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まずは、前回の記事の続きで、先生にしたためてお願いした、具体的な指導のしかたについて、書いてみたいと思います。
1,まずは、指示を出すとき
以前一度指示した内容であれば、すぐに、回答を与えずに、できるだけ思い出させる。
先生「○○○は、どうだったっけ?」
げん「・・・・・?」
先生「×××の時間に言ったよね。」
(その時に先生に時間の余裕があれば、いくつかのヒントを与えて、必死で思い出させる。)
先生「△△について、どうすればいいか、君に言っておいたはずだよね・・・」
etc
それでも、指示した内容が分からない場合の声かけ。
先生「しっかり意識を入れて、聞いておかなきゃだめだよね。」
げん「うん・・・」
先生「じゃあ、もう一度だけしか、絶対に教えないからね。注意して聞かなければもう知らないからね」
先生「・・・・・・・・(回答を言う)」
そして、その後は、必ず自分の言葉で理解したことを言わせる。ただ、わかった、はい、でわかったと思ってしまうと、あとで、失敗がおこります。
発達障害のコアな障害の部分は、意識の障害で、普通の人は、意識をオートマティック車のように、自然と入れられるけれど、この子たちは、マニュアル車みたいなもので、自分で気をつけていなければできません。でも、自分でコントロールして、普通の子のように意識を入れることができていけば、意識の高い子になっていくと思いますので、上記のような、意識を喚起するような、声かけをお願いします。
2,自分を良く見せよう、自分がわからないこと、失敗したことを、誤魔化そうとしているとき、
「大丈夫だよ、落ち着いて、できないことは、はずかしくないよ。しっかり考えて、できるようになればいいんだよ。」
「時間がかかっても、しっかり考えて。できるようになるからね。」
とにかく落ち着かせて、軌道修正させるのが良い。
今は、げんちゃんの場合、意識を入れる時間が短く、コントロールもうまくないので、いきなり、回答を言われると、意識を駆使して考えるチャンスがなく、そのまま意識に残らず、何度聞いても、失敗する、ということがおこりやすい。そしてまた、あせった時も、正しい意識の方向性が失われやすい。
「落ち着かせる」、「少しヒントを与える」、「ちょっとしたしかけで、危機感を与える、」という行為が、心を動かすのに役立ち、意識を入れて考えるきっかけを作る。
学習に関しては、授業全般は、”メリハリ” を作ることで、意識を動かし易くなる。
たとえば、よくある知的障害児教育のように、ひたすらゆっくりする、とか、だらだら同じパターンをやらせる、というのは、意識が抜けた状態を作りやすく、タイムパフォーマンスが悪い。
たとえば教えたあと、小テストをすることを告げて、学習させたりするのも、パフォーマンスがよくなりやすい。違う内容を、短いタームでローテーションするのも、変化があり、意識が落ちにくい。
以上
やれやれ、意識の障害が発達障害、ということをSさんに聞いてから、ほんとに、私はいろんなことが見えるようになりました。意識を抜いたときは、課題を多少下げようが、うまくいかず、そのため、周りからは、ひたすらわかってない、と理解されてしまい、どんどん課題を落とされていく、という間違った判断をされやすい、ということもわかりました。
今のげんちゃんは、昔より、ずいぶん進化しているのに、なんだか、ちっとも進化していないようなげんちゃんが現れるのは、意識レベルゆえのことなのです。
くもんで、ひたすら新しいプリントをやることはできても、つまらない、”やり直し” になると、とたん、出来なくなってしまうのも、同じようなことで、できないのではなく、意識が落ちた結果だな、と思います。混乱した先生は、例によって、げんちゃんに対してのレベルを、いっそ1年生まで落としてみようか、とうなってしまうわけです。
そして、さらには、私のアドバイスや指示も、「つまらないこと」の一つと考えているげんちゃんは、何度繰り返しても、こっちのアドバイスがすり抜けるのも、よくわかります。
中学に入った緊張感は、多少げんちゃんに圧をかけて、意識が入るタイミングを増やしたけれど、まだまだ、自分の立ち位置を、正確には把握してないと見えて、上手に意識を抜いてくるさまが、私やまわりのK先生、S先生は口惜しくてしかたありません。突き抜けないげんちゃんを前に、ひどいいらだちを感じながら、それでも、あきらめず、戦っている日々です。
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確かに、小学校1年生に落としたからって、やり直しが出来るようになるわけではないと思います。課題に新鮮味がないために、意識レベルが下がってしまっているだけですからね。
課題のレベルは、低すぎても高すぎてもダメで、適切なレベルであることが、重要だと思います。
簡単過ぎると高次な脳を使わなくなって意識レベルが下がり、考えてもなかなかわからないレベルだと、脳が機能しなくなって来て意識レベルが下がります。
roboも簡単な問題に限って、凡ミスを連発するので、よくわかります。
この子達は、なかなか突き抜けないですよねー。私も全力で頑張って来ましたが、突き抜けた!と思ったことは、まだ1度もないです。
ただ、じわじわスモール・ステップを上り続けている感じだけはします。じわじわ脳機能も進化している感じもします。
一気にバーンと変化してくれたら、手応えもあるのでしょうが、本当にゆっくりの変化なので、身近にいる人には変化しているように感じられないくらいですよね。
でも、長期的な視点で見ると、相当変わっていることも事実ですよね。げんちゃんも以前とは別人のようなのではないでしょうか。roboも別人のようです。
ですから、時間はかかりますが、げんちゃんとroboはこれからもじわじわと良い方向に変化し続けるのではないか、と私は期待しています。
まずは、20才になった頃に、どうなっているかなぁ、と思っています。本当に私はノンビリさんで、6年~10年単位くらいで成長を見ていく悠長さです。すぐに変わる気が全然しないので。
でも、そのわりには、げんちゃんもroboももっと短いスパンで変わっている気もします。げんちゃん、意外と中間試験で健闘するのではないでしょうか!ワクワクドキドキですね😄
息子、小5になり、クラス変え&先生が、ベテランの女の先生になりました。
サッカーチームの子と一緒になったのですが、先日、その子が先生に怒られ、2回同じこと(別日)したらしく、席を1人だけ一番前にさせられたみたいで、学校でのことを全く話さない息子が珍しく、興奮気味に話してくれました。
息子も昨年まで、注意されていたことなので、大丈夫なの?と聞いたところ、『うん、ぼくね、我慢してる。〇〇先生は怖いんだよー』と言われました。
他の日、家庭科の授業で、教科書もしくはノートを忘れた子が数人いたらしく、先生が激怒して、みんなの前でその子達を怒ったみたいで、息子はその時は忘れてなかったのですが、次の日から『絶対忘れ物をしない!』と確認をしっかりするようになりました。
係が整理整頓係になったみたいで、自分の学校の机すらいつも汚く、大丈夫なの?って聞いたら、『今ねー、すっごく綺麗だよ。
全部出して分けて、使いやすいようにしまったからね、いつでも見てもいいよ』と言われました。
今までは、優しめの先生だったので、注意されてもなんとも思わず繰り返したり、忘れ物もとっても多く、学校の机もいっつも汚い子だったのですが、怖い先生にあたり、意識が入りやすくなったみたいです。
厳しい対応の先生のほうが息子にはあうのかもしれません。
指導のポイント、本当に的を射てると思います。
これが先生方に理解してもらって、実践していただけるといいですよね。安心して任せられます。
私もこちらのブログやコメント欄を参考にして、試行錯誤しながら、やはり同じような指導をしています。
この子たちは答えを誘導しようとすると考えなくなりますもんね。かと言って答えが出るまでただ待って入れば言い訳ではなく、ヒントを小出しにして、諦めるぎりぎりのラインまで考えさせるのは指導者のスキルですよね。すごく難しいです。
やり方を教えたとしても、その場ではできても後からできなくなることがよくあります。とにかく、頭の引き出しにいったん入れなさい。そしてそれを取り出せるようにしなさい。と言ってます。
教えたその場でできても安心できないのは、理解ではなく、たんなるやり方のコピーだからなんです。
この子たちの「わかった」は信用できませんよね(笑)もう一度言わせるというのは私もやってます。その時、まったく同じ言い方をする時があって、「自分の言葉で言ってみて」とも言ってます。
でも1年前よりははるかに意識が入りやすくなった(日によってばらつきはありますが)そして、持続時間も少し長くなったように思います。やはり成長はじわじわ〜ですよね。振り返ってみれば…って感じでしょうか。
私も担任の先生と面談しました。細かいことは何もお願いしなかったのですが、「愛ある厳しい先生」という感じで、とてもいい印象を持ちました。トラブルが起こらない限り、お任せしてみようと思います。上の方と同じように、優しいだけの先生は息子にはむいていないようです。メリハリがある方がわかりやすいのでしょうね。
ロボママさん
おっしゃることその通りですよね~。勉強のパフォーマンスは、すでに、ロボママさんはからくりに気付いておられたんだと思いますが、げんちゃんは、意思のベクトルが、もともとゼロ、という、かなり悲惨な子だったので、学習で、意識が入っているパフォーマンスがたった一つでも出てきたのが、5年生あたりだったから、入ってる時と、そうでない時を、比較すらできませんでしたよね。
意識が出てないので、自分のことも自分でとらえられないげんちゃんで、つかみどころなく、幽霊・・・そんな感じの子だったと、今となれば思います。
他のお子さんは、今のげんちゃんのステージに最初からいるような子もたくさんいて、案外、このステージは、やりにくく、一見げんちゃんより、症状がきつい、重い子だと思われたりするんですよね。
そう考えれば、その状態から、7年くらいで、意識が芽生え、自立のスタートを切ってきた、というのは、やはり、すごいことなのだと思います。
3年間、きっとまた伸びて、新しいげんちゃんになることでしょうね。自分では、ブレークスルーと思わなくても、周りから見れば、そう見えることがあるかもしれませんね。
ロボ君は、先を行っていて、育て上手なママのもと、着実にあがっていってる。成長は、一段飛ばしとはなりませんよね。すべてが、積み重ねの上にありますからね~。でも、確実に上がっていくというのは、発達の子にとっては、やはり、世の中ではありえない、こととされているのかもです。
げんちゃんもロボ君も、神様が世の中に投じた一つの石ころなのかもですね~。それならば、すべて、備えられるんだろうな・・・と思えるようになりました。
みかんママさん
まず、整理整頓の話、驚きますね~。片付けは、この子たちの永遠のテーマなんじゃ・・・と思うくらい苦労しますからね。
ランドセルの本を、そろえて持って行けるようになった、というだけで、大喜びしますからね~。中学になったら、またリセットで、ぐちゃっと入れてました。ランドセルは、ただ、訓練したイルカのように入れられただけなのかもしれませんね。自分が意識して、そこに価値を見いだすまでは、訓練したことだけ、かろうじてできるのかもしれませんね。
そして、厳しい先生、よかったですね。そうなんですよ。くもんの先生が失敗しちゃったのは、そこなんですよね。げんちゃんのちょっとおかしいところも、先生の許容量で受け入れてあげて、楽しくしてくれただけなのに、自分のすべてを肯定してくれた、と勘違いして、彼女に対しては、犬がすごい勢いでしっぽ振るようなふるまいが出ます。そうじゃないんですよね。普通の子なら、これは、ちょっと大目にみてもらってるんだ、ということを感じ取るけれど、拒否されない限り、肯定されてる、と思うのです。
だから、どちらかと言うと、きびしめに、基準をあてはめてくる先生の方が、彼らはあってます。もちろん、わかっていて、上手に緩急使い分けてくれる先生が最もいいのですけれど。
小学校の支援の先生も、男の先生の時が一番指導としては、よかったな、と思います。女の先生のように、余分なことを言わないので、彼らはわかりやすいんじゃないか、と思います。
ゆうママさん
ほんと、似たようなステージなんですね~。げんちゃんも、昔はヒントなんて出しても、こっちが疲弊するだけ・・・と言う時期が続きました。最近は、ほんとヒントに対するレスポンスが良くなっています。これは、出ないだろうな、と思うことも、それこそ、あきらめるぎりぎりまでヒント出してみると、ぱっと思い出したりします。
明らかに、よくなっている。
能力が上がってくれば上がるほど、ちゃんと普通の基準を教え込まなければならない、と思っています。ゆうママさんのところと違って、げんちゃんは、ホームスクール、支援クラス、サポートをしてもらいながらの普通クラス、生ぬるい中にいたわけです。それを、自分ができる、とか勘違いしたら大変なことになります。そのあたりであがいていたのが、中学校ショックが訪れたのは、よかったんじゃないかな、と思います。
本人の価値観や、やる気にスイッチさえ入れば、けっこういくんじゃないか~と待っています。
Sさん
小2のお子さんは、げんちゃんの小さな頃にそっくりですね。何のベクトルも出さず、とにかく、ぼ~っとしていました。
2年生の頃に、自分からくいついていたのは自転車とキックライダーでした。よく、乗せてました。あとは何かな~。・・・
こういう子は、意識がぜんぜん出てませんよね。
げんちゃんは、上学年になっても、意識というのはあまり出て無くて、自分の気持ちを言葉にするのはほとんどだめでした。
意識を出してくるためのノウハウって、難しいのですが、やはり、心を動かす体験が一番いいようです。S先生は、イルカを使いましたよね。圧倒的に大きな、自分とは違う存在を目の前にして、自分がどう感じるか、ということを感じさせたのだと思います。難しいのですが、意識って、対象物があって初めて、認識できるもののようです。
いきなりイルカで、すぐ出るというものでもないので、たくさんの体験というのが基本ではないでしょうか。
その際、ただ体験させてもだめで、言葉かけが重要です。たとえば、普通に遊園地とか、公園とか動物園とか、そういう3歳児にするような声かけをたくさんします。
どんな形? どんな感触? なぜ・・・ どう感じる?
というようなことです。中に、閉鎖していたような意識は、その中から、少し刺激され外に出てくるようになるようです。げんちゃんは、やっと出てきたから、もう、イルカは必要ない、とS先生が言ってましたね。
それと、意識には、広がりがあるので、やはり、空間認知も大事で、船に乗せる、ということ、研修でS先生はよくやりますね。なんか、そこで、こどもの空間認知がわかるらしいです。ジャングルジムなんかもすごくいいですが、最近は公園になくなってますね。
とにかく、体験と声かけ。体作り、・・・学習だけさせていてもなかなか効率が悪いようですね。
参考になるといいです。
Kさん
意識を出す声かけはとても大事で、小さな頃からできます。私は、げんちゃんが小さい頃、Sさんを変なおじさんと思っていて、色々アドバイスされていたんだけど、私はあまり聞いてなかったんですよね~。でも、今のようにわかっていたら、少しは声かけはかわっていたかもですね。
まだKさんのお子さんは、小さいので、今から、意識の部分もしっかり理解されてやれたらいいですね。
それと、S先生は、意識が出ると、海馬が動き出すと、よく言われます。発達障害の多くのお子さんは、脳の検査をしても、脳梗塞のようなダメージが見つからないことがほとんどです。S先生いわく、脳は、人間のほんの外側の一部にすぎない。意識というのが、人の人たるところなんだ、とすごく宗教的なことを言われます。そのあたりは、聖書的だな~と思って感心します。
そういう意味では、左右の脳はしっかりしたというお子さんですから、意識を早く出して、良い方向性に向かわせたいですね~。
Sさんは、ホームページもなく、オフィスももたず、色んな人助けをされているみたいです。