ママの格闘と改善のダイアリー

自分の子が発達障害?
それって何? から始まった。

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権威主義と枠概念。障害児の親に多かったパターン

マクドナルドの職業体験

以前ブログに書いた、大ちゃんのことを書きます。
彼は、16歳の男の子です。両親が離婚されたので、おばあちゃんとお父さんの家庭で育っています。とてもやさしいいい子で、兄弟もいます。
彼は、げんちゃんといっしょに、体操を習っています。

勉強はげんちゃんより、できます。特に算数は、くもんで、中3の計算をやっているらしいです。算数の文章題は小学生レベルですが、すごいもんです。
他の科目は、そもそも、学校の支援クラスで、理科も社会も教えられず、カリキュラムもゆるゆるだったので、できのほどはよくわかりません。

しかし、最近でこそ、げんちゃんの会話力はあがってきていますが、中学のころなど、彼の方が、物事を的確に伝えることができていました。もちろん、時間把握なども、げんちゃんよりはるかに先を行っていました。

欠点を言えば、少し多動があって、きょときょとした感じがあります。とても心配症で、新しいところに行きたがりません。

彼が高校に進むとき、私は、大ちゃんなら、色んな可能性を考えて、高校資格が取れるところがいいんじゃないか、と思ったのですが、パパが、
「高校に行って、その先どうするというのか?」

と、がんと言い張って、職業訓練に特化した高等支援学校に行かせました。

最近、げんちゃんのアルバイトに触発されて、大ちゃんも、マクドナルドでやっている、職業体験と言うのに応募しました。なんでも、マックは、30分だけの職業体験ができるそうです。
大ちゃんも、とても楽しみにしていました。なんで、30分?という疑問はあるのですが、させていただけるのはありがたいです。

段取りをととのえ、学校に報告したところ、なぜか学校側に拒否され、その話が流れました。

全く解せません。学校を休むのがだめというのでしょうか。職業体験は、彼の行っている高等支援学校の目的そのものでしょうに・・・

お父さんは、とても頭が固い方で、学校がダメと言うなら、だめだ、と、すぐにあきらめました。そもそも、そういう企画も、他の家族が考えたものでしょう。
パパは、学校にクレームを言ったり、交渉したりすることを、昔から拒否します。
彼にとって、国とか、学校なんていうところは、絶対的な権威であるようです。昔から、学校を休んでも、価値のあるイベントなどに誘っても、学校を休むことをがんとして許しませんでした。

その頃、見るからにいい加減な、支援クラスのカリキュラムしかしてなかったというのに、・・・

日本の学校教育の弊害

大ちゃんのパパに限らず、日本人は、権威というところにめちゃくちゃ弱い人が多いように思います。権威筋が”いい”と言うことは、いいんだ、”だめ”ということはだめなんだ、と、あっさり受け入れます。

自らの頭で、何が正しいか、ということをあまり考えないようです。考えていても、権威が言うことには平気で飲み込まれます。

そして、そういう人は、皆が行く方、皆が選ぶ方が正しい、という価値観をもっていることも共通しています。そのことがほんとに正しいかどうか、より、みんなが行く道の方を選べているか、と言うことが大切です。

コロナの場合なら、コロナが、うつるうつらない、などという真実よりも、(あてにならない)マスコミがどう言っているか、と言うことが大事なようです。

パパの、「高校に行って、その先どうするんだ!」
という発言は、彼の権威主義をとても表していると思います。

高校に行く、そのあと大学に行く。もしくは、普通に就職できる。その力がないのだから行っても無駄。この子は障害児なんだから、手っ取り早く、障害児として仕事につながるコースを選ぶ。
とても、ステレオタイプです。

ある意味、彼の思想はとてもわかりやすい。日本人は、学校で、ステレオタイプな教育を受けます。自分で判断することよりも、教えられたことを教えられたとおりにして、自分を型にはめていくことをよしとします。まるで、優秀な奴隷を作るような教育だな、と、思います。

どう生きるか、何のために働くかの方が大切

何の職業につくか、とか、どうやってお金を稼ぐか、と言うことは考えるけど、どう生きるか、何のために働くのか、というような問題は考えさせることは少ないです。

だいちゃんは、たぶん、障害児枠でなくても、単純作業の仕事から出発して、うまくはまる仕事をステップアップしていける子だと思います。比較的簡単な仕事の場所で、がんばって光っていれば、やがて、社会保険付き、正社員の安定した会社に、障害者枠でしっかりスカウトされることもあると思います。
今は、障害者枠を企業も増やさなくてはならなくなっていますし、そもそも日本は人手不足です。

会社も障害者を採用しないといけないのなら、しっかり働ける優秀な人材を取りたいでしょう。障害者なのに、枠概念を持たず、普通の人ともタイにがんばろうとしている人がいたら、採用したいと思うでしょう。

最高にがんばって、人として輝いていれば、なんだっておこりうるということです。

パパには、”障害児の”大ちゃんしか見えないのだと思います。大ちゃんの中身、すなわち人としての中身より、外側が見えるのでしょう。
権威というのは外側です。彼は、子供も外側しか、見てないんだろうな、と感じます。

そういう人は、意外と多いものかもしれません。大ちゃんの中身を見れば、もっともっと可能性があると感じます。
権威と枠概念・・・これらはセットだと思います。とてもつまらない。

学校に行けば行くほど、そういう刷り込みができてくるのなら、学校なんて、適度に行っていればいいんじゃないかしら・・・どっぷり足を染めなくても・・・昔から、そんな考えの私です。

何が大切か、何が本質か・・・どう生きていくのか。なんのために働くのか、人も自分も、どうやったら生かせるのか。私にとってはそれが一番興味深いことです。

いや、げんちゃん育児をしている間に、それが明確になってきたのかもしれません。

公開コメント 承認後公開

  1. stairs より:

     いつも更新を楽しみに、また記事から学ばせていただいております。
     軽度知的障害の我が子は、一般受験を経てこの春から高校普通科へ進学します。げんちゃんブログを、おおいに参考にさせていただきました。
     進路選択にあたり、心理士、先生方からは支援校進学を薦められました。心理士は「プロはリスクを嫌う。選択にはよりリスクの低い方を薦める」と言われました。
     でもリスクってなんでしょう。本人が自分なりに悩み、考えた末の選択で、何かあっても解決しようと考えて行動するのなら、それは成長の道筋であり、リスクとは言わないのではと思います。
     例え不登校や退学することになったとしても、本人が現状を変えて解決したいと決めたことなら、それは失敗ではない。
     我が子に辛い経験や悲しい思いをさせたくない気持ちは分かります。大ちゃんのお父様のお考えもわかります。
     子育てとは、親子ともオリジナリティが求められるもののようです。根底には子どもを信じることが必要で、そこが揺らぐと型に嵌めた子育ての方が安心できるのでしょう。
     げんママさんも、そして僭越ながら私も、膨大な労力と時間をかけて障害児教育をしてきましたが、常に試されているのは親の子どもを信じる気持ちの強さとオリジナリティのような気がします。

    • げんちゃんママ げんちゃんママ より:

      stairさん
      コメントありがとうございます。
      いつも読んでくださって、ほんとに感謝いたします。

      それから、お嬢さんの受験合格も、おめでとうございます。ほんとにがんばりましたね~。
      ブログを拝見しました。国語の勉強、なるほどな~と思って見ました。自分が話した言葉を、書きとめ、それを読ませる。
      よさそうですね~。げんちゃん、支離滅裂ですから・・・
      心があるのに、どこに行ったかわからないようなげんちゃんが、心を感じ取ってくるようになると、言語表現が、とても人間的になります。昆虫げんちゃんが、少しずつ人間になってくる。そうすると、国語は教えやすいと感じます。

      お嬢さんは、げんちゃんより、頭がいいな~と思いました。まるでレベルが上だな~って、感心しました。
      げんちゃんは、受験の頃、偏差値低めの普通の高校でも、まったくかすりもしませんでした。今もです・・・笑
      第一まだ、せいぜい小学校の低学年か中学年くらいの文章がやっとです。

      げんちゃんより魂の幽体離脱が大きいお子さんをあまり見たことがないのですが、そんなげんちゃんでも、こつこつやってきて、まったく別人になっています。

      この子は、いいものを持っている、やればなんとかなる、というハートがないと、この育児は、ほんとに続きませんね。
      それって、考えてみると、私の場合、この子を私におくりつけてきた神様への信頼が根底にあるような気がします。

      信頼をしているので、上手くいかない時も、へっちゃらで神様に激怒したりして・・・
      私の気持ちをぶちまけます。周りがどう思うかとか、普通はどうなのか、とかいうことは考えず、ひたすら神様との会話になって・・・
      どうやったら改善するか、何をすればいいか、どうげんちゃんに対応したらいいか、それのみを考えて、雑音が入るひまもなく、必死でやらないと、振り落とされるような感じです。

      時々色んなアイデアや、助っ人が現れるもので、そうなると、お~、神様ありがとう! 
      ですね。

      子育てのオリジナリティー、確かに、子供の個性がみな違うので、原則論はあっても、それぞれ自分の子にやっていくことは、試行錯誤になりますね~・・・
      途中挫折してもぜんぜんおかしくないような子育てです。子供の成長が何よりのごほうびですね。
      高校楽しみですね!

      お嬢さん高校で飛躍すると思いますよ~。

  2. 夏みかん より:

    ステレオタイプの男の人、うちの旦那さんがそれっぽいところありますね(~_~;)
    トップアスリートやノーベル賞を受賞した人などの世間からはみ出たエピソードが大好きなのに、自分の子どもになると楽しめない(笑)息子といつも「頭硬いよね〜固定観念強いよね〜」って言ってます!子どもに関しては私が主導権を握っているので(笑)パパは、はみ出した生き方を見守る姿勢となってます。だいぶ寄り添ってくれるようになったなーと思います。

    障害があっても普通級や普通学校を選んでいいという活動をしている方が知り合いにいます。お子さんが今20代後半で、車椅子で小学校普通級へ入学。支援級すら無い時代、肢体の子は支援学校が当たり前だったけど、何故選べないのか、選んではいけないのかと行動したお母さんです。声を上げるだけじゃ時間がかかり過ぎるし、やってみないとお互いに本当に必要なことがわからない、だから一緒に過ごして、問題が出てきたらみんなで考えて解決していこうと。お互い心地良く暮らすために、どんな工夫ができる?と話し合うは、障害の有無に関わらず、人間社会の基本じゃないかなと思います。そんな社会が当たり前な時代が来てほしいですね。

    追伸:バターサンドは冷凍して食べるのがオススメですよ〜!長期保存もできます^ ^

    • げんちゃんママ げんちゃんママ より:

      夏みかんさん
      確かに、発達のパパさんの方が、発想の転換が難しいことが多いような気がします。
      女性は、一般的には実際に育児担当者のことが多いので、考え方が硬直していても、それではなかなか通用しなくて、考えがだんだん変わっていくことがありますね。
      まあ、子供と一緒に成長するんですよね~。パパも少しずつは成長しますから、夏みかんさんのご主人のように、見守りながら、内部変革していっているのではないでしょうか。

      私は昔から、型にはめられるとうまくいかないタイプなので、集団の中では落ちこぼれです・・・しかし、発達育児では、そこが生かされます。そもそも、世間では、スーパー落ちこぼれ君ですからね~。笑

      生涯を持ったお子さんでも、ある程度知的活動できる子を、別枠にするのは、ほんとに悪いことだと思います。第一、その子自体、つまんないんじゃないでしょうかね~。
      小学校の頃は、げんちゃん、普通クラスに入れないで、という時期もあったので、柔軟に対応できるのが一番いいな~と思います。
      しかし、日本は、とにかく財政破綻とか言って、国民をおどし、国民のためにお金を使わない国になっているので、これから、制度がよくなっていくのは、なんだか考えにくいですね~。

      頭も硬直化して、お金も使おうとしない。日本は、こんな国じゃなかったはずなんですが・・・やはり、戦後の受験エリートに国を預けた結果、こんなになってしまったな~と思います。
      発達障害の子から、日本を救うすごい人材が出るといいな~と思います。
      バターサンドは、冷蔵で食べました。なんせ速攻食べちゃいます。冷凍するのが待てないくらい。笑笑

  3. ゆうママ より:

    本当にね。硬直化した考え方は可能性を狭めてしまいますよね。
    でもなぜか、障害は受け入れるもの、子どもの能力をあげたいと奮闘する親の方が批判するされるのですよね〜?なぜなのでしょうね。

    • げんちゃんママ げんちゃんママ より:

      ゆうママさん
      そうですよねー。もちろん、障害を受け入れるとこから始まるのですが、そのあと、圧をかけるか、かけないか、の違いですよね。
      すべては、個性、とするのは、日本の戦後の左翼思想かな~。
      個人尊重を声高に教えられてきましたからねー。私達。
      おかげで、こんな国になったよなー、と思う次第です。
      どう生きるか、が抜け落ちた結果、障害は個性、かえてはいけない、ということなのかなーと思ったりします。
      いろんなことに通じますよね❗

  4. げんちゃんママ げんちゃんママ より:

    非公開Mさん
    進学おめでとうございます!
    好きなことをさせてあげる、と言う条件で、塾ががんばれたりするところが、げんちゃんより、やはり、かなり上行ってるところだな~と思います。
    そもそも、げんちゃんは、そういうモチベーションから作り出す必要がありますし、まだまだ、今でにぼんやりです。

    ママは、ステレオタイプ、とありましたが、普通はそういう方が多いですよ~。だって、学校でそう教育されてきたのですから・・・
    家業もけっこう関係しているかもしれません。
    サラリーマンや公務員のご家庭は、ある程度、太いものに巻かれる。というのを強いられます。
    それがしっかりできて、要領がいいと出世するのだと思います。
    私の実家は自営業なので、親もまったくはみ出すことに違和感はないようでした。
    むしろ太いものが嫌い、って感じです。
    高校は、学校をけっこう休みがち(月2二日)だった私でしたが、親は、ふ~ん、って感じでしたね。でも、長いところに巻かれて行った方が、早道のところもあるので、融通無碍’(ゆうづうむげ)がベスト、こだわりがないというのが、私の理想です。

    この子たちの育児って、やはり、融通無碍にならざるを得ないとこがあって、ステレオタイプだと思っていても、普通のそれより、ずいぶんおおらかになっているのではないでしょうか。

    それにしても、好きな特技が、今後もどんどん進化するといいですね~。遠方の学校というのも、時間管理がよくなったり、生活環境が広範囲になったり、成長を後押しします。楽しみですね。

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