ママの格闘と改善のダイアリー

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発達障害20歳――専門学校挑戦を最大に生かす「時」とは?

げんちゃんの発達障害改善プロジェクト

10月を前にして感じる停滞と、一筋の手応え

日々が過ぎていき、そろそろ10月になろうとしています。進展を見ないまま、げんちゃんは、こちらがかけるエネルギーに対し、ひどいエネルギー効率で、ほんのわずかずつ伸びを続けています。

まだ来年度でさえ、何をすべきか見つからない状況であるものの、先日、ひとりでお料理教室で習ったパンをもう一度作らせたら、1度目の失敗を改善させて、私の介入なしになんとか作り上げました。

そのとき、げんちゃん、たぶん相当気持ちのスイッチを入れていたのだと思います。彼のいい面がしっかり出て、能力がかなり上がっているのだと感じました。

デッサン教室で見えた成長

その後、デッサン教室に行くと、今までで最も上手なデッサンを描いてきました。

一度彼が描いたデッサンを見せてもらったところ、2~3カ所ほど破綻している場所があったので、私が指摘しました。

すると次のレッスンで、そこを自分で修正してきたと言いました。これも、成長だと思います。過去なかったことです。

「スイッチ」が入ったときの力と、日常の行き当たりばったり

そう、げんちゃんがスイッチを入れたときの能力は、高校を卒業した直後よりもずいぶん上がっています。私はそれをはっきりと感じました。

しかし、げんちゃんがいつもスイッチを入れるわけではなく、普段はつながりも何も考えない、ただ行き当たりばったりで生きている生物です。

直感が告げた「今なのかもしれない」

来年、専門学校を目指すにしても就職を目指すにしても、まだ確信が持てなかったのですが、そのふたつの様子を見た瞬間に、私の心にスイッチが入りました。

「今なのかもしれない」

過去にも、ずっと見ていて「あ、今だ」と思う瞬間がありました。マリア・モンテッソーリの法則によれば、敏感期というものがあり、そのときに、敏感期が来た課題は、大量に取り組ませるべきで、そうすると、一気にそこが伸びるのだそうです。

少し意味は違いますが、今その時だ、という奇妙な感覚が私に生まれました。

パンフレットを開き、オープンスクールを探す

私はおもむろに、封も開けていなかった調理師専門学校のパンフレットを取り出し、ホームページを見て、オープンスクールや説明会など、かたっぱしらから探しました。

以前にもオープンスクールに行ってみようと頭では考えていました。でも、なんだか気持ちが乗らず、行動に移せませんでした。

不思議なことですが、大きな変化があったわけではないのに、あの例の感覚が突然襲ってきたのです。

過去にも訪れた同じ感覚

そう、普通クラスにシフトさせるときや、アルバイトを始めるときも、この感覚でした。

久々にふってくるような感覚です。

今の専門学校は、げんちゃんにはオーバースペック、それでも……

では今、調理師専門学校がげんちゃんにぴったり合うかというと、やはり今でもオーバースペックすぎます。

たけこ先生に話すと、「まだ時期尚早かも」と言われました。当然です。的確な判断です。

しかし、過去この感覚に従ったとき、必ず転機がありました。知識や思考を超えた直感のようなものです。そしてこれは、げんちゃんを見つめ続けていないと生まれない感覚です。

小4の終わりに感じた「今です」

そういえば、小学校4年の終わり、支援クラスの先生に「今です、普通クラスに入れてください」と私が頼んだことがありました。

先生は首をかしげましたが、私は「今です。間違いないです」とお願いしました。

結局、げんちゃんはそこから一段階上に上がったことを思い出します。

パンフを開けば圧を感じるカリキュラム、それでも動くか

久々の感覚だ……本当に。

調理師専門学校のパンフを広げれば、感覚的にはひるむくらいオーバースペックなカリキュラム。栄養学、衛生法など、難しい内容がたくさん。調理だって、初心者クラスの料理教室とはわけが違います。

やれやれ、それでも行動するの? と誰かがささやきます。

S先生も「ちょっと難しい」と難色を示しました。

それでも、S先生は、しばらく間をおいて、そこにかけるしかないのかもしれない。目標にしたり挑戦させたりすることが、何かを生み出すかもしれない――と、付け加えました。

申込みへ――行動に移る

慌てて調べれば、もう秋のオープンスクールも佳境で、どちらかといえば終盤戦のように感じました。

私は焦って申し込みました。

げんちゃんに「料理学校に行きたい?」と尋ねると、「行きたい」と言いました。

遊園地じゃあるまいし、威勢よく答えるげんちゃんに、かえってしらけます。

わかっているのかどうか。実際には、げんちゃんは学校のパンフレットすら開封していません。でも、その話になったとき、げんちゃんは、過去に同じ質問をした時とは別の何かを秘めていました。

料理教室は「ひらめき」ではなく思考の産物

お料理教室に行かせようと思ったのは、ふってくるような感覚ではなく、頭で考えた結果でした。

なんとなく将来的に調理師専門学校に挑戦させた方がいいかな、う~ん、それなら料理教室あたり探してみようか――とつなげただけでした。

そのステップも手伝ったのでしょうか。ほんとに、やけに私は行動的で、確信に満ちています。

合否の現実と、それでも置くべき目標

よくよくパンフレットを見れば、試験もあるようで、正直まず受かることはありえないだろうとも思います。

発達障害を抱えている子を、学校の端のほうにでも特別に入れてもらえるか――お願いしてみる結果になるのだろう。現実的にまともには入れないと感じます。

しかし、たとえ無理としても、今こそそういう目標を与えて、彼の心を揺り動かすことができれば、彼の能力は相当上がっているのだから、何かの化学反応がおこるのではないか。

三段階ステップを押し上げるような感覚

ある意味、過去何度かやった、3段階ステップを無理やり押し上げるような感覚です。

エンジンもハンドルもアクセルも最低限の調整は終わっていて、あとはガソリンに火をつけて、キーを使ってスイッチを入れて、アクセルを踏むだけ、という状態のげんちゃん。そこでしぶっているのです。

(もちろん、アクセルを踏んだからといって、余裕で専門学校なんてことはありませんが。)

調理師専門学校という目標が、やっと、げんちゃんの心にまともな影響を与える可能性が出てきた……きっと、そういう瞬間を私が感じ取ったのでしょう。

げんちゃんの気まぐれさと大きな逃げ

げんちゃんは気ままにアクセルを踏んだり、絶対に外してはいけないところでアクセルから足を外したりします。

自分都合で妄想的に考え、自分都合で衝動的に行動を起こすことが多いのですが、たまにスイッチが入るとまともに動くこともあります。

そういうきまぐれでいいかげんなげんちゃんの性質を、特性なんて呼ぶのかもしれませんが、私からすると単なる精神異常だと感じます。自分の魂を、好き勝手にもてあそんでいる!

自分の気まぐれ、エゴ、向上心のなさが、そういう気まぐれを呼び込むのです。

それこそが、発達障害げんちゃんの特性……能力ではなく、性格です。特大の逃げを生みます。

今までいくら目標を与えても現実味を帯びなかったのに、今ならこの目標がげんちゃんの状況を変えるきっかけになるのではないか。

よくわからないけれど、今は行動すべき――そう体が感じています。

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