ママの格闘と改善のダイアリー

自分の子が発達障害?
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数学の問題は、意識レベルを維持するのに良いかもしれない。

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げんちゃんが因数分解にトライするなんて、中学入学の時は考えられない。・・・

 げんちゃんは、遠目に普通っぽく見えますが、ちょっと圧をかけてみると、彼が、何にも関心なく、ぼ~っと、気持ちを抜いていることがすぐに発覚します。


中三の数学は、因数分解をやっています。中学一番の山、と先輩ママに聞いていました。
無理かなと思っていましたが、いざ中三になってみると、げんちゃんには、とても良い教材になっていました。

問題の式を、上の写真の、左の式の形にまとめて、右の形にかえるという勉強です。

この問題を解くには、いくつかのステージを踏んでいかねばなりません。

1、問題が、どの公式にあてはまるか、検討をつける。
2、検討がついたら、式を該当する公式の左の形にまとめる。
3、左の形にできたら、次は、aやbにあたる数字を見極める。
4、右の式におきかえる。

げんちゃんからすれば、途方に暮れそうな、ステップをたどっていかなくてはなりません。

彼の問題点がとてもよくわかります。

げんちゃんは、やりながら、自分の立ち位置がわからなくなるのです。つまり、意識を抜いた状態で、恰好だけ適当にやるので、自分のやっている目的が、消えてしまいます。

たとえば、どの公式に当てはまるか割り出して、その形にしようとしているのに、途中からぼんやりしてきて、自分が何をしているのか、立ち位置が消失します。

そうすると、自己都合解釈が炸裂し、適当なでっち上げを始めます。

「げんちゃん、今あなたは何をしているの?」
と私は聞きます。

因数分解を教えているというよりも、意識を入れ続け、自分が何をしているか、つかんだ状態をキープさせることを訓練している感じです。
「今、何をやろうとしているの?」

たたみかけるように質問していきます。げんちゃんは、ピンボケのレンズで何でも捉えます。数学の問題は、それがよくわかります。
因数分解のどの部分をやっているのか、目的は何?と聞いているのに、

「え?因数分解やってる~・・」

と、抽象的な解答をしてきます。焦点を合わせる気がない、と言う感じです。

「因数分解ねえ・・・じゃあ今あなたはその式を因数分解するために、何をどうしたいの?」

私は、ピントをぐいぐい絞らせます。何度も何度も私に質問され、時には喝破され、だんだんげんちゃんの回答が、的に近づきます・・
「え~っとこの式が~・・・」
「この式って何?」
「〇X+▽X+b=っていう式が~、この式になるようにしてる。」

的を絞るためにしている質問に、ただフリーズするだけのげんちゃんだったのが、少しずつ、言葉を紡ぎ始めています。

”a+bが12になって~、abが20になるのを探している・・・”なんてことを、たどたどしく、言います。

「”a+bが12になり、しかも、abが20になる二つの数を探している” と言うのよ。言ってごらん。」

げんちゃんは、自分の気持ちさえ、きちんと表現できない子だったので、数学の表現など、たいして持っているわけではありませんが、それらしいことをたどたどしく言います。

もちろん、因数分解が何なのか、腑に落ちるとこには行っていないけど、自分が今、何の目的で、どのような手順を追おうとしているか、捉えることを通して、自分のピンボケ状態を意識することができるのです。

因数分解なんて。将来使うとも思わないけれど、今げんちゃんにとって.、えっちら数学の問題に取り組ませることが、逃げを克服することと、意識の焦点を合わせ続けること、目的を意識すること、そのような訓練の材料になっています。

前回やったことの上に、次の問題があるのに、意識を抜くと、彼は、そのつながりを捨てようとします。

「前にやったことと、この問題はつながっているのよ。なんでも、すべてつながりがあるの。あなたは、すべてばらばらに捉えて平気でいるけど、それは異常なことよ!」

こういう、普通なら言わなくてもわかるような訓戒を、げんちゃんは必要とするようです。その言葉で、少し彼の意識が働きます。

まあ、教える方は、相当な忍耐を要します。タイムロスも大きいです。でも、意識の抜けたげんちゃんに、上から振りかけてやるような勉強法は、今のステージ、無意味です。

まだまだ、げんちゃんは、本質のところで逃げているし、自己都合解釈で、利己的に動く性質が顔を出します。(マイルールで、好きなように回答して、平然としている。)

それらを克服する意味で、彼が疲れすぎない時間、数学を取り組ませるのは、役に立つと感じます。
昔のようにシャットアウトしなくなっているし、驚くことに、基本的なことがざっくり入っています。(学校の先生とK先生の努力でしょう!)

げんちゃんは、伸びると、伸びる前のレベルのことを、抜いた状態でやろうとします。能力が高くなっているので、意識を入れなくても、形だけは、ルーティンにできるのです。
しかし、そうなると、その行動は、ただやっているという状態で、目的は捉えられていません。

普通の指導者は、彼の能力を、意識を抜いた低い状態に合わせているので、外側だけを見て、これくらいでしかたない、とスルーします。そういう指導者だと、せっかく伸びたのが落とされます。

優秀な指導者は、げんちゃんの心を見ます。抜いているのを発見して、外側がなんとなくできても、決して良しとしません。目的を捉えていない行動は合格点ではないのです。

そういう指導者の下においておかないと、こちらの努力もむなしいことになります。なかなか、げんちゃんを指導できる人は多くはないでしょう。

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