>げんちゃんは、1学期でも、自分の考えていることを、きちんと言えない。ちょっとしたことを報告するのでさえ、なかなか難しい。そんな子でした。
もちろん普通にしゃべっているようですが、どこかふわふわしていてとらえどころがありません。
ところが、昨日、変化していると感じるできごとがありました。
げんちゃんの学校で、体育の時間に、バスケットボールをしたようです。げんちゃんは、その時、どうも、ルールもわからない、自分がどう動けばいいかもわからない状態だったようです。小学校時代はサッカーをさせていたけれど、ルールのことなんて、たいして意識にひっかけたこともないような子だし、つながりを見いだすことはまだまだ苦手ですから、バスケに応用することもできません。
事前に、教科書で、ルールを学んでいたようですが、もちろん、理論的なことを把握することは無理だったようです。
そんな状態で参加していると、ついには、周りの子からバッシングを受ける状況になったようです。
どの程度のバッシングなのかはわかりませんが、げんちゃんの心に圧力をかけるに十分だったようです。
げんちゃんは、困ってしまって、次の行動に移りました。合間の時間に、先生にルールを聞く。(明確にルールを意識して聞いたのかは不明ですが、先生に対して、何らかのアクションをおこしたのでしょう。)それでも、彼に言わせると、あまりよく教えてくれなかった。
とにかく、少々のことがおこっても、ただ、ぼ~っとして、聞かれても、ただ「はい」かたどたどしく、ぽつりぽつりと、単語を発するにすぎないげんちゃん。そういう姿しかイメージできない私。先生に、聞いた場面なんて、言われても、想像すらできません。
さらに驚くのは、げんちゃんが体育のあと、そのことを捨て去ってしまわずに、なんとかルールがわからないかと、教室で体育の教科書を開いたということです。結果はわからなかったにしても、私はイメージできません。
おまけに、げんちゃんは、このあと、支援クラスの先生に、ことの顛末を自分の言葉で、長々と説明したらしいです。
支援の先生は、げんちゃんの訴えを聞き、ちゃんと状況が把握できたようです。先生は、げんちゃんが、自分の困ったことを、伝わる言い方で、先生に伝えてくれたことを、連絡帳で感動をこめて報告してくださいました。体育の先生に伝えておきます、とも。
そして、その日の放課後、K先生のところで、また、そのことを長い時間をかけて聞いてもらったようです。
「勉強より、今日は、こっちが大事と思って、1時間くらい話していました。」
げんちゃんの伝えたことの中には、以下のようなことが盛り込まれていたそうです。
「ボールをどの方向に投げたらいいのかわからなかった。」
「周りの子に怒られた。」
「僕は、どうやったらいいか、わかろうとして、体育の教科書を一生懸命見たんだけど、わからなかった。」
「みんなは、親切じゃない! 先生も、教えてくれなかった。」(状況はわかりませんが、げんちゃんが納得するほどはつきあってくれなかったのでしょう。)
K先生は、これは、色んなことを教えるチャンス、と思ったようで、その話を広げていったようです。
今まで、野球も、サッカーも、ルールのことをまったく考えず、ぼ~っと取り組んでいたこと。ルールを読み取る意識の働かせ方をしていたら、きっと、今回は、ある程度読み取れたんじゃないかな。ということ。
また、もし、げんちゃんが、普通クラスの子の立場なら、クラスにいる支援クラスの子に、自分から親切に教えてあげるだろうか。
すると、げんちゃんは、いや、そうはしてないだろう。と答えたようです。
ならば、周りの子が、小学校の時みたいに、いつも親切に教えてくれるなんて、、決して当たり前のことではなくて、特別にしてくれていたんだ。ということも気付かせたみたいです。普通の世界というのは、そうそういつも、皆が親切に自分のためにやってくれるものではない。
わからないことをそのままにしないで、教科書を見たこと、先生に聞いたこと、それは、げんちゃんにとってはすごい進歩で、良いことだと励ましたようです。
そして、最終的に、普通の世界とは、自分で何でもやっていかないといけない世界であり、そこで生きていきたいのなら、ちゃんと、自分のことは自分でちゃんとできなくてはならない。
そうなると、げんちゃんは、今から何をすべきなのか。げんちゃんの、未来のイメージまでつながっていったようです。
時間はかかったけれど、今、やっている学習、指導されるちゃんとした日常生活、そういうめんどくさいことすべて、すなわち、自分が目指そうとする自分につながっている、そういう風に漠然とでも、とらえられたんじゃないでしょうか。と先生はおっしゃっていました。
そのあとの学習は、来たときは、だらけていたげんちゃんが、一瞬だけV字回復したのだとか・・・
確かにげんちゃんの意識は今までより外のことをとらえようとしています。また、自分がどう感じている、というのを、以前より、つかめてきているようです。
バスケットボールはこれからもあるので、どう自分で開拓していくのか、見守りたいと思います。
しかし、げんちゃんに冷たかった(と本人は思った)学友も、支援の先生ほど関わって下さらない(当たり前だけど)先生も、良いきっかけになっています。そろそろ、少しはクラスで、痛い目にあって、本人が自分をフィードバックするチャンスがあればいいのにな~、と思っていたところだったので、よかったです。
私がかけようとしてもかけられなかった、成長のための圧が、これから、いい感じで、普通クラスでかかっていくといいです。やはり、家庭学習も、学校生活も、何もかも、げんちゃんには、はずすことができないものばかりなんだな、と思います。
少し、はらはらするかもしれませんが、ここで、ぐっと成長してほしいです。
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確かに、こういった出来事はメタ認知につながりますよね。やっぱり友達に言われるのが、1番響きますからね。
げんちゃんの偉いところは、こういったことがあった時に、相手に言い返してケンカしない上に、自分なりに改善しようと、先生に相談したり、教科書で調べてみたりしたところだと思います。
たいていの場合、怒って来た友達に腹を立てておしまいか、うじうじしておしまいです。げんちゃんはそのどちらでもなく、建設的な考え方をし、具体的な行動に出ることが出来ました。
感心するばかりです。
また、今回のようなことがきっかけで、どうして今まで、周囲の人達がげんちゃんに色々働きかけていたのかということや、一般級でやっていくということがどんなことなのか、ということが少しずつ、わかっていくかもしれませんね。
一般級で遜色なくやって行っている発達の子に限って、「自分は個別支援級の方が適しているんじゃないか。」などと、親に相談して来たりすることがあるのもわかりますよね。
小学校3年生から一般級に転籍し、問題なく一般級でやって行っている女の子など、今は4年生なんですけど、「みんな、すごく頭がいいの。私は中学から個別支援級に行った方がいいかな。」と言ったそうです。そんなことが言えるからには、一般級で大丈夫だよ!と私は言いました。自分は、努力しないと、ついて行けない!とわかっているし、謙虚な態度で過ごすことが出来ているからです。
げんちゃん、精神的に伸びて来ていますね。
バスケもサッカーと似ていますよね。
お友達怒ったのではなく、たぶん勝ちたくて熱くなって、アドバイスが強い口調になっただけだと思います。
そういう子はしょっちゅう見かけます。
父母の応援でも口酸っぱくプラスの声かけなどなど言われ続けますが、つい熱くなってしまうと、大きな声やきつい言い方がでる父母も、コーチも結構います。
私も一生懸命我慢してますが、それでもたまーに出てしまうので、言ってしまう気持ちもよくわかります。
そんな中、息子は、チームの中心選手ですが、どんな時でも責めたいい方はせず、常にプラスの声かけしかしなく、珍しいほうです。
怒ったように感じた言葉は、子供達にとっては、教えてあげようとしたアドバイスのはずです。
それと、ここに投げるとかの動きを教えるのは難しいと思います。
バスケやサッカーは、相手や味方が常に動くので、状況が目まぐるしくかわり、同じ状況はなく、野球のようにここに投げればいいというものでもありません。
サッカーでは、動きを教えると言われた通りしか動けなくなるのでよくないとも言われます。
バスケは、体育館だし、少人数だから、フットサル並みに戦況も変わって、スピーディーで、少人数だから一人一人の責任も大きいのでしょう。
げんちゃん、刺激を感じたんですね。
バスケの動画や試合を見れたりするといいですね。
成長、楽しみですね。
友達の放った一言で げんちゃんの心が動いたのですね。良かったですね!げんママさんの願っていたことがおこりましたね。
思春期男子、親の言うことは 小言くらいにしか受け取ってもらえなくなりますものね。その点友達からの言葉はガツンと響きます、成長のチャンスです。
今回 そのチャンスを無い物にせず、生かせたのは、げんちゃんの成長ですよね。自分で教科書を調べたり、先生に聞いたり、助けを求めたり。しっかり「自分の頭で考えた」行動でしたね。
げんちゃんの成長にワタシまで嬉しくなりました涙
せっかちなワタシは、次は友達に教えてもらう行動に移せれば 友達関係も変わってくるのかも!なんて期待してしまいますが、先ずは一歩ずつですね。
今後の展開がとても楽しみです😃
ロボママさん
ありがとうございます。
げんちゃんが、少し進化し始めてから、(5年の最後くらいでしょうか)げんちゃんが、自分で方向性をさだめることができず、マイナスの方に、行こうとするのと戦っていたように思います。でも、やっと、マイナスの方が切れていって、プラスに向かう方が定まってきているように感じます。それゆえに、げんちゃん自身もエネルギーロスがおこりにくくなっているのかな~と。
思春期は、プラスの方向性に向いて自分が進める、ということまで突き抜けていけば、人生のスタートは、うまくいくのかな~なんて、感じています。それは、普通の子も同じでしょうか。
だから、マイナスに行くものは、極力あたえず、周りからはストイックにうつっていたのかもしれません。
今回も、少し前のステージなら、友達を悪く言って終わり、とか、スルーする、とかで終わっていたと思います。でも、プラスのベクトルを自分がつかんできたゆえに、良い対処法ができたのだろうと感じてます。本人の性質によるところではなく、やはり、今までの働きかけの蓄積があってできたことかもしれません。
発達障害のお子さんでも、小学校の頃から、少しはメタ認知できる子もいますね。自分の立ち位置を少しはつかんでいる子は、社会適応もしやすいでしょうね。
成長が見られると、ほんとうれしいしほっとします。
みかんママさん
たぶん、普通クラスでは、日頃は、圧があまりかけられていないのかもしれません。それなりに、みんなほっといてくれる、というか。親切ということはなくても、げんちゃんに強い圧はかけてこない。でも、競技となると、おっしゃるように、皆も必死だから、強い言葉で、叱咤激励、ということになります。
今回は、これがとてもよかったんでしょうね。競技中は、みんな緊迫してますからね。
しかし、お子さんは、すごいですね。持ち味なのでしょうか。それとも、ママの教育のたまもの? おだやかに、チームメートを導くなんて、やはり、サッカーの色んな能力がばっちり備えられていますね。将来サッカーの方に進むような運命があるのかな~?
げんちゃんは、野球の方が好きといいます。たしかに、サッカーやバスケほどめまぐるしくないです。
ただ、ボールを追う、自分の方にゴールする。基本は単純かもですが、人の動きを読んで、スピーディーに判断、ということは、最も苦手とすることですからね~。
昔、アナログのサッカーゲーム器(ボールをアナログで打って、盤面を動かす物)買って教えようかな、と思ったことあったのですが、くいつかなそうだったからやめました。今なら、そういうの、少しはくいつくかもしれませんね~。なんか、アナログがここは良さそうな感触があるのですがどうでしょう。
動画もいいですね。ちょっと見せてみます。ありがとうございました。
ひつじさん
ありがとうございます。
そうです。げんちゃんの世界では、今回のことは、ほんとに新しい一歩です。小学校の頃は、
「あ~やりたくないな。」
で終わるし、ドッジボールなんて、うろうろして、どこかへ逃げ出してました。翌日また体育があったのですが、とくに、いやだな~とも言わず体操服着てました。
でも、強く、自分と周りの子との能力差も感じたようで、翌日は、「普通クラスに行きたい!」とすごいエネルギーで言ったのでしょうね。
確かに、今、動いてるな~と思います。新しい進化がどんどん出てきたらうれしいでしょうが、S先生によると、突飛なものがちょこちょこ出てくるから、驚かないように、ということになるのでしょうか。
そして、次の目標が、普通クラスでの友達ですね。
勝ちたい!という気持ちがそこまでないのか、他の子達の動きまで考えるサッカー理解度があまり高くないのか、どちらにしても、サッカーの選手にとっては、あまりよくないことなので、いつかサッカーでは通用しなくなると思います。
息子、逆にコーチや6年のエースや、相手チームなどなど、サッカーやってるので、ひどい言われようもしょっちゅうありますが、全く気にならないようです。
それが嫌でサッカーやめた子達も何人もいるし、喧嘩やファウルなどなどもあります。
息子は全く気にしないようです。
先日教室で、問題児の子が他の子と喧嘩して、その子に棒のようなものでなぐりかかろうとしたみたいで、息子が止めに入ったらしく、逆に殴られてしまったそうです。そんなの時でもやり返したりしなかったようです。
問題児の子は、今までも暴力ふるったり、暴れるので、その子のこと嫌いな子も多いのに、息子に聞いたら、殴られた後なのに、僕は嫌いじゃないよ。普通だよって言ってました。
家にいる息子なんで、小さい頃から暴力暴言ひどいのに、外では全然違くて。
二重人格かしら?
みかんママさん
げんちゃんと、おそろしいバトルをしていて、なかなかPCに向かえませんでした~。
げんちゃんは、意識が出てきたことで、ちょっと上がったと思ったら、すごい態度になってきて、もう私も疲弊します。
みかんママさんのお子さんは、ソーシャルが、ほんとにすばらしいですよね~。仲裁に入ったり、メタ認知ちゃんとできてる、ってうらやましいです。
勝ちに対するどん欲な気持ち・・・そうですね。サッカー選手ならいるのかもですね。そのあたりのバランス、ほんとに、大人でもむつかしいですよね
相手のことを拾うアンテナが、わりとざっくりしているという感じなのでしょうかね。それは、裏返すと、気づけない、ということもあるのかな?
しかし、それもバランス。極端でないのがいいですよね。
げんちゃんは、あまりにも、鈍感で感じにくい・・・
きついです~。
お子さんも、家では暴力暴言・・・・ほんとママ大変ですよね。そこをどうやって流しているのか・・・すごいな~と思います。
私は、うんざり感がひどくなって、もう、テストの粉飾決算はやめた! と思ってます。ほっといたら、まわりに迷惑がかかるのがげんちゃん・・・手を貸して、粉飾決算をするのなら、もっとかわいげのある態度をとれよ~っと、言いたいです。
すばらしいじゃないですか!!
本当に凄いですね。
今までで、ダントツで凄いと思います。
ママさんも、嬉しいですよね。
自分で調べたり、先生に聞いたり、支援の先生に説明をするなんて事は、我々発達育児の親からすれば、憧れの目指すところの行動ですよ。
自ら行動を起こせる人間へ近づいていますね。
今回の事件は、げんちゃんにとって、大きく働いてくれましたね。
今後もクラス行事などあるでしょうから、そこでも圧がかかるチャンスですね。
親が教えられないこと、いっぱいありますもんね。
ちなみに、このような競技はめまぐるしく状況が変わるので、とんちゃんはまだまだ無理です。
ポートボール、いや、ドッジボールも無理です。
先日、とんちゃんに「なぜご飯を食べるのだと思う?」と聞いても、無回答…
頭にきたので、「今日の夕飯は食べなくていい。食べなかったらどうなるかわかるから」と言い、食べさせませんでした。
しかしその後マッサージを受けながら寝てしまい、食事をする意味も分からず翌朝を迎えました…
トホホです。
うちはまだまだです。
深くに埋もれた意識を引っ張り出すのは、本当に難しいですね。
とんままさん
げんちゃんは、少し意識が出てきたし、感情をしっかり感じるようになっているので、感情と、それを理性的にコントロールする意識が錯綜するようで、今は、ほんとに大変な時期みたいです。
この場合でいうと、クラスメートが、親切じゃない、とか、先生が教えてくれない、なんていうのは、感情です。
お そこから、自分で対処しようとして考えたのは、意識。
今回は、たまたまいい方向にいきました。
しかし、これはたまたま・・・このすぐあとに、感情が平気で一人歩きし、自己中の権化のようになって、私をほんとに、どっと疲れさせています。
私はうるさい。別に、私などいなくても困らない・・・ほんとにそういう感情に支配されているようだし、いない状態が想像できないようです。
自分が、不愉快だから、これはしなくてもいいんだ・・・なんか、すべて、そういう横柄さで支配されています。
まるで、ステージダウンのように見えますが、実は、感情を昔より、しっかりつかんできているのだとか。
ほんと、勉強どころではないくらいやばい状況です。
うもれていた意識が出てくると、今度は、けっこう恐ろしい状況になる。感情も、なんとなく、ぼんやりしかつかんでいなかったのが表にでてきて、しかも、それを抑える意識は、兆し程度しか出ていない。
ここで停滞するなら、げんちゃんは、よく報道されている肉親殺しの犯罪者になる可能性は十分にあります。
なぜごはんを食べるの?
そんなこと聞いても、げんちゃんは、ずっと言えないままでした。今は、少し言えると思いますが、聞いても、フリーズする。のが目に浮かぶ。そんな子であり続けてましたよ。
ドッジボールも6年でやっとなんじゃないだろうか・・・なんとなく参加できる、というだけですけどね。