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発達障害の18歳の壁 ―げんちゃんの料理教室への挑戦―

げんちゃんの発達障害改善プロジェクト料理げんちゃんが復習で家で作った料理 ハンバーグとパン(もちろん手伝っています。)

18歳の壁と、発達障害の子どもの進路

知的障害や発達障害の子には「18歳の壁」というものがあるといいます。
確かに高校を卒業してからの進路は、一般就労が難しかったり、大学に行ける子はIQがある程度高い子に限られたりと、選択肢が限られてきます。

専門学校という道もありますが、それだって、げんちゃんのような子の場合、下駄をはかせて何とか入れる場合が多いと感じます。

「18歳の壁」はとても納得できる言葉です。

家庭主体の学びと、恵まれた環境に甘えが取れない

げんちゃんの場合、高校卒業後はどこかに所属させるのではなく、自宅でカリキュラムを作り、まわりのさまざまな機会を利用しながら成長を促してきました。
なかなか出会えない辣腕のS先生。チームの主軸。
また、小学校の内容を指導してくれる学習塾の先生。そろばん、くもん書写。琴の先生。もう何年も習い続けている体操の先生。
これら理解ある人との出会いがあってのものだねのげんちゃん教育です。教育費も膨大です。(恐ろしい!)

自立訓練事業所も週2利用させています。意識低下しそうなときは休ませているので、なかなか微妙ですが・・・(自立訓練の事業所に通ってる、と言えば、色々面倒くさいこともなくなっています。実家の母なども、この説明で安心するみたいです。)

どう考えても、恵まれた環境のおかげで教育を続けることができていると言えるでしょう。

ただ、恵まれすぎているために、げんちゃん自身が「自力で伸びよう」とする姿勢が足りなさ過ぎです!

少しずつ見えてきた成長の兆し

一方で、最近は良くなった点もあります。意識レベルが上がってきたのか、かつては致命的に汚かった字が少し整ってきました。気持ちの入り方に波があるのは相変わらずですが、以前よりはましかもしれません。とはいえ、意識低下した時の失敗はすごいです。

ある程度気持ちを込めて、いい感じに行動していると思うと、「もうこれでいいだろう」と気が緩む。そして、その後にドカンと急降下して地の底まで落ちます。

 わかりやすいのは朝食。気持ちを抜いているときは、味を付け忘れたり、いまだにします。日曜日、お姉ちゃんが帰ってきていても、平日といつもと同じ人数分作ったりします。
それを見て、あ、抜きまくってる、とわかります。

都会のお料理教室への挑戦

そんな中で新しい試みを始めました。げんちゃんをお料理教室に通わせることにしたのです。地元の文化センターの講座に参加させたことはありました。そのときは少人数で、おばさまたちばかりなので、まわりが、引っ張ってくださるだろう、と、私も、比較的安心でした。
しかし、今回の挑戦は福岡の都会の真ん中にあるお料理教室です。あえてひっきりなしに人が入れ替わるような、大規模な教室を選びました。繁華街のど真ん中にあり、若い人や男性も多く参加するような場所。そこでいちいちげんちゃんに気を配ってくれる人などいないはずです。私でさえ気後れするかもです。

本当にげんちゃんに可能なのか、不安でしたが、まずは体験に申し込んでみました。

入会までのハラハラ体験

体験当日、げんちゃんは繁華街の中、場所に迷って遅刻しました。
体験終了後に、すぐに責任者から入会を勧める電話が、私にかかりました。なんかビジネスライクです!
私は少し不安になり
「息子は通えるでしょうか?」と尋ねました。すると

「玉ねぎのみじん切りなど上手でしたよ」と意外な返事がありました。

私はいぶかし気に言いました。「実は息子は、子どもの頃、自閉症の疑いをかけられて、コミュニケーションが苦手なんです。今はよくなってるようですが・・」
最後にわざと持ち上げました。

「発達障害の手帳持ち」であることは伏せました。障害を打ち明ければ、必ず障害者向けの対応になってしまうからです。今回の挑戦はあくまで「普通の基準」で取り組むことに意味がありました。ダメならクビになっても構わない、普通の基準で扱ってほしい、そのくらいの気持ちでした。

お料理を通じて見えてきた課題

入会はあっという間に決まりました。体験では他の人と比べて極端にできないことはなかったようです。朝ごはん作りは役立っています。それと、げんちゃんは、新しい所に行くことに、あまり抵抗のない性質も役立っているようです。

家で同じメニューを作らせる

さて、後日、家で同じメニューを作らせたところ、分量の計算に大苦戦。何しろ、教室は1人前を作っています。
普通の人ならスラスラできる計算に何度もつまずきました。やはりお料理学校に進む上で、一番の課題は計算力です。しかし「自分ができなければ困る」と実感させるには良い環境です。げんちゃんは、私がいないと、さっさと電卓を持ってきます。
いざと言うときは、それもありなのかもですが、今は訓練してほしいですよね。

幸い、げんちゃんはお料理そのものは嫌いではなく、みんなに喜ばれることが嬉しいようです。認められたい欲求が強いのでしょう。人に喜ばれることは大好き。勉強は嫌いでも体を動かすことは好きという特徴もあります。

これからの進路をどう描くか

来年料理学校を目指すのか、それが本当にげんちゃんに合っているかはまだわかりません。果たして入れるのかも・・・まだよくわかりません。
しかし、専門学校を調べても、本格的な生活力を育てる「花嫁学校」のような場所は見つかりませんでした。それならば、お料理学校を目指す、というのが、かなりオーバースペックではあるものの、今の私の考えです。

お料理学校に行って、そのあと、レストランに就職するのか、もちろんまだ考えられません。調理師免許だってとれるとは思えないし・・・・

ただ、自分の食べるものをきちんと作り、家族のために工夫しながら料理ができるようになること。それがげんちゃんに持ってるゴールのイメージです。

「夏休み症候群」。この頃になると来年をイメージして、再びプランニングが必要になります。とにかく、その第一歩として、月2回~3回、定期的にお料理学校に行き、家でそれを作る・・・

18歳の壁のもう一つの意味は、高校という場所の終わりをもって、成長が自動的にストップさせられる、という壁でもあるように思います。ほんとにそれは残念だと言わざるを得ません。暦齢を基準にするのではなく、彼らの精神年齢や能力を基準に、成長を続けるための環境が、まだまだ必要なげんちゃんです。

 

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