気持ちがマックス動けば、真剣にメモできる。
30分の長い面接が終わりました。
げんちゃんが出てきたので、
「どうだった?」
と詰め寄りました。
「うん、メモしたよ。」
どうも、げんちゃんがインタビューされたのは、わずかの時間で、ほとんどが、アルバイトの詳細をお話されたようです。
「ちょっと、面接の復習をしましょう!」
私は、第二の面接官みたいな厳しい顔で、ロビーのテーブルに座らせました。
「なんて聞かれたの?」
「うん、あまり聞かれることはなかった・・・」
「お母さんと練習したことくらいしか、聞かれなかったの?」
「そう」
「じゃあ、どんな話をされたの?」
「ちょっと待って。一生懸命メモしたよ。
え~っと、頭髪は、派手にならないように。それから、洋服は、目立つものはだめ。・・・・
え~・・祝日と日曜日は、時給は100円上がる。5時からだって。それと~、仕事は、立ちっぱなしになるよ。とか・・・」
げんちゃんは、メモを見ながら色々話してきます。
はっきり言って、やりゃできるやんか~! って感じです。
30分で聞いてきた内容としては、シンプルに、想像できる程度のものですが、就職にあたって、いる内容はそこそこ入っていました。
「採用不採用はいつわかるの?」
「えっと、不採用は、メールで、採用されたら電話がかかるって・・・」
「で、いつ連絡が来るの?」
「あ~。それは~・・・」
一般的には、面接後5日以内くらいが、ハローワークでは推奨されていますから、たぶん、そんな回答だったんじゃないか、と思いますが、げんちゃんは、答えられません。
聞き逃したのでしょうか・・・
げんちゃんは、持てる力全力でやったんだろうな~、と想像されました。インタビューはいたって最低限だったらしいので、もしかしたら、あまりぼろがでなかったかもしれないです。
まったくわかりませんが、少なくとも、メモ取る力も、昔と比べたら、相当あがってるんだ、と言うことがわかりました。
しかし、直後に、検証したから、まだげんちゃんの意識がばりっと入っていたけれど、これを翌日やったら、たぶん、結果はぼろぼろになっていたのかもしれません。
その証拠に、翌朝、げんちゃんの抜け方といったらひどかった。面接のあとの、気持ちがバリっと入って、かわいいげんちゃんが、あっという間に消え去っていたのですから驚きです。
新学期からは、ホームスクール中心にしましょ
帰りの車で、言いました。
「げんちゃん、9月から採用されたら、(秋オープンのスーパーです。)学校は休学ですよ。どうせ学校に行ったって、抜くだけでしょ。行かなくていいよ。バイトと、ホームスクールと、塾と・・・
そうだね~。週1日くらいは、学校に行って、あなたの状態を確認しようかしらね。」
げんちゃんは、うろたえました。
「え?なんで~~(´;ω;`)。学校行くよ・・・」
げんちゃんの声、上ずっています。
「いやいや、学校に抜きにいってるだけだから、行かなくていいよ。先生も賛成していたよ。意味ないから来なくていいって。」(適当に言ってますが・・・)
「ええ~!いやだよ。行くよ。行きたいよ。」
「あ、そう。じゃあ、ちゃんといい感じに気持ち入れるんだったら、そのうち週二日くらいに、増やしましょ。」
すると、げんちゃんの口から、聞いたこともないような、感情のこもったすごい言葉が出てきましたよ~。人生初みたいな会話です!
「・・・・学校くらい、行かせてやれよ~・・・」
どっひゃー・・・ただ、行きたい、とか、いやだ、くらいしか言わないげんちゃんが、
学校くらい行かせてやれよ~、なんて、おかしいやら感動するやら。
ほんと、この一連のイベントが、げんちゃんの心をぐぐぐっと動かしたことがわかりました。
ほんと数か月に一度は面接したらいいかも、と思うくらい、マックスの気持ちの入り方だったのでしょうね。
それを続けましょう。普段とその時が、どれほど違ったのか、しっかりしっかり自分で認知するべきですね~。
採用されなかったとしても、とても良いイベントでした・・・
げんちゃんが、しっかり気持ちを入れて、今までつけてきた能力をしっかり発揮するために、学校より、アルバイトがいいと思えば、別に学校にこだわる必要もありません。学校は手段にすぎませんから。目的達成が大事でしょう。気持ち入れるのを、アルバイトで学べるなら、それから学校にもどればいい。そう思います。
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非公開Mさんへ
いつもお聞かせいただく、お嬢さんの会話力の高さには驚きます。
げんちゃんと最初のIQなどは、たいして変わらなかったようなお話をされていたのに、自分を客観視する言葉がちゃんとあるのはすごいです。
また、今のげんちゃんとの差がなぜできたのか、ということを語っているようです。げんちゃんは、一つ一つの経験を平気で捨てて、自分の巣にもどっていくようなところがあります。
確かに、今回面接では、マックスの力を出したように思います。しかし、そこからつなげようとしないのです。だから何? もういいかな?
そんな感じ。だから、そこで言葉が切れる。内部言語が切れていると思っています。
結局、IQも大事ですが、思いの方が大切だとわかります。
お嬢さんは、気に病むところを持っているので、げんちゃんより違ったアプローチがいるとは思いますが、それが原動力になって、がんばろう、というモチベーションがおこります。
げんちゃんは、そういう次へのつながりがほんとに希薄。
嫌なことも、すぐに、捨て去ることができるから、うらやましいくらい、後をひかない。
でも、結局それがあだになって、こちらが相当エネルギーをかけて伸ばそうとしても、エネルギー効率が、ほんとにほんとに悪いんですよ。
もっと、気に病んだり、落ち込んだりすることが、普通の子のようにおこれば、かわるのかな、と思います。
新しいスーパーたちあげは、めちゃくちゃ気合が入っているんですね。そういうところで、びしばし、指導されるのは、とてもいいですね。ついていけるのか心配ですが、首になったらなったで、糧になります。
学校より、絶対成長に役立つと思います。げんちゃんは、普通の人の何倍もの圧がいるんですよ。
成長したあかつきは、普通より怖いものなしだと思いますが、そこへもっていくのは、奇跡と言わざる得ませんね。
非公開Mさん
お嬢さんの、気持ちを使う力は、げんちゃんよりずいぶん上ですね。
小学校の時は、支援クラスという、ある意味、ちょっと甘やかされる環境にいて、ま、いいか~というのが許された。
でも、中学から、上手く私立の高校を選んで、なんでもうやむやにできなくなって、常に気持ちを動かす訓練ができたんでしょうね。
それに性格もありますね。げんちゃんより、周りのことが気になるというのは、気持ちが出ている証拠ですよね。
げんちゃんも、気持ちを出せば、ずいぶん、いろんなことができるようになっています。ただ、出したとしても、はい、これでおしまい、そういうことをへっちゃらでやります。
これは、性格の違いだと思います。
もともと、ほんとに、気持ちというのを、深いところに閉じ込めて生まれてきた子、とS先生も言っていました。
自分も、いろんな発達の人を見てきたけど、げんちゃんほど、壁の厚い子はいない、なんて言うのですから、おそろしいです。
確かに私も、げんちゃんより、もっと自分と言うものがない子を見たことがありません。
IQに比例しません。
人に無責任である前に、自分に対しても無責任、無頓着です。
そのげんちゃんが、学校くらい行かせてやれよ~、と言ったのは、快挙なんですよね~。
普通の子にとっては、なんでもないような発言ですけどね。
”気持ちが、一気にあふれ出るようになる”、と書いて下さったのですが、ほんとにそうなればうれしいな~と思います。
気持ちが出ていて、血の通った会話ができている発達の子もいるので、そういう人は、私の言うことがピンとこないと思います。
Mさんのお子さんが、メモしなくても、自分はもうできる、と感じるのは、発達の人によくあることのようです。ある精神科医が、発達の人が、自分は、すぐに忘れる、と相談してくるけど、何度言っても、メモしない人が多い、と言っていました。
自覚がなかなかできない発達障害の特徴なのでしょうね。それと、自分を変えるのが難しいのでしょう。でも、今そこを改善してしまえば、ずいぶん、生活がスムーズになりますよね。
げんちゃんも当面徹底したメモ訓練をしようと思います。
げんちゃんは、学校より、アルバイトの方が気持ちが動くと思います。色んなジャンルの仕事をさせようと思っています。そのために、高校卒業が遅くなってもいいと思っています。
接点を付けて行くのが、とても大変な子なので、広く浅く、をまず体験させたいです。
Mさんの身近にいる発達のママは、なかなか厄介ですね~。ご家族がなんとかカバーしてくれて、私の友達同様幸せです。でも、根治となると、むつかしいのでしょうね。IQが高い発達障害の人は、それがわからずに、修正しないまま、精神疾患に陥って、はじめて診断がつく場合も多いですよね。私の友達もそうでしたから。
できれば、子供のうちから、しっかり指導してこれればよかったのでしょうね。必ず片鱗はあるはずですものね。教育が偏差値ばかりにかたよっているので、なかなかむつかしいですね。