picture byげんママ
合格通知が届いた日
げんちゃんは、先日調理師専門学校の面接を受けました。それに関しては、親はまったく学校とコンタクトとっていないので、障害のことなどは言っていません。普通に受験させていただきました。
それからしばらくして、げんちゃんのもとに合格届が届けられました。
放校されることがなければ、なんとか、調理師専門学校に2年通わせたいと思います。ほんとにありがたいことだと思います。学校に迷惑がかからないように、また私たちの全面援護となるような気がします。
げんちゃんのような子であれば、まともに試験をしたら振り落とされるに違いないのに、とりあえず入れていただけるなんて、学校に足を向けて寝られない気分です。
しかし、この合格届が来た時点からも、げんちゃんは全くの不思議ちゃんでした。
舞い上がるげんちゃんと、母の現実的な言葉
合格証書を手にしたげんちゃんは、私の職場に電話をかけてきました。
げんちゃん「合格通知が送ってきたよ。」
私「ああ、そう。それは良かったわね。あなたが努力したというより、どの子も先着で入れてくださるありがたい学校なのね。あなたの実力で勝負するのであれば、試験のあるような学校だったら、絶対通らないから。
お母さん、先生方、みんなのおかげで合格できたのよ。そこはちゃんと認識しないとね。」
本当にすぐ舞い上がって、すべて自分の手柄だと思ってしまうげんちゃんに、こういうセリフを言わなければいけないのが、毎回めんどくさい所です。
パパに報告しない不思議行動
その夜、私よりもパパが先に家に帰りました。当然、げんちゃんは合格証書を見せ、私に伝えたのと同じようにパパにも合格を伝えるはずだと思っていたのですが、パパに聞いてみると、
「え、そうなの?知らない」
と言うではありませんか。げんちゃん、呆れることに私に言ったらそれで終わりと思ったのか、パパには何も言っていなかったのです。
入学の意思を伝えないまま過ぎていく日々
しかも、私が帰っても、一向に合格届を、私に見せる気配がありません。
ほんとに驚いてしまいます!
入学金の手続きなど、一応げんちゃんは、同封された書類には目を通していたようです。
普通だったら、すぐに私に書類を持ってくると思いませんか?
まあ、いつものことながら、普通の子が、絶対にするだろうと言う行動を、ことごとく外してくるのがげんちゃんです。ため息が出ます。
私は試験を受ける前から、げんちゃんに、何度もこう言っておきました。
果たして、普通の調理師専門学校に、あなたがついていけるのか、今のあなたの様子を見てから判断します。と。
どうも調理師専門学校の話が持ち上がって、げんちゃんは、また親が入れてくれるんだ、くらいの横柄な気持ちがありました。それゆえに、そのなめた様子に危機感を抱いて、私が決めることだからね、と釘を刺し続けていたのです。
いつも抑えていないと、立ち位置感覚が、指導者より上に来てしまうような子です。言葉が達者ではないので、しゃしゃり出るようなことを言うわけではありませんが、言葉の端々に、自分の身勝手な判断や、高い立ち位置が漂ってきます。
本来なら言うべき「入学をお願いする言葉」
合格を電話で伝えたら、常識的なつながりを追って、行動しなくてはなりません。
1,合格証書を見せる。
2,私に学校に行かせてほしいと頼む
3,私が許すなら、手続きをお願いする。入学金を収めてもらうようにお願いする。
4, 入学に向けて準備する。
もちろんこの中には、父親にも同等のことをするのは当然含まれています。もっと気の利いた子なら、先生方に感謝の言葉を伝える、なんてこともしっかりできるでしょう。
それでも言えず、ついに出た「お金を下ろしてください」
しかし、げんちゃんときたら、最初の1の行動で止まってるのですから、びっくり!
証書もこっちが言わないと見せない、次の言葉、
「お母さん、調理師専門学校に行かせてください。」
もない!
とうとう業を煮やして、
「あなた、私にまず言わなければならないことがあるのでしょ!」
とすごめば、げんちゃんはかなり困ったように考えたあげく、突然、口を開きました。
「お、お母さん、お金を下ろしてくださいっ!」
もうびっくりするやら呆れるやらです。すべてをすっ飛ばしてお金をおろせ!
また、こいつの、身勝手で立ち位置の高い、先走りが出ました。
呆れるやら疲れるやら。そんなところで こんなとんちんかんが出るなんて、だれが想像できるでしょう! ほんとに、げんちゃんの心の異常は、発達障害の中でも群を抜いていると思います。
発達障害特有の「つながりを考えない」行動
S先生も呆れていましたが、明確に説明してくれました。げんちゃんに限らず、げんちゃんタイプの発達障害は、物事につながりをつけていく・つながりを考えるということを非常に苦手とする。
自分の好きなことだけ、興味のあることだけ拾って、時としてそれらを勝手につなげる。ほんの些細なことでさえ、つながりを考えないから失敗する。その一つの表れだというのです。
合格した。
次は報告する。
合格証書を見せる。
そして「合格したんだから入学させてほしい」と言う。
入学金を納めることを頼む。
――こういう当たり前のステップがあるのに、全くそういうつながりを考えないから、突然「お金を下ろしてくれ」という珍行動になるのです。
入学金の締め切り直前になってようやく出た一言
どこまでいっても本当に厄介な人間です。しばらく入学金を入れず引っ張っていましたが、げんちゃんは日々、普通の子ならするであろう「お母さん、お願いします。僕は行きたいんです。入学を許してください」というような嘆願は希薄です。こっちがどうするの?と聞けば、
「絶対に行きたい、行きたいです!」
と訴えますが・・・・
とうとう入学金の締め切りが来るころ、げんちゃんは、職場に電話してきて、
「入学金の締め切りなんだよ。あの、僕、行きたいのでお金を納めてください。お母さん、僕は調理師専門学校に行きたいんです。」
と言う。ま、少しは人並みの感情があるのだろうか? 少しは行動できるんだ、と少し確認できたけど・・・げんちゃんの心の欠落には驚くばかりです。
これからの課題と、親の気持ちの変化
しかし、果たしてこの人が、どこまで学校についていけるのやら。
しかし、とりあえず、この3月までの間は、調理師専門学校になんとかついていけるようにする、という目標ができたので、ありがたいです。エネルギー全開です。
げんちゃんのモチベーションという意味においても非常に良い課題ではあります。
げんちゃん自身も、やはり、次のフェーズに行っている感触はあります。
これからどうなるかわかりませんが、3月までの一日一日、全力疾走です!
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