんちゃんは、長いトンネルの中で、一つ一つゆっくりステップを上がっています。あまりにも、鈍重に上がってくるものだから、周りは疲れ果てていますが。


 やろうと決めて、思いを入れることができると、これが、げんちゃんという人格なのかも、という彼がちらっと垣間見えます。でも、そんな瞬間はめったになく、普段ぼ~っとして、すべて他力本願、待ちのげんちゃんです。
 先日、実家に帰る車の中で、彼は、どういうきっかけなのか、気持ちがびしっと入っていました。

「僕はね、学校で一番かっこいい先生は、○○先生だと思うんだ~。」

げんちゃんは、自分の意見を饒舌に話しだしました。私はうれしくなって上手に相槌を打ちます。

「へ~・・・それって、ほかのクラスメートが言ったの?」
「まあ・・・それはそうだけど、僕もそう思う。」

げんちゃんは、イケメンというその先生を思い出しているのか、にやにやしていますが、自分の世界に入ってしまったげんちゃんではなく、ちょっぴり聡明な目をしています。
そのあとも、クラスの話や、自分の思いをささやかですが話します。やれやれ、普通の子なら、いつもこういう話をしながら、楽しくドライブをするだろうな~。私は、げんちゃんと人生で、初ではないだろうか。

「なんかしゃべって!」

とかさいそくしてみたり、

「ねえ、学校の友達と話した?」

とか、根ほり葉ほり聞き出して、やっとぽそっと一言二言話すだけのげんちゃん。なんてつまらない子供だろうか・・・と、ため息をついていました。発達のお子さんでも、饒舌に話す子もたくさんいますが、げんちゃんは、自分がどう感じるかさえ、つかめない蝋人形みたい。

 でも、ゴールデンウィークの最初の日曜日の数時間、げんちゃんはまるで普通の子みたいでした。(普通の中学生ではなく、小学生あるいは、幼児・・・といったところかも)

「僕は、精神病院に行くようになるかもしれないから、行かなくていいようにならないと・・・」
ほう!、初のメタ認知か・・・(自分を客観的に見る)まあ、この発言は、まったく自分のことをつかもうとしないげんちゃんに、危機感をあおるために、Sさんや私やK先生が、時々言ってることなのですが・・・今まで聞いたこともないような謙虚な発言! 

とにかく、素直だし、謙虚だし、こういうげんちゃんに変身するなら、なんて素敵!

でも、やっぱり、この一瞬でした。実家に帰ってしばらくすると、またぼ~っと抜けています。学習も、はなはだぶっとんで、私が叱ってしまうと、実家の母が、げんちゃんをすぐにかばうという、いつものパターン。こうなると、げんちゃんは、してやったりと、ますます助長する。

そそくさと、家に帰るようになってしまう私です。
帰って、パパに話すと、
「そこで、いっしょになって、げんちゃんを責めると効果あるんだけどね~。一方向の圧ではきかなくても、もう一方からかければ、効果ある。ヤツは抜いてるだけだから。やりゃできるってのに。」
パパも最近、げんちゃん育児に、多少は正しい考察ができるようになってきています。笑
そして、今日は、げんちゃんにあきれた事実が判明しました。

太閤秀吉が水を求めたという太閤水と名付けた井戸が、福岡の各地にあるのですが、一番近くにあるそれを見に行きました。(我が家のGWは、人ごみによりつきません。せいぜいこの程度の外出。)げんちゃんが、ある時、太閤水ってどこにあるの? と聞いてきたのです。

「ところで、げんちゃん、太閤水なんて誰におそわったの?」
とパパが訪ねます。
「え~っと、学校の先生で、社会を教えている先生。」
私は、は?とあきれます。だって、それは担任の先生ですもの。
「げんちゃん、担任の社会の先生に聞いた、と言えばすぐわかるでしょ!」
と私は、いらっとします。

が、そのあと、あきれた事実が発覚します。げんちゃんは、”担任”という言葉を知らなかったのです。え~~っ!

うそでしょ! 8年間、クラスに所属して、担任を知らない。夫婦で唖然とします。げんちゃんは、自分が聞きたいところ、見たいところ、それだけ一点を聞いて、見て、あとは、モザイクで隠されたような視野で暮らしていたというわけでしょう。彼の世界には担任も存在してないし、常識と言われるほとんどの世界が、モザイクの中!

「げんちゃん、担任を知らないなんて、おまえ、恥ずかしいぞ! 常識ってもんがないよ。担任ってのは・・・」

 説教されるのが私ではなく、パパだったので、げんちゃんは、神妙に聞いています。なるほど、私やK先生といった、いつものメンバーに言われるだけなら、自分は、常識がまったくない恥ずかしい人間だと言われても、聞く耳を持たないのでしょうが、今日は、さらにパパから、となったわけで、圧は、また別の方向からかかったわけです。みんなの言うことって本当かも、とちょっと動揺しています。おかげで、家に帰ってからの学習は、気持ちがはいっていましたよ!
 
なるほど、げんちゃんに逃げ場を作らないとは、こういうことでもあるのでしょう。実家の母一人のちょっとした発言でも、平気で逃げ場になります。


それにしても、げんちゃんは、ある意味、覚醒してきたものの、常識は一から、人としても一から・・・まるで、ロボットのソフトを一からプログラムしていくようです。
そして、最近のパパのささやかとはいえ参戦は、ほんとありがたい。。

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  1. ここあ より:

    10連休。28日から夫が出張なので我が家も家にいます。27日に娘と夫と二人でグリーンランドに行きましたが、娘はジェットコースターや海賊船が大好きです。今回も海賊船に23回も乗ったらしくて。。夫は2回でダウンしてその後一人で乗っていたそうです。目が回らないのか何なのか。。。毎日アルファベットや小学校の復習をしていますが、本当にびっくりすることは多々あります。げんちゃんが『担任』という言葉を知らなかったというのは娘にはよくあることです。何となくわかっていても説明できないという場合もありますが、本当に『何で知らないの??』と思いますし、逆に息子や普通の子供たちはどうやって知っていっているのかが不思議になったりします。知らない言葉を聞けばどうなんですかね?調べたり、場面で想像したり、テレビの中で知ったり、そういうことを繋ぎ合せていくんでしょうけど、そういうことをしないですよね。連休が終われば体育会の練習が始まるみたいで、どうなるのやら。。。

  2. glow-gen より:

    ここあさん
    中学生活、GWでちょっと一休みできましたね。
    ところで、ジェットコースターは、げんちゃんは、恐怖の対象でしたよ。少しずつ準備して、やっと克服させました。いやなことも、チャレンジして乗り越えられる、というひな型に、ジェットコースターを使いましたよ。
     椅子を回しても、目が回らないのは、げんちゃんも同じですが。最近やってないので、やってみよう、と読みながら思いました。
     担任 という言葉のことですが、やはり似たようなことはあるんですね。
    テレビ番組とかで、犯人のところだけしっかり映っていて、周りの風景にはぼかしが入っているようなドキュメンタリー番組があるでしょ。
    あんな感じなのかな、と思います。げんちゃんが見ている世界って。スポットあてたところだけ、単発。とにかく、一つ一つがばらばらで、関連性がないのですよ。
    だから問題を解くときも、前にヒントがあってもわからない。
    でも、GWに、関連性をつけながら勉強する、ってことが、少しずつ可能になってきていて、がんばってやっています。ただし、初めてのトライのようで、本人疲れるし、やたら時間がかかるし、で、きついです。
     とにかく、根気よく、関連付けるように声掛けする必要がありますよね。
    また、意識が少し入ってきたら、今までの点を、もう一度そうざらいして、ほかと関連付けるような操作が必要になりますね。今、そのときなのかな~・・・本人もきついみたいです。
     行動もすべてやりっぱなし、なので、そこを改善することも、関連付けなんだろうな、と思います。どちらにしても、本人のやる気、本人の問題意識が根底になければなかなか進みません。そこをつけてくるのに、ほんと2年かかってきた、そんな気がします。

  3. robo_223 より:

    私もroboの小学校一杯は、何から何まで私が一から仕込んでいるような気分でした。ようやく中学生になって、いつの間にか出来ていたり、少しは自分で試行錯誤して習得するということが出来るようになって行きました。

    それと同時に、確かに視野が広がったように思います。以前は筒のようなものを通して世界を見ていたような状態だったように思います。

    また、昔は車酔いしなかったのに、小学校高学年くらいから急に車酔いするようになったりと、三半規管が育って来たりしました。

    発達障害って本当に不思議ですね。やはり、その子によって、ペースはまちまちですが、改善するものなのですよね。

    私はたぶん改善を絶対させなければ!とは思っていなくて、出来れば改善すればいいなぁ、と思っているくらいなので、ちょっとの改善でも、すごく改善したように思い嬉しくなってしまうため、げんちゃんママさんより、余計改善を実感しやすいのだと思います。

    例えば、げんちゃんが最近、あまり反抗的な態度を取らないようになって来ているように思い、それは凄いことだと私の場合は感じています。たぶん絵画教室をお休みさせたり、手帳を取らせたりという荒療治が良かったのかな、と私は思います。こういう思い切ったアプローチがなければ、今頃、反抗の全盛期を迎えていても不思議ではなかったと思うのです。

    反抗期が下火になって来て、ある程度落ち着いて、物事に取り組めるようになって来ただけに、また別の課題が目につくようにもなったとは思いますが、実は着々と改善に向かって前進していると思います。

    本当に見掛けの現象だけじゃ、わからない部分がありますから、実際のところを深く検証していく必要がありますよね。

    しかも、いよいよパパさんのナイスアシストも入るようになって来たのですから、頼もしいですねー!

    2年生は、げんちゃんのコアな部分にいよいよ着手できるのではないでしょうか。

  4. glow-gen より:

    ロボママさん
    コメントありがとうございます。
    ロボ君の視野は確かに広がっていますよね。
    これは、意識で、まわりをとらえはじめていることで、どの子でも、すぐにできるわけではなりません。性格もあります。
    まわりを気にしやすい性格の子は、まわりのことをげんちゃんより気にします。だから、やり方次第で、まわりから圧をかけることができます。外に気持ちが開いているということで、成長段階では、トラブルも多いかもです。なんせ、周りの子ともかかわるわけですから。
     げんちゃんは、あるところからトラブルはほとんどありません。周りの子とは気にしない、というもともとの性格によるものも大きいようですから。
     ロボ君は、周りを気にする、というレベルと、自分を抑えるというレベルが、バランスが取れてきているのではないかな、と思いました。
     自分をおさえられのは、知的な理解もちゃんとできて、気持ちとつなげるようになっているということなのかな、と思います。

     人は、いろんな角度からいろんな見方をして、感情というものをしっかり分析できると心が安定しやすいですよね。そのためには、いろんな角度からの見方を親がもっていなければなりません。
     伝えてあげるおや自身の資質も問われます。ロボ君の成長イコールロボママさんの成長でもあるのだと思います。おもしろいですよね。

    げんちゃんの感情炸裂はおちついてきました。やりたくない、でもやらねば、のうち、やらねばの方に、軍配が少しだけ上がるようになってきました。ほんついこの頃ですが。

  5. glow-gen より:

    Kさん
    6年生になったんですね~。
    そして、学習がついていけるなんてありがたいですね。
    たしかに、げんちゃんは、やることが多すぎて、本質のことは考えていたけれど、伸ばせる部分をやっていれば、そのうち、と考えていました。でも、何ができるようになっても、本質が全然変わらないので、あぜんとしていました。意識のことは、Sさんがいなければ、気づけても、ここまで明確にターゲットとして改善できなかったように思います。

    >「コロロ発達療育センター」の「発達プログラム」という冊子を紹介したいと思います。

    紹介してくださった本は、意識は私たちは外から探るしかなくて、その集大成なのかな~、と思いました。ありがとうございます。

    思春期は、なかなかやっかいな時期です。発達のことを言わなくても、なんとかなるのであれば、ほんとにそれはすごい改善だと思います。

    万が一、むつかしいことがおきてきたときは、迷わず、本人にもまわりにも伝えて、立ち位置をしっかりして進む方が楽で、うまくいくこともあります。
    本人の伸び次第。期待したいですね。

  6. glow-gen より:

    Kさん
    そうですか~。読ませていただく限り、げんちゃんとは、ぜんぜんタイプ違いますね。お菓子の袋は、そのまま、脱いだ服もそのまま・・・げんちゃんは、終わった行為のあとしまつってものは、なかなかできませんよ。終わると、意識は、そこからなくなるようです。ちゃんと、しゃかしゃかやるなんてすごい。げんちゃんも、最近は、死ぬほど繰り返し言ってるので、やるときも多くなってきてますが。

    せかせかとした感じのお子さんって、どんな感じかな~。。小学校の支援クラスにそういう子いましたが、頭良かったですよ。意識が出ているんでしょうね。その子は、障害がよくわからなかったですよ。饒舌にしゃべっていたし。私にお世辞とか言えていた。

    中学は、学習も大事ですが、頭をもたげてきた自己を正しい方向性にもっていくことが、最も大事なのかな、と思っています。
     変なことをしまくっているのに、自分はみなと同じ。そう思ってしまうと、今後の方向性が大きくずれてしまいます。

     正しい常識感がついていないのに、学習だけできているので、自分は、ちゃんとやってると思い込む。学習ができるお子さんは、そういう落とし穴に落ち込みやすいです。勉強ができても、そういうことは、たいしたことじゃない。あなたは、正しい常識感をつけなくては、普通とは言えないよ。
     ママ自信が、この子は普通なんだと思いたい。そういう気持ちが、子供にリンクして、助長させることがあります。学習ができるお子さんの、大変なところかな、と思います。
     常識感がばっちりついてきているならば、もう、普通のレベルに入ったと言えるのかもですね。
     これからが、大きな山場ですね~。がんばってくださいね。

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