色々家事はさせていますが、探求するってことがないです。ただやったというだけ・・・
トモキ君と二回目のおでかけ
トモキ君に遊んでもらってから(前、前々回のブログ)、私はもう一度げんちゃんにトモキ君を誘うように、促しました。
私は、秋めいてきた海浜公園に二人で行くのはどうか、とげんちゃんにアドバイスしました。げんちゃんは、言われるままに、ラインでメッセージをトモキ君に送ります。
最初は、トモキ君は、
「考えておきます。」
と返事を返してきました。
考えておきます、というのは、断りに使える言葉・・・私は、トモキ君は、気が乗らないのかな? とちょっと心配になりました。
「げんちゃん、これって、断られたんじゃない?」
私は言いました。げんちゃんは、うん、とうなづいて無表情
「ちょっとショックだったりするの?」
私はすかさず聞きます。げんちゃんは、たいして表情はかえず、ちょっとうなづきます。そうか、げんちゃん、それなりに断られるとショックなんだ・・・
ま、そうは言えど、げんちゃんと言う子は、あらゆるショックな出来事も、その場の風のように流してしまいます。ま、一瞬ショックは感じた、ということでしょう。
しかし、しばらくしてトモキ君から、行く、と言う返事がきました。
ラインでの連絡は前よりスムーズ
それからは、1度目のデートとは打って変わって、げんちゃんは、結構スムーズにラインをやりとりしていました。海浜公園の乗り継ぎの電車の時刻表をスクショして送ってみたり、私が、お弁当持参はどう?なんて提案したことを、しっかり相手に伝えたり・・・
なるほど、げんちゃんは、それなりにそういう潜在能力を伸ばしてきていたのかもしれません。回数を踏めば踏むほど、こなれてくるのかもしれない・・・
私は、ちょっとほっとしました。
私は期待して、一度目ほどラインの文章をチェックすることもなく、見守っていました。
返事をしないといけない場面でスルー
一緒に遊ぶ前日になって、トモキ君のお母さんからラインが来ました。
「息子がげんちゃんにラインするんだけど、返事がないって困っているので、げんちゃんに伝えてくれませんか?」
びっくり仰天。げんちゃんと来たら、トモキ君の、待ち合わせ確認のラインに返事をしていませんでした。
そのラインは、待ち合せにとっては重要事項でした。
途中落ち合って、一緒に行くというげんちゃんの提案ではなく、トモキ君は、家から直接現地に行く方が良く、それでいいですか?と聞いてきていました。
私は、そのラインの内容ををげんちゃんから聞いていて、知っていました。
でも、まさか返事をだしていないなんて!
トモキ君は、ラインに既読がつくものの、待ち合わせ方法の最終確認ができず、とてもやきもきしたと思います。
自分だけが理解できたらそれで終わる
驚いてしまいました。自分だけ理解したから、それで終わり。まさにげんちゃんの直面している課題です。
単に、返信を忘れていたという面もあるかもですが、そもそも、他人の立ち位置に立って、どう動くべきか、想像する手間をはぶくのです。
いつもの課題が噴出しているのでした。
結果的に自己中というげんちゃんの課題
もうこの課題はあらゆる生活の隅々に噴出しています。
例えば、私が留守の間、宅配を受け取ってくれた時も、何も言わずおいておくだけ、とか。
スマホをなくして、周りに探してもらったら、あとからカバンから出てきたという事件もありました。探してもらった人に報告もお礼もなし。なんてのもある。
ほんとありとあらゆる場面で、無責任そのものの行動が噴出します。気持ちが入った、まれに出現する良い時は、気の利いたことをしてくれたりもします。しかし、安定性がまったくないのが、課題です。
とにかくルーティンにならないように振り回す
こういう、人とかかわる上での、当たり前の常識を教えるために、S先生は、毎日ルーティンでげんちゃんを見てやることはしません。日曜になれば、翌日見ていただけるのか確認するように言われたり、指導のスタート時間も、毎日10分単位で変えられたり、そのつど、げんちゃんは、ルーティンという放心状態から追い出されます。気持ちを入れてやらなければ、とんでもない結果になるようにしむけます。
こちらの都合と先生の都合を調整するために、どんなやり取りをしたらいいか、常識的なマナーを徹底的に仕込まれています。
もちろん、目上の人に、ラインの既読無視など、許されません。何度も叱られています。
それなのに、今回へっちゃらでトモキ君にやらかしました。
自分がわかったら、納得したら、それで終わりにしてしまう。その次を考えることをめんどくさがるのです。
人生初めて、正しい”不安感”を感じることができた
さて、そういうことがありながらも、日曜日海浜公園にげんちゃんは行きました。
S先生がジャッジするには、驚くことに、人生初めての(笑)、正しい不安を感じたようです。
トモキくんとの遠出、げんちゃんは、ちゃんとこなせるのか、とても不安だったと言います。
心に意味のある不安がおこった。その心の動きを、初めて自分がしっかりつかんだといいます。おめでとう!(笑)
外側ではない、一番核のところが、ほんとに伸び悩んでいる、(自己意識を動かそうとしない)げんちゃんの核が、トモキ君のおかげで、少し揺らいだ瞬間です。
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トモキ君とは一対一だったので、少し心が動きやすい状態だったのではないかと思いますが、昨日のオータムフェスタはメタバース空間で何人もの人がいたので、あまり心を動かしていない様子のげんちゃんでした。
しかし、集団の中での様子を確認させてもらうことが出来たのは、私の方の収穫となりました。どんなことが出来るかも分かりましたし、課題もいくつかハッキリしました。
課題としては、まず、げんちゃんの反応が、悪い、遅い、弱い、の3拍子でした。LINEを既読スルーするのと同じ理由が考えられます。つまり、げんちゃんとコミュニケートしようとしている人へのサービス精神があまり芽生えていないからだと思います。
道のりは長いですが、確実に前進していると思います。
Takeko先生
ありがとうございます。
げんちゃんと言う子が、単なる知的障害じゃないくて、はっきり言って、人間性の欠落、魂の異常を問題としているのだと思っています。
何にも心を動かさず、自分の魂さえ、責任をもたないような子が普通の感覚を持って、しっかり生きていくためには、まだまだ道半ばです。
だけど、お友達と交流することにやっと食指は動いていると思います。でも、遅すぎますよ。ほんと、だからまだ幼稚園児みたいなところからスタートしてるんだろうな~と感じます。
目の前にいる子と、とりあえず遊びたい、その程度のところから、目の前にはいないけど、好きな友達と、いろんな手段で交流していきたい、未来の時間で会う約束したり、遊ぶイメージを抱いたり・・・
う~ん。一つ一つ今から普通の子の幼児のステップを踏んでいくのかもな~と思ってしまいます。
せめて、小学校中学年くらいには、一気に行ってほしいです。
まあ、どんどん、IQが低くても意識の高いお友達に抜かされまくっています。
げんちゃんのケースは、ほんとにレアすぎ、とため息つきたくなります。