自転車屋さんに一人で行かせる
◇げんちゃんは、ある程度のところまで行ったけれど、ここで止まってしまえば、本質はまだまだかわっていない、やや、ましなルーティンがこなせる知的障害児にすぎません。
まだまだ、心の底からの意識が出ていないです。
先日、学校から帰った時に、自転車のスタンドが壊れてしまいました。自転車は動いたので、すぐに自転車屋さんに向かわせました。
しばらくして、げんちゃんから電話がありました。
「あの、お金が足りなくて、明日になるって・・」
「はあ?」
つまり、げんちゃんが持っていたお金では足りなくて、今日支払いができなかったら、引き渡しは明日になるってことでしょうか。
私は、はじめっから、今日中にできるとは思わなかったので、あす引き渡しの時にお金を払うだろう、と思って、お小遣いを補充していませんでした。
というか、本来、そういうことも気づいてほしかったので、本人にすべてやらせてみました。
私は、げんちゃんの電話を受けて、
「今日してもらえるの?」
と聞きました。げんちゃんは、何かまた、係の人に聞いたみたいです。
「お金が足りないんだよ。」
私の問いに、なかなか焦点を絞って話ができません。
「わかった、私がすぐに、今からお金を持って行くから、待っときなさい。」
げんちゃんは、わかったと返事をしましたが、
「8時までに来ないとできないんだって。」
と連発します。車でそっちまで行くのは、5分くらいの道のり、8時まであと1時間もあるのに、げんちゃんは、係の人が言うことをただ連呼してきます。
「だから今から行くから、すぐにつくでしょ!」
と私は言うのですが、係の人から言われたことと、私が伝えたことを総合して、どのように、向こうの人に対応すればいいのか、というようなことを、考えようとしません。
まるで、的が定まらない。
向こうの人は、閉店時間を気にしているんだから、
「母がお金を持ってすぐ来ます。近いから。5分くらいしかかからないので、大丈夫です。」
そんな風に、お店の人に言えば終わりです。
それなのに、お店の人の言うことをただオウム返しに、何度も電話口でまくしたてています。
ちょっと気持ちを使って、的をとらえて、関係を考えれば、何を言えばいいのかわかります。
でも彼はしません。”自分の意志でちゃんとつかむ!”
ということを放棄します。
お店についてから、げんちゃんに、それってどういうこと? 何を言えばよかったの?
そういう感じで、指導します。
いつもそうです。
げんちゃんは、色んな事に関して、自分が形式的にしか、かかわかろうとしないことを、今一つ把握しません。
彼は気持ちを使うのはめんどくさいので、そういう表面の理解をつなぎ合わせて、自分は、がんばっているとか、勘違いしているようです。
そして、あとから説明してやれば、
あ、
と気づく。少し自分に圧をかけて、真意をとらえ、つながりをとらえることをすればわかるのに。
これをやらない。真意がわからなくてもへっちゃら。
気持ち悪くもない。ただその場でなんでもポイっと捨ててしまう。
彼は、すべて表面で動くのです。
昔と違って、説明したらわかるし、説明しなくても、誘導すればなんとかできる。でも、、自分でそのきっかけを作ろうとしない。
表面でしかやっていないのに、自分は中からやっていると平気で錯覚する。
あと少し、楽をせずがんばろう、と決めるだけなのに。
ここからの階段をなかなか登ろうとしないげんちゃんです。
また、こんなこともあります。そろばんに決まったお月謝をもたせていたら、なぜか400円お釣りをもらって帰りました。
何のおつりなのかさっぱりで、げんちゃんに聞いても、??
彼自身も、あれ?と思ったようですが、またそこでポイっと捨てたようです。
指摘すれば、やっと、もっと、なぜかな、と追及する気持ちが、足りないんだよ。ぼくは、
と、少しは反省してはいましたが・・・この階段を上るのは一苦労です。
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ごぶさたしてます。中学3年、支援学級に通う子供の父、あつぞーパパです。
>「母がお金を持ってすぐ来ます。近いから。
>5分くらいしかかからないので、大丈夫です。」
>そんな風に、お店の人に言えば終わりです。
今回のブログでげんちゃんが自転車屋さんで適切に説明ができなかったようですが、うちでもよくありそうなことなので、とても身近に感じました。
げんママさんはげんちゃんが上手に説明できなかった理由を、意志が足りなかったと考えてらっしゃるようですが、げんちゃんのコンデションはどうだったのか気になりました。
うちの場合、コンデションが悪いときは能力がガタンと落ちます。具体的に言うと、朝の眠たいときや夕方の疲れたとき、そして季節性のものがあげられます。私は登校前と夕方に勉強を教えていますが、あまり効果がなくて弱っています。また季節で言うと5〜6月は全くダメです。コンデションが悪いときは勉強がダメなのはもちろんですが、感覚過敏が出てきますので、それが判断材料になっています。
定型成長の子供や大人も当然、朝、眠いときや夕方、疲れたときはパフォーマンスのダウンがみられます。しかし彼等のダウンを10%と考えた場合、私には発達障害の子供はざっくりですが、40%ぐらいのダウンに感じられます。
以前、げんママと発達障害の子供は、たまに脳が<省エネモード>になってパフォーマンスを発揮しないとコメントのやり取りをさせて頂きましたが、この省エネモードにはコンデションが関係しているように最近は感じています。
あつぞーパパさん
こんにちわ。お元気でしたか。コンディションまさに、直結ですよね。
うちも、朝はルーティンはこなすものの、とんちんかんが炸裂しますね。
そして、やはり眠い時や、気持ちを入れてがんばったあとなど、ダウンです。
中学の前半は、コンディションをかなり意識してこっちも指導するような部分がありましたが、今は、コンディションが悪くても、気持ちを入れ続けるということを強いています。
そこを突破すれば、普通の人のように、多少のコンディションに左右されず、最低限の判断や行動がうまくできると思います。
げんちゃんと言う子は、あまりつぶれることがなく、体力的にもタフなので、最近は、あまりコンディションを気にしなくてもいいようなステージに来ていると思っています。やっと。
でも少し前なら、がんばらせて、疲れて落ちると、なかなか上がってこれないことがよくありました。
今は、自分の強い意志力さえあれば上がってきます。
それを出さないので、いつもこっちは頭にくるんですよね。
お子さんによってステージがいろいろで、そこをしっかり把握しながら指導されているのはすごいですよね。
克服するとは、少し我慢して、がんばる、という量のコントロールなんでしょうね。やりすぎると、つぶれたりして効率悪いし、ゆるめすぎると、踊り場から抜け出せなかったり、落ちてしまったり。
お子さんの耐性も、個々に違うので、その子の状態を見ながらやる必要がありますよね。
たまに、ユーチューブを見せてヨガを10分くらいさせます。本人気持ちいいらしく、いやがりません。実際私もやりますが、ほんとにす~っと抜けるのがわかります。
朝は無理ですが、そう言うものも入れて行くといいかな~と思います。
げんちゃんはジムに行くのが好きで、自分でリセットされる感覚がわかるのかもしれません。
自分でそういうコントロールもできるようになってほしいですよね。
何年も前の我が子と比べると確かな成長を感じるけど、伸びがゆっくりなところはヤキモキしてしまいますね。何かの我慢レース!?なんて思ったり。
それで、当の本人はどこ吹く風で我関せずだったりしますから、当事者意識の低さに愕然とさせられたりします。
息子もやはり正確に的を捉えにくいところがありますが、出方が出すぎタイプだからでしょうか、考え過ぎてズレていきます。思考が止まらなくなって、頭の中が多動になってます。
げんちゃんもうちの息子も自分だけでは間違った方向を選択しがちでも、相当こちらが働きかけてだとしても、親など他者の言葉を聞く耳があるというのは絶対に良かったと思います。というか、そのように育ててきたのですよね。
自分勝手、傲慢さを持ったまま大人になって、その場しのぎのオンパレードでも自分が正しいと思い込み、モラハラなどと言われる事態を招くことも多々みられる気がします。ですので、指摘や誘導から気付ける力、振り返る力があるというのはとても素晴らしいことだと思います。
いろんな状況を総合的に判断して、自分がどう行動したらいいのかを考えるということが苦手ですよね。うちの息子もそうです。人の頭を使うというか、自分で考えようとしない。できないのか、自信がないのか、面倒なのか?
でも今思えば、小さい頃から考えさせることをあまりしてこなかったなぁと反省しています。今でこそ昔と比較したら成長したと思いますが、小さい頃はとにかく私の言う通りにしなさい!という感じで育ててきたと思います。その頃はできないことが多かったしそうするしかなかったのですが、いつのてにかそのパターンが身についてしまっていたのかもしれません。
高2になってなんだか停滞中です。だらだらして自分の世界に浸ることが増えてきたような…それを咎めると、私の声をさえぎって聞かないようなふりをしたりします。クラス替えをして、どうも馴染めていないような感じもあって(というよりも、小馬鹿にされてるような…)聞いてもはぐらかすので、ちょっと心配しています。げんちゃんの学校はやんちゃな子はいませんか?