>げんちゃんは、春休みにサッカーの合宿に行きました。サッカーなんか絶対無理、という段階で、サッカークラブに入門させたのが、1年の夏だから、もう7回目の合宿です。
もう、そんなに心配することもなくなって送り出せるようになったげんちゃんですが、やっぱり、普通の子というわけにはいかないようです。
彼は、合宿前、あれほどシュミレーションしたにもかかわらず、お風呂上がり、前と同じ下着を着ていました。お風呂セットの袋に入れた下着はいつもそのままです。今度こそは、と思ったけど、今回もだめでした。
下着だけでなく、練習着も、翌日、同じものを着ているようで、いつも、たくさん持っていた荷物はそのまま持って帰ってくるような有様です。
先生に合宿の様子をお聞きしても、まだ、チームと足並みをそろえた行動はできないようで、一人ふらふらっと、よそのチームに間違って行ってしまったりするようです。まだまだ、上学年の子にサポートされてるみたいです。会社組織で経営してるサッカー教室なので、福岡中から生徒が集まる合宿です。別に、団体行動できないというわけではないのですが、周囲を見渡して行動を修正するということは、当然ながら不完全のようです。
やれやれ・・・
情けなくて、げんちゃんが帰ってきて荷物整理してて、ちょっと怒ってしまいました。
でも、今回の進化もあります。
前日に自分である程度、合宿の準備をした点です。やはり、少しずつは改善点が見られます。合宿中の練習も、先生によると、がんばっていたそうでした。昇級テストみたいなのがあるのですが、それも、忘れた頃に、ぽつん、と昇格してきたりしてます。
サッカーは、指導者がよいので、げんちゃんは、そこでたくさん伸ばしていただいたと思います。
翌日はホームスクールでした。ホームスクールでは、最近、小学校お受験の問題集を初めにやります。数のジャンルが、今まさに、げんちゃんにあった問題だと思いやってます。幼稚園児が取り組む問題としては、ハイレベルなものも多いですが、やってると、げんちゃんの根本的問題点があぶりだされてくるようです。
こういう問題がありました。
「男の子と女の子が、階段でじゃんけんをしてます。勝ったら2つ階段を上り、負けたら一つ降りる。じゃんけんの結果が3つ書いてあります。最後に、男の子のいる場所に丸を書き、女の子のいる場所には三角を書きましょう。」
まあ、こんな感じです。
げんちゃんは、さっと読んで、さっと回答しました。いやな予感・・・彼が、書いたのは、丸だけです。しかも、勝ったら2つ登りと書いてあるにもかかわらず、1つ登った計算で答えを出してしまいました。
やれやれ・・・・まあ、期待はしてませんが、親としては、切ないものがありますね~。
この問題には、4つの要素があります。
1 勝ったら2つ上がる
2 負けたら1つ下がる
3 男の子に丸
4 女の子に三角
げんちゃんは、このうちの2つのところだけ抽出して答えてました。
もちろん、何度言っても、問題に線をひいたり、メモを書き出したりすることはしません。ただ一人で、もくもくとやりはしますよ。
げんちゃんのサポートに入って、問題を読み直してもらい、メモをしていくと、
「あ~・・・」
と叫んで、ばたばたやりかえています。
別にわからないわけではないのです。以前なら、自分で修正はできなかったかも・・
でも、また同じよう条件の多いものが出てくると、ハムスターみたいに、右往左往するのです。
サッカーのお着替えができないのも、このお受験の問題も、つまるところ、ワーキングメモリーが不足しているのだと、げんママはふんでいます。これをワーキングメモリーと呼ぶかどうかの真偽はおいとくとして、お受験の問題で言うと、げんちゃんは、出題された4つのメモリーに注意をはらい、うまく、コントロールして問題解決していく能力がいちじるしく劣っているのです。
私たちが仕事をする上でも、たくさんのこなしていく課題が多ければ多いほど、失敗やミスが多くなります。このワーキングメモリーを(ここでは便宜上そう呼びます)駆使しないと、複雑な仕事の段取りなどできないわけです。
それができない人は、どこから手をつけて良いのかわからなくなり、パニックになったりするだろうし、そこからチョイスして、やりたいとこだけやって、あとはわからな~い!となるかもしれません。
それがまさにげんちゃんでしょう。
それは、文章を読むときでも同じです。文章の前半に書いてある内容を、後半にきたら忘れている。文章の概要ではなく、ローカルな単語だけが、そこから抽出されて一人歩きすることもあります。
げんママが、げんちゃんにお説教してるときでも、それが露呈します。何かにたとえて、教訓をたれたりしたら、なんと、たとえた何かの名前だけが一人歩きしたりします。なんで、そっちの方向に話が持って行かれるの?・・・
てね。
たとえるなら、劇場で、私たちは、薄明かりをつけて、演劇を見てるとします。客席もまあまあ見えるし、主人公も見える。主人公にスポットがあたってるので、そこを重視する見方もできる。だけど、げんちゃんの劇場は、真っ暗な中で、スポットひとつ、気まぐれに、主人公でもないとこにあたります。客席のある人物にスポットがあたったり、たまには、脇役にもあたる。
そういう有様です。そして、そのことは、症状としては、注意欠陥ということにつながっていくのでしょう。
なんか、やれどもやれども、効率が悪く、げんちゃんの能力の根本がまったくかわらないような気になる、諸悪の根源のような気がします。
う~ん。何をやったらいいのだろう・・・・げんママ、またため息とともに、ない頭で絞り出してる日々です。
敵はげんちゃんの人格ではなくて、彼の、ワーキングメモリー・・・ちょっと、彼に対して、嫌気がさしてたここ数日間。敵の正体をつきとめ、頭をまとめる必要を感じます。
今は、正念場なのかもね~。げんちゃんの工作は、あいかわらず、駐車場のみです。てほどきすれば、色々作れるようになってきたけど、一人でアイテムを与えると、このパターンの駐車場しか作りません。このあたりも、段取りができないげんちゃんの能力を表してるのかな、と思います。ほんと、伸びていかないところです。
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はじめまして。
ブログを拝見させていただきまして、ブログ主様と息子様への接し方に大変勇気づけられました。
私は小学4年生の娘の父親であり、母親が育児放棄気味で代わりに勉強をこの春休みに見ていたのですが
余りの出来なさっぷりに発達障害を疑い、色々とネットで情報を検索しておりました。
そんなときに、このブログを読みまして、ブログ主様の子供への献身的な姿勢を読ませていただき、大変感激いたしました。
教えても教えても、湯水のごとくすり抜けて翌日には忘れている
そのときの無力感よくわかります。
私も今日、一日十、ずーっと同じことを教えておりましたが
(面積の単位のあたりです)、夜中に
とんちんかんな回答をして、もう投げ出してくなりました。
でも、このブログを見て、げんちゃんママ様の徹底ぶりを見ると自分の未熟さ加減が良く分かりました。
まだやれることはある、根気よくやることの大事さを
教えてもらいました。げんちゃんの成長ぶりを見て
勇気づけられました。
おそらく、げんちゃんはこれからももっともっと賢くなるんでしょうね。
自分の背中を推してもらえた気がしたので、エールを書いておきます。本当にありがとうございました。
春ですね。息子は春休みも毎日運動三昧でした。一人でも色々な場所に行けるようになったのでこちらの負担もぐっと減りました。テニス、乗馬、スケート、サッカー、柔道、水泳、ダンス、かけっこにアスレチック。2週間にぎゅっと詰め込みでやらせてみました。技術的なものはともかく、体力だけはついて、三年生は一年間体調も崩さず皆勤賞でした。通知表の体育の欄だけ見ると、まるで運動の得意な子みたいです。
ですがやっぱり縦笛で引っ掛かってしまいました。指が全然動きません。リズムがとれません。一定の強さで息が吹けません。発達障害発見器みたいな楽器ですね、縦笛って…。
今年は微細運動を面倒がらずに頑張っていこうと思います。
のぶなりさん
コメントありがとうございます。こちらこを、はげましていただきました。
育児放棄気味・・・わかります。発達障害児を持てば、育児放棄か、もうばりばり取り組むか。ただひたすら受け入れるか・・・パターンは、それぞれです。
でも、ばりばり取り組むと、人生も充実するし、子どもも改善しますよね~。
うちは、パパは、放棄ですよ。私にまかせっきり。素晴らしいですよ。パパさん・・
どちらかの親ががんばって、もう一方はまあまあ、それくらいで、丁度よいこともありますよね。
とにかく、パパが前向きで、子どもさんほんとによかったです。
今から発達障害を疑う、と書かれておられるので、程度も、げんちゃんなんかより、ずっと良いのかな~とか思って読んでました。
げんちゃんに取り組んでると、辟易して、うんざり。こんな子、生むんじゃなかった・・と日々思いますよ~。
それでも、あきらめることはありません。もう課題が難しければ難しいほど、私は、燃えるのかな~。ははは・・・マゾヒスティックだな~。私は。
また、がんばって変わっていく様子、書き込んで下さいませ。楽しみにしております。
MTパパさん
すごいすごい!!
粗大運動完了ですね~。順調な滑り出しですね~。微細運動は、スムーズに上がっていくと思います。
まずはひたすら粗大運動ですものね。
げんちゃんも、微細運動を今つめてるとこですが、あらゆる場面で、あ、まだまだだ、粗大運動、とか思うときがあります。
前後上下左右、統合されてるようで、あれと思うこと多々あります。
この子達のトレーニングは、常に、先に進んで、また後戻り、しっかり押さえて、そこから、またさらに、ぐんと進む。
とても地道ですね。新しい学年、色々心配多いですが、とにかく突き進みましょう。
初めまして。僕は大人になってから広汎性発達障害だと診断されました。
げんママさんの書かれている、げんちゃんの行動の特徴の大部分は僕にも(未だに)あります。
ここに書かれている特徴はそのまま僕の幼年期のようです。
発語が遅く行動や思考に合理性が伴っておらず、ものに対して偏執的な興味の持ち方を示しました。(僕の場合はカレンダーの数字や曜日)
ただし僕はげんちゃんと違って、知能検査の結果ワーキングメモリの数値は人よりかなり大きかったそうです。
IQも人並み以上だと言われました。でも、ハッキリ言って僕の人間としての能力はこのブログで述べられているげんちゃんそのものというレベルです。
会話を最初から最後まできちんと記憶して自分への指示や期待を読み取る能力というのは、ワーキングメモリだけの問題ではない気がしています。
げんママさんにはワーキングメモリの少なさが全ての原因に見えるのかもしれませんが、僕のような例もあるということで書かせていただきました。
突然の長文失礼いたしました。
コバさん
書き込みありがとうございます。確かに、発達障害と言われる方の中には、いわゆる知能指数という評価では、普通の人をしのぐ人がいらっしゃることは知っていました。仕事上で出会う患者さんも、一流大学の大学院とかに在籍されていたりします。それでも、この方は、明らかに、発達障害では?と思われる人も幾人か見て、ちょっと私の理解は混乱してました。
ソーシャルの能力って何なんでしょうね。げんちゃんは、少なくとも、IQが上がるとともに、ソーシャルも改善してるので、わかりやすいと言えばそうなのかもしれません。
何か、解決策になることがあったら、また教えて下さい。ありがとうございました。