ママの格闘と改善のダイアリー

自分の子が発達障害?
それって何? から始まった。

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ずるをする。嘘をつく。発達障害児の事情

>今日は、発達障害のお子さんの、ちょっと困った習性について書いてみます。

以前、ある方が、知りあいに、こんな悩みを打ち明けているのを聞きました。その女性には、中学の娘さんが二人います。妹さんは、いわゆる優等生で、気立ても良く、勉強もよくできて、なんら申し分のない娘さんのようです。
 ところが、それに対してお姉さんの方は、常習的に嘘をつく娘さんで、一見はた目には、素直で良い子なのですが、とにかくあらゆる場面でうそをついて、オオカミ少年のように、すっかり信用を失っています。彼女は二人ともわけ隔てなく、同じように愛情深く育てた、とおっしゃっていました。

 その嘘は、明らかに、時間が経つとばれて、さらに自分の立場をあやうくさせるのに、その娘さんは、どんなに叱っても、さとしても、なかなか治らないのだそうです。やむにやまれず、私の知り合いに相談していたのを、たまたま横で聞いてしまったのでした。

 私は、その時、あ、そのお姉さん、きっと発達に問題をかかえているに違いない、と直感しました。

 そして、今回、げんちゃんにおきたエピソードから、私は、その時のことをまた思い出す羽目になりました。

 ある日、げんちゃんは、理科のテストを持って帰ってきました。見ると、すべて○です。でも、あれ?100点と上に書いてもらっていません。その日、理科のテストがあるのがわかっていたので、何度も予習させ、学校に行かせました。二人ともがんばって臨んだテストだから、うやむやにはできません。・・。  

 やがて、げんちゃんは、
「言っても、しからない?」
と聞きました。それで、叱らないから言ってごらん、と言うと、
「答えを見てやった。」
と言いました。え~~?どういうこと?

意味がわからないので、先生にお尋ねしたところ、次のような説明でした。普通クラスからテストと答えが入った袋をわたされ、支援クラスに来たげんちゃんでしたが、たまたま先生が席をはずしていて、袋を先生にわたせず、そのまま答えを丸写ししたということだったようです。でも、あれだけテストにそなえて学習したのになぜ? すぐに、見てやる方を選択したのでしょう。

「いい点をとると、みんなが喜ぶから・・・」
げんちゃんは白状します。

 だんだん、グレーゾーンに近づいてくると、 自分が、周りから遅れていること、周りよりできない、ということが、刷り込みのように、しみついてしまって、それを、自分で意識もするようになります。また、あらゆる場面で叱られ続けたりもしています。自分のキャパをこえて、あらゆることを期待され、できなければ、まわりから、強いバッシングをうける。

 そういうプレッシャーから解放される、手っ取り早い選択は、ずるをする、とか、ちょっとした嘘をつく、とかいう手段になるのです。また、進化した頭は、そういうごまかしのテクニックも、ものにしているわけです。

がんばる、でも、できない。叱られる。・・・そういうサイクルにさらされると、悪意ではなく、自分を守る手段として、どうしても、嘘やごまかしで、とりあえず、その場をしのぐという処世術が身についてしまうのです。しかも、時間軸の感覚が弱い子たちです。そういう嘘があとにばれたら、どうなる、とか、そうすると、どんな不利益があるとか、いうことが見えづらいときてます。

 げんちゃんは、すまなさそうに、ずるを告白しましたが、それが習慣化されるリスクも、残念ながら高いのだと思います。他にも、げんちゃんは、指導されると、いかにも、素直に納得したという返事をくりかえしたり、神妙な態度で、私の次の行動をさえぎることがよくあります。わかったのかな、と思ったら、ぜんぜんで、単にその場の逃れ術でやっていることに気づきます。最近は、私もだまされなくなりました。

 支援クラスにいると、いろんな庇護のもとにあるので、そんなに自分をつくろう必要はないかもしれません。でも、、普通クラスでで過ごしているグレーゾーンの子たちは、自分を他の子と同じように見せなければならない、ずるをしてでも、嘘をついてでも、自分が非難される場面をすくなくしたい、やむぬやまれぬ状況に追い込まれているのでしょう。

 ただ嘘つきと押さえつけて、しかるだけでは、解決しない気の毒な事情が存在するのです。

もしそうなら、まずは、その子が嘘で底上げしないで、安心して失敗できる環境をつくってやることから始めなければいけない。また、セルフイメージも高めるように、できない自分も好意的に受け入れるメンタルを与えなければなりません。

げんちゃんの場合も、普通クラスの子に対するコンプレックス。つい叱ってしまうげんママに、どうしても良いとこを見せたい自然な気持ち。そういう積もり積もった結果のインチキなのだと思います。

とりあえず、げんちゃんが安心できるように、今の彼そのものが、とても素晴らしく、どんどん伸びていくから大丈夫だよ、ということを、すりすりしながら伝えました。同時に、テストをする理由、なぜインチキをすべきではないか、ということも諭しました。

最初に書いたお嬢さんの話も、もしかしたら、発達の問題があるのに、普通を求められる生活が続き、処世術としての嘘を身に着けてしまったのかもしれないと思います。もちろんこれは推測ですが。裏をかえせば、げんちゃんのインチキ、これも、伸びたゆえのエピソードで、あるのでしょう。。

 

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  1. ゆうママ より:

    その状況、手に取るようにわかります。我が家も同じです。嘘もつきますし、その場しのぎで理解したふりもします。嘘に対してこちらが怒ると、今度は攻撃的な態度にでたり、家出の真似事をするようになってしまい…誤学習させてしまったんでしょうね。よかれと思ってやってきた、今までのやり方が通用しなくなってきた、というか間違ってたんだろうかと、迷いでいっぱいです。
    5年生になって、少しゆるめて遊び時間を確保したつもりなのですが、そうするとますます勉強嫌いになりつつあります。(学習内容が難しくなったのもありますが)私が教えようとしても、適当にながす。雑なやり方をする。投げやりな態度をとる…
    最近「その期待がプレッシャーなんだよ」とも言います。先生の耳にも入っているようで、先生からの「あまり無理させないで」プレッシャーもかけられてます。学習時間なんて今は低学年の頃より短いくらいなのに。でもきっと私の焦りや精神的プレッシャーを感じてるのでしょうね。
    おっしゃるように押さえつけて叱ってなんとかできることではないと思います。成長とともに課題が複雑になっていきますね。愚痴になってしまいました。スミマセン。。

  2. みかんママ より:

    げんちゃん、疑われて、正直に言ったんですね。偉いですね。

    今回の内容を読み、考えさせられました。
    息子は、以前は、何を言っても言葉も内容も??だったので気にしなかったのですが、最近は、ちゃんと喋れるようになり、お友達との会話もだいぶ出来るようになり、私から、「嘘?」をつくよう、言い聞かせることが多くなってました。

    勉強は、下なのですが、サッカーはいろいろやらせているので、上のほうで、そうなると、素直に言ってしまうと、他の子達の気分を害するとこにつながる恐れがあり。

    最近新しくスクールを増やしたのですが、そこが、試合も何度かあたってる強豪チームが開催しているスクールで、絶対に言わないでねときつく言っているのですが、つい、言いたくなっちゃうみたいで、ひやひやしてます。

    先日、チームとして初めて能力別に分けられたのですが、息子は、Aチームとして選ばれ、事前にAチームに選ばれても、絶対、喜んではダメと言い聞かせ、息子は、その場では喜ばず、安心していたのですが、解散となり、私の方にきてすぐ、Aチームに選ばれたよと喜んでしまい、叱ってしまいました。

    あと、背も低く、いまだに幼稚園生と言っても通じちゃう位なんですが、食べ放題とか、イベントとか、入場料が変わるところで、1年生になってから、正直に言ってました。
    店員さんのほうが逆に驚き、幼稚園生ですよね⁈と聞き返される事が多々あったのですが。
    娘は言えばわかるので、1年生の頃は何度か使っちゃったんですけど、息子は今でも無理な気が。

    「嘘」をついてほしいところもあり、「嘘」をついてほしくないところもあり。
    「嘘」って難しいですね。

  3. しょうママ より:

    周りに迷惑をかけたり、自分を後から追い詰める「嘘」は良くないけれど、人間関係を円滑にするための「嘘(本音と建て前)」はスキルとして身に着けた方がよかったりして、本当に「嘘」の教え方は難しいのですね。。
    げんちゃんは言語が強いし、コミュ力もあるので、教えたらすぐに習得する気がします。
    娘はまだ幼稚園児で、全体的な能力がまだまだ低いのでひたすら今は体づくりをベースに発達を促しているところですが、思春期になるまでになんとか善悪の判断を身に着けたり、能力アップしてほしいです。

  4. glow-gen より:

    ゆうママ
    そうですか~。読んでて心がうずきます。子供さんのキャラクターによっても微妙に違うけど、子供って、自ら、勉強や努力の必要性を感じて、エンジンがかかる子と、そうでない子といますよね~。親は、それがわかるから一生懸命やるのですが、まるで、親のためにやってるみたいな態度になります。

    げんちゃんは、幼いので、まだ、家でしたり、うざいを連発したりはないですが、そのうちでしょう・・

     そこへの対処って、どうなんでしょうね~。私は、やっぱり、他人かな~と思います。ちょっと立場の離れた大人とか、良い親戚のお兄ちゃんとか・・・先生とか。とにかく、たくさんの良い先輩たちに影響をうけるのがいいかな、と思います。
     人間関係が希薄なとこで、母子だけでやってるとやっぱり大変です。なりふりかまわず、どんどん人間関係を広げて、チームメンバーになってもらおうと思います。
     でもいきづまったら、愚痴をきいてくださ~い。

  5. glow-gen より:

    ゆうママ
    あと、やっぱり、楽しく勉強させるために、内容をステップバックするのも大切かな、と最近思います。だから、通分をきっかけに、先に進めるのはちょっとあきらめて、3年生のドリルに取り組み始めました。表紙の3年生は、いやがるのでホワイトで消してあげました。笑
     好きな教科をしっかりさせる・・・まあ、ありきたりの戦略ですが、できて楽しい・・・を味わってほしいかな。
    図工とか、音楽とか・・・もうなんでもありですね。

  6. glow-gen より:

    みかんママ
    そうですよね~。私も、ちょっとかくしておきたいちょっとしたことを、馬鹿正直に人にばらされたことあります。たいしたことではないのですが、それ言うと角がたつでしょ・・みたいなこと。
    「どうして~?」
    て不思議そうにしてました。一応細かく説明したら、ふ~ん、だって。

     馬鹿正直な一面が、良いときもあるし・・・そのくせ、やばくなるとうそをつく・・・やっぱりバランスですよね。彼らにないのは。
     なんか、進歩しても進歩しても、どこか、変なんです。笑
     許容範囲のとこまでは、ぜひぜひもっていきたいものですね。
    それにしてもサッカーすごいですね。なんか、名をなす人になりそうです。

  7. glow-gen より:

    しょうママさん
    まだまだ、基礎力のシーズンですね。大変ですよね~。幼児のころから、低学年。
    でも、そのころのいいところは、タイムリミットがないことです。中学とか、あんまり考えませんものね~。小学校は、支援にしても手厚いです。
     今、幼稚園時代に戻って私がやるとすると、やっぱり、最初に、頭蓋仙骨を持ってきたかな。げんちゃん3年で治療を開始しました。
     今ふりかえっても、やっぱり、やれることすべてやってきた思いがあって、たぶん、そのころにもどっても、同じことしかできないかな、と思います。

     運動は、もし可能なら、ボルダリングおすすめです。げんちゃんは、上半身だめだったから、くいつかなかったかもしれませんが、くいつくようなら、ボルダリングは、私の中では、相当いけてるアイテムですよ~。

     明日3回目連れて行ってきます。

  8. のの より:

    全く同じことが我が家でも昨年起こりました。
    春に普通級に戻って、二学期に入って少しした頃です。(今、記録を確認したら11月中旬でした。)

    一学期は親子共々、普通級で過ごしたり宿題やテストに必死で過ごし段々その流れにも慣れ、二学期に入ってやっとテストの点や授業の理解度などに注目できる余裕ができた頃という時期でした。

    できないのが当たり前だった自分が、いやいやなになに、ちょっとやれば思っていたよりもそこそこ勝負できるんじゃないの?!って息子自身が気付き始めたんだと思います。ある意味では良いこと、ある意味ではもちろんいけないこと。

    げんちゃんと全く同じように、漢字のテストに全問丸がついているのに点数の欄が空欄になっていました。「?」と思って聞くと、素直に話しました。(ここがこの子たちの良いところでもありますね。当時の担任の先生にもかなり褒められました。普通 自分ではまず言わない、と。)我が家も、自力で受けても楽々満点をとれるくらいしっかり勉強して行っていたので、なんでそんなことを〜?!?!って聞くと、全く同じ答えが返ってきました。

    「だって、良い点だとみんな喜ぶから。」

    息子を叱る気には全くなりませんでした。あぁ、私が、良かれと思ってテストを見せてくれるたびに喜んで褒めていたことが、意図せずこの子にプレッシャーを与えていたんだなぁと、点にこだわって褒めたことはなかったけど、この子はそう感じていたんだなぁと、こんなにこの子は誰よりもがんばっているのに、そんなプレッシャーまで背負っていたんだなぁと、心のそこから反省しました。

    なんかね。切ないですね。げんママの気持ち、あの時の私ときっと同じかと思うと、切なくなります。でも、大丈夫!きっと進化の過程で通る道であるはず!そこまで自分について意識できている証拠だと思います。何より、げんちゃんは我が家よりも2ヶ月も早い時期!(笑)

    その気持ちが、「良い点を取りたい→じゃあ、勉強しよう」になるように、今また頑張っています。去年のその時点よりも、直接的にそう思えるようになってきている気がします。ちょっとずつ、ちょっとずつ。

    お互い前進あるのみでがんばりましょう!

  9. しょうママ より:

    ボルダリングいいですよね!
    全身運動にもなるし、指先も判断力も鍛えられそうで、本当、理想的なスポーツです。
    幼児向けの簡単なものは、たまに大きい公園にもあるので見つけたら必ず娘にやらせるようにしてますが、家の近くにないのが残念です。。
    住んでいる地域にあるボルタリングジムは小学生からで、その際必ず保護者も一緒にやらないといけないらしいのですが、げんママさんもげんちゃんと一緒にやっていますか??

    先日療育センターの作業療法士さんに、今の娘(6歳)の身体機能の評価をしていただいたのですが、まだまだ3~4歳児レベルでした。
    やっぱり体幹の弱さ、上半身の弱さが原因で、指先に力があっても手首を固定できすることができず、鉛筆がうまく持てないそうです。
    だいぶ大型遊具で遊べるようになってきたのですが、持って生まれた弱い部分の改善はなかなか手ごわいです。。

  10. はるさやの母 より:

    初めてコメントします。
    先月まで児童館にパート勤めしており、来週から特別支援教育サポーターとしてお仕事を開始致します。

    現場によって求められるサポート内容は異なるので、一概に言えないと思いますが、「こうして欲しい」とか「こういうことには気を付けて欲しい」など教えてください。

  11. glow-gen より:

    ののさん
    そうですか~。やっぱりみんな同じなんですね。
    順調な進歩と言うべきかもしれませんね。ありがとうございます。げんちゃんは、ホームスクールで、あまり学校に行ってないので、遊び時間は、すぐに支援クラスに行ってしまいます。そのあたりを見ると、やっぱり、どこか垣根があるのでしょうね。自分への自身のなさは半端ないような気がします。何をやらせてもぱっとしないので、自身の持ちようがないよな~・・・と思います。何か一つでも、抜きんでてできるものがほしいな、と思います。

    頭そのものがよくなる方法・・・ないのでしょうかね。いつも思います。
    とにかく、自分が背負ってきたテーマと、等身大で向き合うしかないから、卑下することもないし、特別に、誇大に見せることもないし、たんたんと・・・と言うのは、大人でもむつかしいことですからね。
    まあ、自分を好きになってもらいたいですね。時間はかかるでしょうけどね。でも、子供さん、とっても伸びてますね。ののさんの頑張りの成果ですね。

  12. glow-gen より:

    しょうママさん
    ボルダリング、私もいっしょに始めました。どこに効くか、とか、詳細に知りたかったので、自分も研究目的に始めてみました。(笑) 思った以上によかったです。何がいいって、腕だけではなく、首や頭をささえている筋肉、ひいては、顔につながる筋肉、指先までの筋肉、そのすべてに筋肉痛がおこります。ということは、普段、なかなか鍛えられない筋肉を、ピックアップしたような鍛え方です。しかも、山をのぼるみたいに、イレギュラーな力のかけ方や、重心・・・しかも、自分の限界を読んで、どのコースをチャレンジするか、失敗したら、今度はどのように、攻略するか・・・頭で、というより、体が考えます。
     もっと早くに取り組めばよかった・・・と思います。

    でも、げんちゃんは、たぶん、幼稚園時代は、食いつかなかったと思います。よじのぼる筋力も何もなかったからね~。数年前から取り組めたんじゃないかな、やっていれば、と思います。その子が、少し努力すれば取り組めることしか、子供はできません。はるかに、むつかしいことはだめですよね。
     子供さん、幼稚園時代に取り組めてたら、しめたものです。やるチャンスあれば、ボルダリングはいちおしだな~と思います。

  13. glow-gen より:

    はるさやの母さん
    そうですか~。がんばってくださいね。子供たちのために。
    一番先生に求めるのは、お母さんたちに希望をあたえてほしいです。専門家が、「この子たちはやれば治っていきます。」と、教えてあげてほしいです。
    一生、知的障害はかわらない、と関係者にがっかりさせられてきてるので、あきらめているお母さんも多いです。
     そして、知識をつけて、取り組もうとするお母さんに、たくさんのアドバイスをあげてほしいです。
    なぜなら、家でのプロジェクトを組み込まないと、学校や公共の施設でのプログラムだけでは、あまり進展を望めないからです。ぜひぜひ、お母さんたちをはげまし、その気にしてくださいね。
    それから、現場では、その子にあった、体のプログラムを作ってがんがんやらせてほしいです。未就学の時代は、まず、体だからです。
     それから、マッサージをやってほしいです。それは、家でもやらせてほしいです。原子反射がたくさん残っている子供たちです。がんがんマッサージをすると統合していくところが多いです。

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